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powder
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憤りと憎しみと虚脱感と焦燥感がない混ぜになって
この渇望の正体が何か分かった気がした
欲望が何処から生まれるのか
それをどう活用するのが最も合理的か
砂嵐が吹き荒れて光から隠れて
銃弾が飛び交い囲いが錆び付いていくような虚身
鳥の囀りは悲鳴、蝉の絶叫は罵倒
求愛が斬りつける黒い光沢の中は干涸びて
奥底はひび割れていて
岸辺に生える緑の存在さえ疎ましく
時折落つる水滴も痛みを増幅させるだけ
渇きを忘れるほど枯れていなければ耐えられなかった
湖底に張り付いた皮と骨
それ以外は啄まれて襤褸になり、砂になった
風に巻き上げられて虚の中で塵になる
塵が絡みついた弾雨は乾荒原にまた肉をぶち撒けて
虚な世界の干魃を加速させる
渇望していたのはこの世の果てだ
果てしない連鎖の途絶だ
見えない傷を体に刻み込んでみたって
虚しくて仕方ないだけだった
きっとこれは、永遠や幸福を望むことと同じ
厚顔無恥で恥知らずで愚かで
限りなく人らしい願望の根源だ
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