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堕天使は羽を毟る

失った時間

失った価値観

失った涙

失った健全さ

失った全てを

気のせいだなんて片付けられてたまるか

空白だなんて言われてたまるか

あれだけの苦痛を

あれだけの忍耐を

あれだけの犠牲を

あれだけの絶望を

経験だなんてレッテルに押し込まれてたまるか

何も知らないくせに踏み荒らされてたまるか

こんなところで諦めるなんて

こんなところで妥協するなんて

こんなところで終わりだなんて

出来るわけがない

あの五年間を、堕落の始まりにしてたまるか

この十年間を、何もなかったことにされてたまるか

たとえ何処へも逃げられないのだとしても

ここではない何処かへ辿り着けないのだとしても

後ろ指を指されて、孤立するのであっても

この人生を腐らせるつもりは毛頭ない

何を犠牲にしてでもこの憎しみを昇華する

そうしないと気が済まない

あの時間を、あの価値観を、あの涙を、あの健全さを

あの苦痛を、あの忍耐を、あの犠牲を、あの絶望を

あの五年間の、この人生の、それら全ての存在を

世間に証明してやらず死ぬなんて真っ平ごめんだ

この憎悪は、決意は、芯は

平和ボケした天界への細やかな復讐なんだ

今では臓腑まで燃料にした、この炎が尽きるまで

二度と、意地でも堕ちてやるもんか

物理法則だって捻じ曲げて、道徳なんてクソ喰らえ

感情も、論理も、常識も、何もかも蹴散らして

どこへでも行ってやる


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