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ルービック・バトル  作者: レイ
第1章 学校編
21/38

第20話 1VS1

「なんだよ……!あんなのってありなのか⁉︎」


 と傭兵隊の男が言う。


「舐めないでくださいよ‼︎これはランのとっておきなんですから‼︎」


「ワン‼︎」


これは流石に俺も驚いた。


 いやだってランの能力もチートだとは思わないじゃん‼︎


「ラン‼︎あのドラゴンと戦って‼︎」


「ワン‼︎」


「怯むんじゃねぇぞ‼︎相手はお前のコピーってだけだ‼︎叩き潰せ、ドラゴン‼︎」


「ギャグァァァァ‼︎」


 こうして、お互いが翼で飛行し始め、ドラゴンVSランが始まった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「そういえば、恋歌?」


 上着を地面に置いた俺は恋歌にちょっとした質問をした。


「なんですか?」


「これって周りの民家とかへの被害はないの?」


 どうにか俺でも視認できるほどにランやドラゴンはブレスを吐いたり爪で引っ掻いたりしている。


 こんなのを年頃の男の子が見たら興奮まっただないだろう。


 それに、ルービックの存在は隠す方針なのに、こんなんしたら一瞬でバレるんじゃないのか?


 それに対する恋歌の返答は妥当なものだった。


「多分ないはずです。基本的に、果し状を受け取ったあと、どちらかの軍が相手の拠点に入ったら、その時点でその拠点にいるルービッカーは結界を張られて別次元に行く……と知り合いのルービッカーに聞いたことがあります。」


「へぇ……」


 つまり、逆算すると、どちらかの軍が倒れない限り、俺たちは別次元にいるままってことか。


「あともう一つ。さっきのランの能力って……」


「あ、はい。ランの能力はさっきも言ったように【変化(へんげ)】です。」


「……てことはいつも人間のくせにキャンキャン言ってるのも……」


「元は犬なんですけど、何故かランが好んで人間に変化しているからですね……。この話は分かりづらいので墓場まで持って行こうとしたのですが……」


 今までのこと全部繋がったわ……

 と、項垂れている俺に対して恋歌は言う。


「そんなことより、先輩。私たちの相手はあいつらです。」


「お、おぅ。そこら辺はちゃんとわかってる。」


「おぉ、長話は済んだか?三下ぁ?」


 なんか待っててくれたっぽい……


「おい戦闘狂。お前は黙っていろ。強者っていうのは、常に冷静なものだぞ?」


「わーかってるって。俺をあの脳筋バカと一緒にするなっつーの。流石に(ここ)は冷静だぜ?」


「そうか。ならいい。……ところで2人とも。私と戦闘狂、どっちと戦いたい?」


なんか急に話がこっちにきたな……


ていうか、


「え?2対2じゃないの?」


「あぁ。もちろん。俺の能力は味方にまで危険を及ぼす可能性があるからな。」


確かに、あいつの切断は、檻さえも切ったからな……


「んで?どっちと戦うんだ?」


「じゃあ、私があなたと戦います。」


 ……と恋歌はリーダーの方に指を差した。


「え?ちょ、恋歌さん⁉︎なんで自分から危険な方を⁉︎」


 珍しい。

 恋歌が強い方と戦いたいなんて。


 というか何故?

 あいつは戦闘嫌いなはずだろ?

