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ルービック・バトル  作者: レイ
第1章 学校編
16/38

15話 真相

恋歌が涙を流しながら中に入ってきた。


「先輩....よく無事で....!」


「まぁ相当危なかったけどな。終わりよければ全てよしってやつだ。」


 恋歌はそりゃ心配しただろうなぁ。

 なんせ嘘の能力で色々調べられるんだから。


「もう先輩をいじることができなくなるかと思うと、切なくて……!」


「まさかの心配の理由そっち方面なの⁉︎」


 てゆーかいじってたりしたことに自覚あったのかよ!


「もちろん冗談ですよ。……んぶん。」


「あ、なんだ。冗談か。……最後になんか聞いちゃいけないようなことが聞こえたのは気のせいかな?」


「気のせいじゃないですか?」


「あ……そう……」


 それにしても恋歌、もう放課してからまぁまぁ時間経ってから来たってことは、俺のことを探していてくれたのかな?

 だったらまずは情報共有だ。


「じゃあ恋歌。俺に質問したいことってある?」


 まぁ恋歌は嘘の能力だから多分ないだろうけど……

 そんな俺の思惑は一丁前に当たっ…………


「もちろんあります。」


 外れた⁉︎


「ま、マジで?お前なら普通に嘘の能力で探れるんじゃ……」


「先輩……。流石にこの能力にも限度ってもんがありますし、今回の件は探偵でもない私には難解すぎます。だから先輩の方から説明してください。」


「まいったな……俺そんなに語彙力ないし、全貌までは表現できないぞ?」


「まぁそれでもお願いします。」


俺は少しの間考えた。

…………………

............


「まぁ、いいだろ。正直この件は俺もまぁまぁ腹立ってるし、ちょっと不可解な点があったから共有もしたいしな。」


 結局俺は話すことに決めた。


「不可解な点?」


 恋歌はちょっと疑問に思ってるみたいだけど。


「ま、それはおいおい……な。じゃあ話始めるぞ〜。これは昼休みに遡るんだけど……」


 ――――――昼休み 理科準備室――――――


「ちっ‼︎あの野郎‼︎」


 この扉、思ったより硬くて体当たりしただけじゃあびくともしねぇ!

 こういうときは冷静になって考えてはみてみるけど、流石にこっから出る術は見つからない。


 俺がこの状況になって、まず考えたのはスプリンクラーだ。


 学校には火災報知器とか煙報知器が置かれているってどっかで聞いたことがある。

 まぁどこに設置しているかとかは一切合切知らない。これっぽいのでいうと上に白い機械みたいなのが数個あるけど水や消化器の薬が出てないところからみて違うと思われるし……

 ということでこの案は却下。


 次は顕微鏡で窓ガラスを割る作戦だ。


 …………と思ったけど、あの生徒会長が撒いた炎の奥に顕微鏡があって絶対に取れない。これも却下だな……とか色々考えた結果、体当たりが最善の手段なんだけど……


 地獄‼︎マジで‼︎

 だってびくりとも動かないんだもん‼︎

 気力も相当削がれるわ!!

 あとなんか空気が薄くなってきてる感じするんですけど⁉︎

 マジで絶対絶命なんですけど⁉︎


 …………こう言う時に能力が使えたら。

 恋歌だったら速攻でこんなピンチも凌いでるだろう。

 俺の能力は風。

 せめて、せめてこの炎を風圧で退けて理科室の中で物色ができればまだ可能性はあるのに。

 なんでまだ適合してないんだよ‼︎

俺は必死に願った。


「でろ風でろ風でろ風でろ風でろ風でろ風でろ風でろ風でろ風でろ風でろ風でろ風でろ風でろ風でろ風でろ風でろ風でろ風でろ風でろ風でろ風でろ風でろ風でろ風でろ風でろ風でろ風でろ風でろ風でろ風でろ風でろ風でろ風でろ風でろ風でろ風でろ風でろ風でろ風でろ風ぇ‼︎」


 ……めっちゃ呪文みたいに。

 けど肝心の能力は全然発動しない。


「クソッタレ‼︎」


 なんででねぇんだ……


 ……いや。待てよ。


 一応危険は伴うが、この炎は通れなくはない。

 けどもう少し時間が経てば火の海となり渡れなくなるだろう。

 …………行ってみるか?

