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ルービック・バトル  作者: レイ
第1章 学校編
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第5話ビッグニュース

「ビ、ビッグニュース?」


 俺はリュウビにそう聞く。

まぁ、俺が功績を上げたミステリーサークルの情報は、二つともリュウビが教えてくれたから別に心配とかはしてないけど。

 この男、リュウビは、高校で知り合った仲だが、オカルトに対して俺以上の知識がある。

 じゃあ何でオカルト部に入らなかったって?

 それはこいつが元々サッカー部に入っていて、この学校は兼部が出来ないので、泣く泣く諦めているのだ。


「あぁ。何でも、三つ目のミステリーサークルが【厄芽山(やくめざん)】あるんじゃないかっていう証言を見つけたんだ!」


 と、リュウビは持ってきたマップの厄芽山を指で刺しながらいう。

 厄芽山とは、隣町にある山で、ここからはかなり距離がある。


「どこに信憑性があるんですか?その話。」


 リュウビと接点がない恋歌が聞く。

 まぁそりゃそうだ。いまいち根拠らしい根拠がない。

 俺はリュウビを信頼してるからともかく、恋歌はそりゃガセじゃないか疑うだろう。

 何よりそこまで行って何もなかったんじゃ、元々カツカツなオカルト部の部費が電車賃で火の車だ。

 走るかチャリで行けばいいって?

 無理無理!だって俺、持久力は皆無だもん!

 だがリュウビは、面白そうな考察を出してきた。


「わかったわかった。嬢ちゃんのダメ出しに答えてやるよ。」


「嬢ちゃんじゃありません。恋歌です。」


……少し恋歌をいじりながら。


「じゃあ、説明していくぜ。ミステリーサークルがあった場所は、華化山、離李山(りりやま)、それに今回の厄芽山だ。これらをつなげていくと、どうなる?」


「あ……。正三角形になります。……オカルト的にはありそうな話ですね……」


 リュウビのなぞる指をみていた恋歌はそれを発見した。

 ねぇ!ここに俺って必要かな⁉︎

 一応俺部長だよね⁉︎


「それともう一つ。そこの厄芽山、空に【ドラゴン】が飛んでんのをみたやつがいんだよ。」


「それは誰だよ?信憑性ってのは大事で……」


「それは俺だよ。ロウ。」


「俺をそのあだ名で呼ぶな……ってみたのお前なの⁉︎」

「あぁ。だから信頼してもらってかまわねぇ。サッカーの試合終わりに見たんだ。」


そうか……それなら……


「よし恋歌。行こう。」


「まぁ、わかりました。日程は?」


「んじゃ、今週の土曜で。リュウビはどうする?一緒に行くか?」


「悪いロウラ。土曜は練習があって……」


「あ、悪い。じゃあ恋歌。また土曜日に。」


「わかりました。」


「じゃ、俺は帰るぜ。今日は久しぶりのオフ日だからな。」


 そう言って、リュウビは帰った。


「よし。じゃあ俺たちも帰るか。」


「それよりも先輩。さっきの答え。まだ聴けてませんよ?」


「あ……。そうだったな。」


 そう、俺が軍に入るか入らないかのことだ。

 だが俺は気になったことを恋歌に伝える。


「恋歌って、何で軍団に入ってないんだ?」


「はぁ……。やっぱりそれ、気になりますよね。」


 すると、恋歌は少し悲しい目になる。


「私は、あまり人を傷つけたくないんです。それどころか、人を傷つけると、自分自身に心の傷を負わせちゃうんです。だから、傷つけるの、殺すのは最終手段なんです。」


「ふうん。」


この感じ、過去に何かあったっぽいけど、それを聞くのは野暮だよな....

 俺はそれを深くは追求せず、恋歌の話を聞いた。


「先輩。それで、あなたは入りますか?それとも入りませんか?」


 残念ながらその答えは、もう俺、決めてるんだよ。


「俺は軍団にはいらねぇよ。恋歌。だって命令に従いながら能力使うのってだるいもん。それに……」


俺は少し躊躇ったが、続ける。


「さっきの話を聞いて思った。お前が戦うの嫌いなんだったら、俺がお前を守ってやりたくてな。」


「せ、先輩……?」


 恋歌が少し怪訝そうな表情を見せる。


「え?どうした?」


 なんか悪いこといったのか俺⁉︎

 ただ恋歌を守るっていっただけだよね⁉︎

 …………ん?守……る?

 もしかしてこいつ……


「いや、その……いっていただいたことは嬉しいんですけど……」


 ………………

 やっぱ勘違いしてる‼︎


「ごめん恋歌‼︎誤解があった……俺は別にまだお前と付き合いたいとかそういうんじゃなくて……ただ普通に物理的に守りたいっていうか……」


「……え?そうなんですか?」


「あ、あぁ……」


 部室内は微妙な空気に包まれる。

 …………やっちまったよ……

 だが恋歌はすぐに顔を起こした。


「まぁいいですよ。私は物理的に守ってくれるってだけでも、嬉しいですから!」


 恋歌は最近ではあまり見なかった笑顔を見せた。

 よ、よかった……


「ま……いいってことよ。そんなことより、もう暗いし、そろそろ帰ろうぜ。」


「ですね。では、平先生をグラウンドに置いて、帰りましょう。」


 さっきの笑顔とは一変。サイコな表情を恋歌は浮かべていた。


「うんごめん!何でグラウンドに置くの⁉︎」


「え?だって掃除用ロッカーに置いてても邪魔じゃないですか。」


「いやまぁそうなんだけどね……」


 この人怖いよー!

 と今日何回思ったかわからない感情を隠しつつ、俺はロッカーを開ける。

 ――――だがそこには、平の姿はなかった。


「‼︎は?」


「え?」


 俺と恋歌は絶句する。


「もしかして恋歌。これも【西高校学校軍】の能力なのか⁉︎」


「いや、私が調査した人員の中にはその能力はなかったはず……」


「ちなみに、誰がメンバーなんだ⁉︎」


「私の調査によると、平先生、1年の【臆 仁太(おく じんた)】、3年の【月脚 葉論(つきあし ようろん)】、それと教頭先生です。」


「へぇ……ってか教頭がいるから西高校学校軍なのか?」


 俺はこの軍の名前の由来を考察しながら、さらに恋歌に聞く。


「ちなみにその中で知ってる能力は?」


「平先生の剣術と、葉論先輩の【落ち葉(おちば)】です。」


「つまり、体育教師がいなくなった原因は仁太ってやつか教頭のどちらかの能力か……」


「まぁ、私の調査が行き届いてない部分もあるので、これが全員とは言えないんですけどね……」


「まぁ、こいつらと戦っていけばわかることだろ。」


「そうですね。」


 そのような会話をし、俺たちは家へと帰った。

 もしかしたら、こいつらが平をやったという理由で攻めてくるかもしれない。

 用心しなければ。

 だが、その次の日、そのまた次の日も西高校学校軍が襲ってくる気配はなく、ついに、土曜日になった。


「よし!オカルト部の活動、始めますか〜‼︎あと、恋歌にあったら、いくつか質問したいこともあるし、そん時聞いてみよ〜‼︎」

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