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ルービック・バトル  作者: レイ
第1章 学校編
14/38

13話 調理室

――――――15分前くらい――――


 「すみません。ロウラ先輩はいませんか?」


 私は先輩がいる2年5組の教室へとやってきた。

 今後のオカルト部について少し話がしたかったからだ。

 なんせ全然敵が来ない。

 来ないのなら戦わなくていいからそれで全然いいのだけれど、これは嵐の前の静けさのように思えるのだ。

 だけど現実はそう上手には運ばない。


「あぁ楼羅?あいつはさっき日直の仕事しにどっか行ったぞ〜?」


「あ、そうですか……」


 出迎えたのはリュウビ先輩だ。


「どこに行ったか聞いていませんか?ちょっと大事な話がありまして……」


「ん?聞いてるぞ〜?確かあいつは……あれ?どこだったかな?えーと……」


 ……一応嘘ついてるかどうか能力を使ってみる。


「え〜とな〜……確か……理科室……だったっけ?いやなんか違うな……」


 うん。嘘ついてない。


 これはまずい……

 と私が考え込んでいると、リュウビ先輩がある提案をしてきた。


「あ!じゃあ、俺と一緒に調理室行こうぜ?」


「え?」


「いや〜ちょっと俺の班さっきの授業の時、片付けが終わってなくてな〜?他のやつは全員用事あって……多分押し付けられたんだけど……俺が片付けすることになったんだよ。思い出すまで、手伝ってくれないか?」


「いやです。」


 もちろんこんなの即答だ。自分に利益がない。


「うおっ!マジかよ……ロウラにはそのこと伝えとくから!お願いします!片付けの範囲広いしどう片付けていいかもわからないんだよ‼︎」


「……マジですか?」


 そういうと、リュウビ先輩は首を縦に振った。

 ……もちろん嘘ではないと能力も語っている。

 というかこの内容はリュウビ先輩に教えられることではないのだけれど……


「……わかりました。手伝ってあげますよ……あと、オ カルト部だけの秘密事項なので伝言は頼みませ ん……」


「あ……すまない……」


 こうして私たちは調理室へと向かった。


 ――――調理室――――


「リュウビ先輩?まだ思い出せませんか?」


「えーとな……あ!思い出した‼︎そうそう、あいつ理科準備室向かったんだった‼︎」


「さっきの理科室の発言で気づいてくださいよ……」


 私たちが調理室へきて、8分程経った。

 片付けも順調に進んでいる。

 あと5分も経たないうちに終わるだろう。

だがそんな杞憂はリュウビ先輩の次の言葉で掻き消える。


「おい……?嬢ちゃん?」


「だから嬢ちゃんじゃないですって…………なんかありましたか?」


私が見たのは、リュウビ先輩の引きつった顔だった。


「調理準備室に……()()()がいる……」


「は?それってどういう……」


 もちろん彼は嘘をついていない。

 私も調理準備室へと行ってみた。

すると、本当に火の玉らしきものが浮いていたのだ。

 マジですか……と思いふと床を見て私は絶句する。


「学校の七不思議の一つになるじゃん!オカルト部で取り上げてみたらどうだ?……って嬢ちゃん?どしたんだ?怖い顔して……」


 呑気なことを言っているリュウビ先輩。


 だが私は気づいていた。いや気づいてしまった。


 暗くて見えづらいがその火の玉の真下に油が撒かれていることに。


「リュウビ先輩逃げて‼︎」


「え?なんで?って恋歌どうしたんだ⁉︎」


 私がリュウビ先輩の手を引いて逃げ出した。と同時に同時に火の玉は落下する。

 もちろん火は一瞬で燃え広がった。


「え⁉︎マジかよ‼︎」


 リュウビ先輩も今油が敷かれていたことに気づいたらしい。

 すぐさま私の手を引く側となり火が回るより早く出口へと辿り着いた。


「嬢ちゃん助かったぜ。俺はあんたがいなかったら死んでたと思う。」


「ですね……というか緊急時でもその呼び名なんですね……」


「とりあえず俺、助けを…………いや、その心配はいらないようだな。」


「ですね……」


 そう、出てきた私たちを出迎えたのは、

 ガヤガヤ……ガヤガヤ……

 と騒いでいる他の生徒だった。


「おい君たち‼︎君たち以外にここにいた人はいるか?」


そう話してきたのは生徒会長。


「え?いや……いませんでした……俺たちで最後です……」


 私は走った方を振り返ってみる。すると、なんということか。調理室は一瞬で火の海となっている。

 このままじゃあ、他の部屋に広がってしまう.....!

だが生徒会長は、仕事が早かった。


「よしみんな‼︎消化器は持ったな‼︎消化、はじめ‼︎」


 威勢のいい声と共に、複数人が持つ消化器から、薬剤が散布され始める。

 いつのまにか、あれだけ猛りだっていた火は消えてしまった。

 すごい……

 だけど次の生徒会長の発言で、私に特大の稲妻が落ちてくる。


「よし、次は理科準備室へ行くぞ‼︎」


 …………え?


「ちょっと待ってください!そこって……」


「安心してくれ。藍さん?だったよな?そこは火事の現場を私が見て、救助者はいなかったため、先にこちらにきたまでだ。あと火傷を負ってるかもしれないから2人は保健室に向かってくれ。」


 と言って生徒会長は理科準備室へと向かっていった。


「んじゃ、俺たちも帰りますか。まぁ特にやけどとかはしてないわけだけどな。」


「リュウビ先輩……」


「ん?なんだ?」


「ロウラ先輩って、理科準備室に用があって行ったんですよね?」


「あぁ…………そうだけど……まさか、まだロウラは中にいるっていうのか?それはない。だって生徒会長が言ってただろ?あの野郎は異常なくらいの真面目さだ。さすがに……ロウラもどっかに行ったあとなんだろ。…………それにしても油を撒いたのはあの火の玉なのかな……?」


 変な考察を始めたリュウビ先輩。

 しかし、この人はこの事件とは全くといっていいほど関係がない。

 なぜなら私には全て……とは行かないが少しは状況の整理がついたからだ。


 だって、あの生徒会長が言った理科準備室に誰も居なかったという最後の言葉は、嘘だったから。


 少なくとも、この事件に生徒会長が関わっていることは確かだ。

 さぁ、この謎……どうやって解きましょうか...?

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