 今ここにいてもできることなんて体当たりくらいしかない。

 行って帰ってくるまでに火の海になってないかは心配だけど、ここで行かなかったら絶対に俺は死ぬ。

 まぁ今の状態でも渡ったら大火傷しそうなんだけどね‼︎

 やっぱ怖い。けど行かなくてもやばい……

 ……………………

 ………………

 ……


「腹、くくるか。」


 俺は迷った末、行くことを決断した。


 ルービックの能力なんてなくても、人間が生まれた時から持ってる【火事場の馬鹿力】って能力を信じて。


「うぉぉぉぉ‼︎」


 俺は自分を鼓舞しながら炎の中へ突入した。

 そして向こう側へと出たのだ。

 だが。


「はぁ……はぁ……息が……苦しい……」


 こっち側、明らかに酸素少なすぎるだろ……

 こんなんじゃ、顕微鏡を取りに行っても、力が入らなくて、持つことすらできないだろう。

 元々俺は筋力もそんなにないからね‼︎

 だったら、どうする……


 顕微鏡みたいに重くて、さらに引きずって運べるもん……


 ……重い?確かそんな特集を朝、ニュースで……


!!!!


「ハンマァァァだぁぁぁ!!」


 そうだ。この学校は最近は学校にあんま置かれてないらしいアルコールランプなんかも置かれている……!

 だったらハンマーもあるはずだ‼︎‼︎

 そうして俺は理科室の中を探した。

 そうすると、案外あっさりハンマーは見つかったのだ。

 なんでこんなところにハンマーとかいう物騒なものを置いてるかは追求しないでおく。


「よし、あとは……ここから炎を渡って……窓ガラスを割るだけ……」


 だが、一歩遅かった。


「………………っ」


 炎は拡散し続け、もう入ったら火傷どころじゃ済まされないくらいにまでになっていた。


「どう……すれば……」


 酸素ももうなくなってきている……というより一酸化炭素が多くなって……いる……のか……?


「‼︎‼︎もう……ま……ずい……」


 俺の意識が飛びかける。


 やば……い……これ以上……もたもたする……わけには……。

 やばい。やばいやばいやばいやばい‼︎‼︎

 ガチで死んじまうぞ……これ……!

 だったら……最後は……神に頼るしか……ねぇな……

 俺は最後にもう一回、手を炎の方に向けて祈ってみた。


「風よ……でろぉぉぉぉ‼︎‼︎」


 すると、

 ヒュゥゥゥゥウウ‼︎

 と、一つのつむじ風が吹いた。


「っ!」


 出た。出た……!

 だが今はこの事に興奮している暇なんてない。


「急げ……この風が吹いてる……間に……」


 この風はつむじ風。早く行かなければすぐにまた火の海に変わってしまう……!

 俺はあるだけの力を出して火の海を抜けた。

 そして……


「おりゃぁぁ‼︎‼︎」


 ハンマーで窓ガラスを割って、俺は外に出る事に成功したのだ。


「はぁ……はぁ……空気がうまい……」


 俺はたらふく空気を吸い込む。

 とその時、


「みんな!早く来い!もうすぐ火が外にまで広がってしまう‼︎」


 あの生徒会長の声がした。

あの生徒会長にだけは俺が生きてる事を知られちゃならない……‼︎

 そう考えた俺は急いでその場を後にし、オカルト部の部室に直行した――――――


「ってのが一連の流れだ。わかったか?恋歌。」


「はい。先輩もやっと適合したんですね‼︎」


「感想一つ目がそれかよ‼︎まぁ嬉しいけど‼︎」


「応用とかはできますか?」


「いや、それはまだ試験中だな。一応風は吹かせれるようになったぜ‼︎」


「わかりました。あ、あと、先輩の言う謎ってのはなんなんですか?」


「あぁ。それな?……火災報知器ってどこに設置されてんの?」


「え?」


 その場に静寂が一瞬訪れた。


「せ、先輩、火災報知器がどこにあるか知らないんですか⁉︎」


「ま、まぁな……」


「常識くらい知っといてくださいよ……」


「これ常識なの⁉︎」


 いや、いやいやいやいや。

 流石に火災報知器の設置場所を知らない高校2年は俺以外にもいるだろ……?


 ……いるよね?


そんな俺の動揺は一旦置いておいて、恋歌の説明に耳を傾ける。


「えーとですね……火災報知器は、天井にありますよ?ほら、ここの部屋にも。」


 恋歌が指差した先には、白い機械のようなものがあった。


「え?これ?」


「はい。」


「これ理科準備室にもあったけど何も出なかったぞ?」


「え?それはおかしいですね……故障でしょうか……」


「まぁそうかもな……それより恋歌。」


「はい?」


「今から俺は生徒会長に会いに行く。ついてきてくれ。」


「はい。わかりました。」


 流石に俺も黙っていられねぇぞ生徒会長。今から行くから覚悟しとけ‼︎

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