第1話 不思議な宝玉
処女作です‼︎
よろしくお願いします‼︎
「はぁ....はぁ...はぁ....」
俺は首の真ん中あたりにまで伸びている黒髪を揺らしながら、息をあげていた。それも入り組んだ山道の奥深くで。
あ、もちろん遭難とかいじめに遭っていたとかではないよ?ではなぜかって?それは...それは...
数十分前に遡りま〜す!
――――放課後の学校――――
「さーて、今日の授業も終わり終わり!あとは〜俺の作った〜オカルト部へ〜レッツゴー!!」
と言いつつ、俺は足取りを弾ませて、オカルト部へと向かおうとしていた。
元々オカルト部は、俺が高一の時に頑張って署名を集め、そして努力の末この付近でミステリーサークルを二つほど見つけるという快挙を成し遂げたため、特別に活動が認められた部活なのだ。
まぁミステリーサークルって本当は人為的なものらしいんだけど、そこら辺は学校側も多めに見てくれてらしい。
もちろん俺はそこで部長を務めていて、最近では1年の新入部員が入ったから更に活動範囲を広げようと申請書を出しているところだ。
だが、そんなオカルト部に向かおうとしていた俺の足はあるものによって阻まれる。
『2年 3組 佐座見 楼羅。至急職員室まで来るように。』
放送か......
クソが!なんだよこんな時に限って!
俺は急いで職員室へと向かった。
――――――――――職員室――――――――
「なんですか?俺、オカルト部で忙しいのでそうそうに要件を済ませてくださいね?」
「忙しくないだろあんな幽霊部活」
「何か言いましたか?」
俺は目の前にいる教師――名前は忘れたが体育の教師で、センター分けしてる前髪に腹が立つ――――に対していちゃもんをつける。
この時間が本当にもったいない。早く終わらせたいものだ。
そんな俺の内心とは裏腹に、この体育教師は咳払いしてからこんなことを言ってきた。
「なんでもない。それより、近々スポーツテストがあるだろう?」
「はい。それがどうかしましたか?」
「そこで去年の記録を見たのだが、お前、他の種目は平均なのにシャトルランだけ18っていう記録なんだぞ。」
「は、はい...」
こりゃ長くなりそうだ....元々この教師は何故か実力主義っていう傾向がある。
というか、去年の俺の黒歴史、掘り出すのやめていただけません?
反論の声が次第に小さくなってしまうんですが⁉︎
「18だぞ18!お前、小学三年生でも20はいけるぞ!それなのにお前は18。俺はお前を見損なった!」
「だからって、1年前のを掘り返さなくても.......」
「も!う!す!ぐ!スポーツテストだと言ってるだろうが!もういい!お前、この学校の横の、華化山って知ってるよな?」
「は、はい...そこに一個ミステリーサークルあったし...」
「じゃあお前、そこの頂上まで、ランニングしてこい。」
「はぁ?何言ってんですか⁉︎」
「じゃ、終わったら俺に言えよ〜」
そう言われて、俺は反論の余地もなく、職員室からつまみ出された。
これパワハラだよね⁉︎
――――――――そして現在――――――――
そう、そんなこんなで、俺は走らされているのだ。
それも、理不尽に。
「あーもう!あのセンコー絶対あとでぶっ飛ばしてやる!」
俺はあの体育教師の愚痴を言いながら、歩いていた。
だってそうだよね?走れと言われて誰も見てないのに正直に本気で走るやつがどこにいるってんだよ!
っていうか、歩いてるだけなのに息が上がる俺の持久力って一体⁉︎
っと。かれこれ数十分。あんま時間かかっても怪しまれるし、ここらで引き返すか...
とその時、俺の目にあるものが飛び込んできた。
「あれは...なんだ?宝玉?」
ここら辺の山にはまるでないような、綺麗な球が落ちていた。
光を反射してとても幻想的だ。
それを俺は凝視し、手に取った。
もしかしてオカルト部の次の題材として使えるかも...
とか俺が思っていると、突如球が光り始めた!
まさか、この球話題に触れちゃいけないような禁忌的なやつだった⁉︎
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい祟りだけは勘弁してくださいぃぃぃ!
そう思ったのも束の間、光も球も消えてなくなっていた。
「なんだったんだよ......今の......」
俺は少々困惑しながら、山道を下っていった。
――――――――山の麓――――――――
「ふう〜。もう麓か〜」
俺は例の如く歩いて山を降りた。
だがしかしこっからは学校から丸見えのため、走る必要がありそうだ。
体を壊さないよう念入りにストレッチをしていると、見知った顔に出会った。
「あれ〜?どこにあるのかな〜?」
「どしたんだ〜?雪〜?。」
「ひょ!う!よ!って何回言ったらわかるのよこのバカは....」
こいつは雹。俺の幼馴染だ。
自前の茶髪をロングにしているのが特徴的で、小さい頃から俺と違って運動神経抜群、頭もよく、高校は別々になってしまったのだが、いやはや幼馴染みの縁というものか。
なぜかたまにこいつと会う。
ちなみに雪というのは雹に対するあだ名で、俺が雪と雹って一緒じゃね〜?と小学校の時に言い出したのが始まりだ。
別にバカってわけじゃないからね⁉︎
「こんなところで会うなんてな。何してんだ?」
「落とし物探しよ。あんたは?」
「シャトルランの結果酷かったからセンコーに山走ってこいって。」
「持久力ないのも変わってないわねほんとに...」
「んじゃ、またな。」
「うん。また〜」
......さて、あいつとの会話も済んだし、こっから走りますか〜!
もちろん、このあとあのパワハラ教師には走ってきたことを伝え、家に帰った。
おい、結局俺オカルト部いけてねーじゃねーか!
だが俺はまだ気づいていない。この先の過酷な生活のことを――――