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夢現のタキサイキア
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さようならまで
君がいなくなるまで
あるいは私が離れていくまで
いつか訪れる未来まで抱きしめよう
飴玉は溶けてしまう
月は軌道を逸れてゆく
水が流れ落ちるように
時が溢れ落ちるように
星が揺らめくように
炎が煌めいているうちに
形骸化した世界に言葉を刺して
言葉の意味をもう一度辿って
快晴の空は儚くて、愛しくて、永遠の様で危うくて
それ故に焦がれて泣きそうになる
なんと心地の良い苦痛だ
死んでいるみたいに穏やかだ
一瞬にして溶けてしまう幸福を手に
やまない雨を錯覚してしまう記憶を胸に
それは、
言葉にならなかった




