私の部屋、という此処
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今の此処
指があって、スマホがあって、フリックしてる
埃っぽい床にビタミン剤と頭痛薬が落ちてる
机の上にはペンとボトルガムと飲みかけのコーヒー
カレンダーと参考書と丸まったヘアゴムがある
好きな人からLINEが来て、どうでもいい話をする
目の前のヒーターが音を立てて空気を乾燥させ
私の唇もだんだん皮が張り付いてひび割れる
今の此処にあるつまらない日々
だらしない私を体現する居候先の部屋
今の此処には当たり前が詰まってる
此処に来るまでどこにもなかったありきたりだ
此処には他人の世界にしかなかった日常がある
痛みも、叫び声も、怒号も、酒も、男女も、吐瀉物も
此処からは遠いところにある
そっか
此処は元々何処かだったんだ
彼の地ではないけれど此処ではない何処かを
私はもう此処にしたんだ
だから、此処ではない何処かを此処にするために
此処を、今を、日常を、そのために生きるんだ
だから皆ああも普通そうな顔で居られるのかな
否、人は薄ら抱えている生き物だ
君も、私も、彼女も、誰かも、何かを抱えてて
テロメアをすり減らしながら生きている
手遅れになってから気づくのは嫌だな
今は、此処は、どうなのかな
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