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黄身のセイ
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人はいつも命のせいにする
なんでも時間のせいにする
砂時計の中であぐらを描いて
上から降る砂鉄を指差す
『まだ大丈夫』と『時間切れ』
『生きてるせい』と『死んでるせい』
命のせいで、命のせいで
巻き戻らない後ろのせいで
不確定な行き先のせいで
急か、所為か、性か、正か、生か
何れにしろ
原因は単独で理由たり得ない
そこに付随する感情のせい
仮に命に原因があっても
それを理由にするのは人だ
人の中では誰も困らないそれを
スケープゴートにしているだけ
今、床に寝そべる意味を定義しているだけ
目を逸らしていないと疲れるから
疲れてしまうと困るから
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