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六月
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くしゃみをして目を覚ます
絡みついたバスタオル以外冷え切っていて
再び微睡の中へ潜り込もうとしても
裾から曝ける四肢を辿り朝が忍び込む
掠れた視界で見渡せば大きな体があって
上下する胸や空いた口が見える
シーツの上を滑って上体を起こして
軽く背を伸ばして呻く
首の後ろに周ったネックレストップを
胸元に戻したらシャランと鳴った
君が住んでた胸の奥のここが抜けていて
油断するとすぐ痛み出す
寒い 寒い 寒い 壊れそう
こうしてどうにか誤魔化していないと
まるで蛻の様に
少しのことで砕けてしまいそうで
ベッド端に腰かけ、背を向ける
いつもと変わらない手のひらを見つめる
乾いて張り付いた痕跡を擦ったら
昨日の人は粉になって、肌がほんのり赤らんだ
穏やかな休日の気配に重いため息を垂らす
目を閉じて、微睡んでいるふりをする
静寂の中、寝息に耳を欹てながら六月を嗅いだ




