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あぃすつぃうらゔゅ
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君の優しさに眩暈がした
本心から擦れてない言葉が紡がれて
それが白壁のクラックみたいに目を引いた
どうして私は女に生まれたのだろう
どうして私は女の子を好きになってしまうのだろう
どうして私は男に生まれたのだろう
どうして私は男の子を好きになってしまうのだろう
どうしてこう物事は上手く噛み合わないのだろう
私がその人なら、この人が君なら、君があの人なら
少しだけこの世界を愛せたのは
彼女との未来が匂わされたからだ
少しだけこの世界を許せたのは
君が安らぎをくれたからだ
少しだけこの世界を認めたのは
日常を生きているあの人のことを知ったから
そうやって導き出した空漠たる彼の地は
次元を跨いでいて、ここに重なり合っていなかった
存在しないが存在していて
つまり彼の地は幻なんだ
そして唯一、本物の本当なんだ




