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僕の亡骸と地縛霊
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鳴りを潜めて
物語に酔ってみたり
殻に閉じこもってみたり
君を知った気になって描いてみたり
でも何も満たされない
何も得られない
僕一人では僕を救えない
散々やった
恋も、裏切りも、自傷も、放棄も、思う限りやった
理屈で幼さを縛り、論理で感情を殺してきたから
刹那的な衝動の向こう側に答えがある気がして
けどニヒリズムを煮詰めたって
希死念慮を弄くり回したって
使い捨ての生殖行為に興じたって
結局は理論理屈の内側でぐるぐるしているだけで
大事なものが分からなくなってしまったんだ
自分の姿さえ見失って
僕だったか、私だったか、俺だったか
本当に取り戻したかったのは何だったのか
忘れてしまったんだ
記憶は改竄され、風化して、やがて形骸化する
死んだ感情は戻らない、死んだ過去は生き返らない
死体を抱きしめていたって腐って溶けてシミになるだけ
もうこのゴミは捨てなきゃいけない
捨てなきゃいけないんだ
僕はもうとっくの昔に死んでいるのだから
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