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ハラワタ/ただの霙

まただ、また私は弱ってる

このふわふわとした

アルコールみたいな感覚を知っている

刹那的な多幸感

刹那的な、かけがえのない、永遠じゃないこれは

黒板摩擦音の様に耳障りで

体全体に危険信号が流れる

「これはだめだ」「それはいけないんだ」

「戒めなければ」「研ぎ澄ませなければ」

切り付けて、何度も切りつけて

ぬるぬるする鮮やかな赤を出す

痛みと麻痺、ドーパミン

次第に鳴り止んで安堵する

なんの味もしないけど確かに血液

ここに刻まれた分だけ私は許される

ここに刻め 痛みを苦しみを惰性を罰しろ

これは生存の贄 辻褄合わせ

錆色の手のひらに顔を埋めて

ああこれで息ができる

幸福の真綿に絞め殺される前に

黒いハラワタを剥き出しにして解放する

殺気に似た緊迫感を取り戻せ

ここが私の戦場なら

温もりと幸運で霞んだ優しすぎる世界を

こじ開けて、ヒビ割って、千切らないと

ここが私の戦場なら

ちゃんと切り付けて命を賭けないと

そうだ私は戦士だ

いつか君の顔をしたヴァルキューレが口付けるまで

いつかヴァルハラに至るまで

戦い続けるのだ

ここで散るか勝ち取るか

そう腹を括って生きてきたんだ

微睡はいらない、幸福はいらない、他人はいらない

そう心に決意して、死ぬことを許したんだ


ーただの霙

「ごめんね」

なんだか涙が出てきた

貴方の愛にフラれた気分だ

悲しいわけじゃない、苦しいわけでもない

感情が溢れてくるんだ

名前もつけられない様な感情が

とめどなく溢れてくるんだ

こんこんと降り積もって

しんしんと降り積もって

割れてしまいそうになるから

もう少しだけ強がらせてくれ

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