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手折る黒百合

癒えない傷を

見えない傷を

持て余して二の足を踏んでいる

馬鹿らしいと口にするがしかし

未だ無益を貪るだけの夜だ

悲しい事、苦しい事、辛い事、痛い事

理由さえもうどうでもいいと心から思っている

けれど癒えない傷に見えない傷に

変われない自分に下らない都合に怯えている

忘れたいからと塗りたくった色は歪で

きっと可哀想にも思われない様な

そんなつまらない日々に楔を打ち込んで

装飾だらけの足枷に

やたら値の張る首木に

もたれかかってぐずぐず言う

絞首刑はまだか、など

首切り人は何処に、と

金持ちの道楽かと自嘲する己も

酒と肉と欲を手に胡座かいて

クソッタレな自分を殴ってる

真ワタで首を吊って、言葉の内に籠城して

公開処刑すらされず幽閉先でぬくぬくと

なんて醜い、なんと醜い

家畜以下の私が高貴な遊び

悲しみながら酒を飲み

痛いと嘆きの唄歌い

食欲がないとディナーを残して

つまらない怠惰に金を溶かして

変われないからと腕を切って

笑いながら色に耽るばかり

可哀想な私、可哀想な私、可哀想な私

愚かな私、醜い私、汚い私、腐った私

錆びついた記憶、染み付いた傷、揺らいだ価値観

崩れ落ちた経歴、崩れ落ちた実績、崩れ落ちた私

壊れた体、割れた心、消えた関係、遠ざかる掌

切り付けられた切っ先の残像が忘れられなくて

悲しむなと首を絞めて

辛くないと刃を通して

眠たくないと内に沈んで

潜んで砕けて底抜けた暗闇の奥で

何処かへ逃げたくてぶら下がる私

こんな私を殺せない

こんな私が大嫌い

突破されて、麻痺してしまえ

私の中の私なんて全員虐殺してしまえ

殺して殺して八つ裂きにして

散りばめて抉って飾らせてくれ

装飾の枷を、メッキの冠を、偽造のレガリアを

討ってくれ、ライリー勇敢な人


このわたくしめをどうか殺して下さいませ、と

壁のシミに話しかけた


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