8/54
静電気
ー
ー
時間は有限だ
私は過去を、断ち切らなければいけないのだろうか
口にすれば途端薄っぺらくなってしまう感情を
他人や周囲に漏らして発散する生き方は嫌いだ
私を知っている誰かがいる事が不快だ
時の流れが生み出した距離はしかし
心の有様までは作り替えなかった様で
苦しみから解放されたくはなく
けれど腐りたくもなく
彼女を愛しているけれど
ならば私はどうあればいいのだろう
何処へ向けてどの様にすれば
ああ、やはり頭で考えてばかりで体は蚊帳の外だ
関係ないとばかりに蔑ろにする
だから壊れて病んで首を吊るんだ
この気怠さと無気力症をどうしたものか
オイル漏れのせいで燃料が空っぽだ
幾度注ぎ足せど草を枯らすだけのガソリン
穴空きタンクに詰める行為がもう億劫でたまらない
感情を思い出しただけマシなのかもしれない
起爆剤が欲しいなんて言わないから
否、言わなければいけないのかもしれない
生きる、ならば
もう一度生きてみようと思えたなら
ここは頑張りたいから、燃えないといけないんだ
ー
ー