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ルービック・バトル  作者: レイ
第1章 学校編
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第12話 理科準備室

「ふぁぁぁ....」


 俺は起床した。


「1人の生活も、はや一年とちょっとがすぎたのか〜。」


 俺はこの学校に入学した際、実家から離れて下宿にすむ条件となっている。だから1人暮らしにももう慣れたもんだ。


 ......まぁ、たまに目覚まし止めてて、遅刻するんだけどね‼︎


 そういえば、最近は全然西高校学校軍からの刺客も来ない。

 もう俺たちは用済みと思われているのか?

 俺はそう思いながら学校へ行く準備を始める。

 顔を洗い、制服に着替え、コンビニであらかじめ買ってあった食パン、サラダチキンを口の中に入れ、時間割の確認をする。


「えーと?一時間目は数学、二時間目は.....って、五時間目は理科か....寝ないか少し心配だな〜」


 俺は苦手な5教科の中でも特に理科が苦手なのだ。

 まぁ、話してること全て念仏に聞こえてるから、相当相性が悪いんだと思う。

 だって、去年なんか、理科だけ一学期で追試宣告されてたもん!

 その後頑張ってギリ回避したんだけどね⁉︎

 そしてテレビをつけ、ニュースをチェック。

 これはルービッカーが写ってないか調べるためだ。

 だが今日は、特集をやっていた。


 『特集!理科室にある器具いろいろ‼︎』


 どんな特集なの一体⁉︎


 『まず、顕微鏡なんかは定番ですよね〜。』


『はい。ですが、値段も高いので持ち運ぶ時注意しなくてはなりません。重いですしね。』


 なんだ。ただの注意喚起か〜……じゃねえよ‼︎

 少なくともテレビでやるものではないだろ‼︎


『あと、最近の学校ではアルコールランプは使われなくなっているらしいですよ〜。』


『そうなんですか。それは意外ですね。』


 しらねぇよそんなこと⁉︎


『あと、意外と言えば、地学の授業のために、ハンマーを置いてる学校もあるとかないとか』


 いや怖いよ⁉︎生徒が凶器に近いもん持っちゃあ‼︎

 まぁうちの学校にはない……と信じたい……

 そこで寄り道を含めた学校に行く時間が近いことに気づいた俺は、ニュースを途中で切り、学校へと駆け出した。


 ――――――学校――――――


「はぁ……はぁ……はぁ……」


「今日も遅刻ギリギリだな〜。毎度のこと、何してんだ?」


 とリュウビに聞かれる。

 息が荒くなってるから、少し待ってほしい。


「いや………ちょっと華化山に……寄り道しててな……」


「へぇ……」


 実は、今日も今日とて能力が出ないか練習をしていたのだが、全然出ない。

 萎えるよ俺?いい加減に出ないと?


「そういえばお前今日日直じゃん。がんば〜」


「マジかよだるっ‼︎」


 そう言って俺は担任に生徒日誌をとりに行った。


 ――――――――昼休み――――――


「あ〜。くっそだるい〜」


 俺は次の時間、理科の実験をするから理科準備室の鍵を空けておいてくれと理科教師から言われ、渋々理科準備室へと向かっていた。

 日直というのはマジでだるいぜ……まだ飯も食ってないってのに……

 リュウビも道連れにしようと思ったんだけど、こういう時に限ってあいつ『調理室に用事あるんだわ〜』とか言ってきやがった……

 その都合の良さ、1割でもいいからほしいもんだぜ……

 そう思いながら俺は、歩みを進める。

 階段を登り、右に直進したら、見えてくるのが理科準備室だ。


「…………よし、これでいいかな〜。」


 俺は鍵を開け、一息つく。すると、思わぬ人物が現れた。


「あなたは……確か楼羅と言ったな。私のこと、覚えているか?」


「覚えているも何も、生徒会長の見晴さんっすよね?どうしたんですかこんなとこで。」


俺は生徒会長に多少ビビりながら、話に乗る。


「あぁ、実は軽い実験を教室でするから、実験器具を取ってこいと言われたのだよ。」


「へぇ。じゃあ俺は帰りまs……何するんですか?」


 気がついたら俺は生徒会長に襟を引っ張られていた。


「いやちょっとな?その器具が重いらしいんだよ。私はこう見えても筋力に自信がない。だから君に手伝ってもらおうとしたんだよ。いいだろう?」


「ダメって言ってもどうせ離しませんもんね……いいですよ……手伝いますよ……」


 日直とは、本当にダルい。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「こう見ると、かなり器具があるのだな。」


「そうですね……」


 基本この生徒会長は過激発言など、学校のルールに対しタブーなことを言わなければ、まぁまともな人であると言ってもいい。

 恐らくどっかのドSさんよりは人間してると思う。


「じゃあ、この箱を持ってくれ。」


 と言って俺に持たせてきたのは、顕微鏡が何個も入った箱⁉︎

 何キロあるか分かったもんじゃない‼︎

 ていうか朝のニュース、こんなとこで伏線回収すんの⁉︎


「流石に……協力して持ち……ましょうよ……」


「じゃあ私はその鍵を持つ。」


 そう言って生徒会長は、鍵を俺から取った。

 前言撤回。この生徒会長もかなり人間のSの部類だった‼︎

 なんで俺の周りにはSがこうも寄ってくるんだ⁉︎


「そういえば、ここの学校、アルコールランプがまだ置かれているんだな?」


「あぁ、確かに……こんの学校ぅ……まだ置いてるんすね……」


 マジかよこの学校アルコールランプ置いてんのか……!

 朝のニュースの伏線ぜんぶ回収してやがる……


「ところで……先輩……なんで自分からアルコールランプの話題を……?」


「ん?それはな……ちょっと時間稼ぎを……な。」


「‼︎⁇」


 そういうと、生徒会長長は棚にあったアルコールランプを全て破壊した。


「うおっ……‼︎ていうか会長さん⁉︎時間稼ぎって……」


アルコールが中から飛び散る。言われたことも相まって思わす俺は箱を置き、眼を塞ぐ。

 その時、生徒会長が衝撃の一言を口にした。


「まぁ、急に想定外のことが起こって驚くよな。能力《着火》‼︎」


 俺が眼を開ける時に映ったのは、生徒会長の後ろ姿と、炎が床に落ちていく様だった。


「な……」


「騙してすまない。私も西高校学校軍の1人なのだ。」


 マジかよ……完全に嵌められた‼︎……ということはもしかして理科教師もグルなのか⁉︎

 という思惑ばかりが頭をよぎり、肝心の危機回避の方法が何も出てこない。

 追いかけようとしたが、もう目の前は火の海だ。

 ふとガラス越しに外を見ると、

 生徒会長がドアを閉めながら何か言っている。

だがそこで生徒会長が言った言葉は、かすかにだが俺の探究心を刺激した。


「すまな……楼……」


 この生徒会長、もしかして本当は……


 だがそんな俺の思考は、アルコールによって力を得た、炎によってかき消えた。

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