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容易に手に入るような幸福を嘯かれて

自覚症状のある偶像崇拝は掻き消された

悲しくて寂しい夜を繰り返したい欲望と

穏やかに凪いだ朝の寂寞が一致して

さようならだとか大好きだとかいう雑多な口語が

心の現在地を体に刻み込んでくれた

私のことなんて、誰にも知られたくない

独りぼっちのまま死にたい

儚く、霞む微睡の中に生きたい

数学の海に沈んで、物理の大海を眺めて

音の波に酔いながら、渦巻く激情に焼かれて

やがて枯れていく心と焦げた体を小説にしたい

死にゆく私を愛したい

こんな気持ち誰にも分かるわけない

同一化しなければイコールにはなれない

類似性は届かなくて虚しい

けれどそれがいい

とても可憐で痛ましく、悩ましく憂い

なのに尊くて殺したくなるくらい愛しい

こんな感情はやっぱり誰にも理解できない

断片的なものならまだしも

このこれを完全に言葉にするのは不可能だから

そういったパラドックスも装飾して

だから、もう無理で、

何処にも行けないし、何処にも帰れないし

何も手に入らないし、苦痛も手放せなくて辛いけど

悲しくて悲しくて仕方がないけれど

それがそうだからいいんだと、思えたんだ

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