 もしかして、それも嘘⁉︎


 と、思案に駆られる俺だったが、次に恋歌から発せられた言葉は俺の心を傷つけた。


「だって、先輩じゃ絶対に勝てっこない相手ですから……」


「流石に悲しむよ⁉︎」


「だから先輩は大人しく、あの戦闘狂の相手をしてください‼︎」


 恋歌が俺の背中を押す。

 ……まぁいいか。


「こっちはこっちで、やりがいがあるか‼︎」


「なに勝つ気でいるんだ?こっちは最強の傭兵隊だぞ?」


「知るかよ!んなもん、打ち崩す‼︎」


ーーーーーーーーーー恋歌サイドーーーーーーーーー


「上の竜がうるさいな。」


「知りませんよそんなのは。」


 私はこの傭兵隊のリーダーと戦うこととなった。

 いくら西高校学校軍から停戦協定を出されたとはいえ、流石にこれは想像以上だ。

 さらにこの戦闘、先輩が勝てることを信じたいが、先輩はルービッカーの新参者。


 ろくに応用もできないと思う。


 だから私たちが傭兵隊に勝つためには、私がこいつを気絶せずに倒す、というのは絶対条件。

 しかし、私の能力が能力なだけに、それはかなり能力の制限を喰らってしまう。


 例えば、「敵が能力を使えなくなる」なんていう自分も気絶してしまうような大がかりな嘘はつけないし、嘘の複数同時使用もだめ。敵の攻撃をかわすなどといった嘘でもペース配分を考えるべきでしょう。もっとも私は嘘で化学兵器や銃火器なんかを出しても手榴弾くらいしかまともに使えないでしょうし……


 それに引き換え、こいつの能力、鉄の檻を切ってきましたね……

 それだけで剣術の能力の上位互換なのに、さらに依頼とかができる軍では安い割に実力もそこそこあるので評判だった傭兵隊が相手なんて……


「おや?近くで見てみたら、あんた、もしかしてかの有名な『嘘の王女』か?」


「……はい。そうですよ。あとその呼び名はもうやめて下さい。」


「いつもいた相棒はどうした?」


「…………」


「何も言わない、か。まぁいい。とにかく、無所属のお前たちと西高校学校軍はまとめて芽晴学校軍に入ってもらう‼︎」


「流石傭兵隊……果し状を出してから、ものの三日でそのことを突き止めるとは……情報を仕入れるのが早いですね。ですが、私と先輩はずっと無所属のままでいます。こんなところでは負けていられません‼︎」


「その威勢、いつまでもつかな?【切断(せつだん)】‼︎」


私はそれを見切ってかわす。


「舐めないでと言ったはずですよ?ではこちらも行きますよ‼︎」


 私は地面を蹴って、相手の顔面を殴ろうとする。

 だが、流石は傭兵隊リーダー。

 しっかりと刀で受け止めてきた。


「ほう。流石だな。藍 恋歌。だが、俺は負ける気がしないね。【切断(せつだん)】‼︎」


 リーダーの刀が私の右腕を捉える。

 バカですね。

 これは筋肉の幻影。切れることなんてできないのに。

 そして、傭兵隊リーダーの刀が私の筋肉の幻影に触れた。

 すると、思いもよらないことが起こった。

 それを察知した私は急いで、


「‼︎相手の攻撃は外れる‼︎」


 と叫んだ。


「な⁉︎」


 そうすると、リーダーの刀は()()()の数ミリ横を通って外れた。


「はぁ……はぁ……」


 さっきの嘘で少しだけ体力を持ってかれましたね……


 「チッ。もう少しでお前の腕に当たったのに、なんで邪魔するかなぁ?」


「邪魔するに、決まってるじゃないですか......!」


 これはまずい。



 あのリーダー、私の幻影の筋肉を、切った。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「すみません。校長先生、傭兵隊とは一体?」


 校長室。

 私、家革 絵口は思ったことを校長先生に質問した。


「ん?そうか。あなたは知らないんでしたね。傭兵隊とは、藍さんと戦っているリーダーと呼ばれている望月 良馬(もちづき りょうば)と、沙座三くんと戦っている西島 千(にしじま せん)、棚造さんと戦っている泥谷 阿久(ひじや あく)の3人が傭兵隊の軍長と一緒に結成し、今でも拡大を続けている軍団です。まぁ今は芽晴学校軍からの依頼を受けているようですが。あと補足点としては、望月 良馬の能力は異次元で、ありとあらゆるものを切断できるそうです。」

 

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