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一人の世界
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私も君も、クロとネコじゃない
それぞれの時間で、それぞれの人生を生きてる
物語になんてなれないくらい雑多で
密度の濃い世界を全身に浴びて通り過ぎてる
お別れでも、君はこの世界に生きてる
それだけは確かだから、受け止めてみせる
私は死なないって決めたから
君が馬鹿野郎って言ってくれたから
でもさ、喫茶店のモーニングとか
ウーパールーパーのぬいぐるみとか
新聞記事とか、咲いた花とか、いつもの道とか
口ずさむ歌とか、カレンダーとか
ふとしたところに君が宿ってて
その度に私の感情が内側を圧迫する
孤独の無機質さとは違う、一人の熱くて冷たい感じ
こんなに息が苦しいのは久しぶりだ
また、独りに戻るだけだ
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作中のクロとネコは
あとみく先生の『黒犬と山猫!』に出てくる二人です。
私の人生を変えた一冊です。




