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ルービック・バトル  作者: レイ
第1章 学校編
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第9話 保険室の先生

「はい、口開けて〜」


「あ゛〜」


「はい、折ったのはアバラ3本とかかとの骨。それと出血もあるから絶対安静ね。」


「あのすみません、なんで口開けただけでそんなことわかるんですかね⁉︎」


 いや流石に困惑するよ⁉︎

 起きたらすぐに絵口(えく)先生――彼女は保険の教師だ――が出てきて、俺に口開けろだのそれで症状がわかるだの言ってくるんだから!

 ……そんなことより!


「大事なことを忘れてた‼︎」


「どうしたの?」


「先生、恋歌みてませんか⁉︎」


「あー、藍さんはさっき症状確認が済んで、横のベットで寝てますよ。」


 俺はそう言われて、すぐ横を見ると、恋歌が寝ていた。


「よかった……」


「そんなことより、何があったの?どこの学校かわからない子があなたたちを運んできて先生びっくりしたんですよ?」


…………めっちゃ言いづらい。

 これはルービッカー同士の話でもあって、先生を巻き込むわけにはいかない。

 よし、ルービッカーのことは伏せて話そう。


――――――――――――――――――――――


「なんですって⁉︎噂程度にしか聞いたことなかったけど、やっぱりあの山、ドラゴンがいるんですか⁉︎」


「は、はい……っていうか先生、そういうのお好きなんですか?」


「もちろんですよ!便宜上あなたたちの顧問の立場でもあるんですから!」


 せんせー!それ初耳でーす!

 なに?俺らオカルト部に顧問なんていたの?

 知らないよ?部長の俺をもってしても。

 まぁ絵口先生が顧問なら全然オッケーだ。

 別に干渉もしてこないっぽいし。


「とにかく、ロウラさんも休んでいてください。ドラゴンに与えられた傷はまぁまぁ重症ですからね。恋歌さんは速く直るでしょうけど……」


「なぜですか?恋歌もまぁまぁ重症そうですけど……」


 なんでも、恋歌は肺にある血管にダメージを受けているらしいのだ。


「え、え〜とですね……」


 すると先生は困惑した表情を見せる。

 なんか隠すことでもあんのか?

 だが次に先生の口から発せられた言葉はとんでもないことだった。


「実は、ルービックというものから能力を得ると、何故か治癒力が常人の25倍ほどになると最近発見されたんです。」


「ちょっと待ってください。」


「やっぱり、情報が多すぎますよね……端的に言いますと……」


「いや、言ってることはわかりました。けど……」


 俺は少し間を置いて、いう。


「なんで先生がルービックのこと知ってるんですか⁉︎」


「え?……っていうことはつまり、佐座見くんも……」


「先生も……」


「「ルービッカーなんですか⁉︎」」


 保健室は混沌に包まれた。そして……


 「なんですかぁ?うるふぁいですねぇ……」


 恋歌が起きてきた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「…………一旦整理しましょう。」


「大丈夫ですよ。私が話すので。というか絵口先生……ルービッカーだってわかっている人以外にルービックの情報出すの禁止って言いましたよね⁉︎」


「はい……すみません……」


 なんでだろう。

 生徒が先生を怒ってる姿なんて初めて見た……

 だが今はそんな感動?に近い感情は置いておく。


「おい恋歌さん?まさか……」


「はい。私は絵口先生とちょっとした付き合いがあります。」


「だろうね‼︎」


「ちょっと待ってください藍さ……」


「先生の疑問は何故先輩がルービッカーであり、西高校学校軍にまで情報がいってないか、ですよね?」


「はい。ルービッカーだったら私のところへも情報が来るはずなんですが……」


おいおい。


「それは、まだ先輩が能力査定中だからです。」


「あ〜。だとしたらすごいですね!藍さんは強いからともかく、佐座見君は能力査定中なのにそのドラゴンと張り合うなんて……」


 おいおい!


「ちょっと待て恋歌!もしかして絵口先生って、さっきの発言からして……」


さっき、先生は西高校学校軍に情報がいったら私にも情報がいく、的なことを言っていた。

 つまり……


「はい。絵口先生は西高校学校軍に所属していますよ?」


やっぱり……。


「だったらなんでお前ら仲良いんだ?」


「ああ、佐座見君、これはですね……」


「ただ単に先生に協力を仰いだら、速攻オッケーしてくれたんですよ。この人秘密守るの得意って校内じゃ評判ですし。現に私達をここのトップに渡さないじゃないですか。」


「ま、お前の能力込みで言ってるんならそりゃ安心できるな。これから、よろしくお願いします。」


「いや、別に私はちゃんとした処置しか基本できなくてですね……」


そう言っている先生に対して、俺はさらに質問する。


「そういえば、先生の能力って、なんなんですか?」


「え?私ですか?それは、さっき実践したのですが……、覚えてますかね?」


「はい。」


 なんとな〜くだけど心当たりはある。


「だったら話が早いですね。私はその人の体内を一部でも見ると、その人の怪我してる場所がわかる、【負傷分析(ふしょうぶんせき)】というものです。軽い応用で体内を見ずとも分析できたり、遠距離から応急処置をすることが可能ですが……体力をすごく使うのであまり期待しないでくださいね?」


 あれが絵口先生の能力ってわけか。

というかこの先生、自分の能力のことをベラベラと喋りすぎじゃない⁉︎

と、そんなことを考えてると、肋、足首などの痛みがいつのまにか消えていた。


「お!動ける‼︎」


「私も動けますね。じゃあ先輩、もう遅いですし、帰りましょう。絵口先生、ありがとうございました。」


「そうだな。あざっした。」


「お大事にね〜‼︎明日は休むのよ〜‼︎」


 そんな絵口先生の声を背中に、俺と恋歌は帰路についた。


 ――――――保健室――――――


「はぁ……あの子達、また怪我して帰ってこないといいけど……」


 私、家革 絵口はそう心配する。

 元々藍さんの時からこの保健室の使用頻度は高いのだ。

 佐座見君まで来るとなると一体どうなることやら……


「まぁ、流石に考えすぎかしらね?」


 そんな憂いに苦笑いしていると、目の前に置いていた電話が鳴った。

 私はそれに手を伸ばし、通話ボタンをタップする。


「はい。家革です。なんですか?軍長さん。」


 かかってきたのは私達の――そう、西高校学校軍の軍長だった。


『やぁ。家革先生。すまないが、緊急事態となった。至急――――まで来てくれないか。』


「はい。分かりました。」


 場所までは電波の影響か何かで聞き取れなかったが、まぁ、あの人が指定する場所といったらあそこしかない。


「さて、一体何が始まるのでしょうか?」


 ――――下校途中――――


 俺と恋歌は途中まで帰り道が一緒だったので、一緒に帰っている。


「にしても今回は死ぬかと思ったぜ……」


「存在しないはずのドラゴンがなぜいたのかも結局のところ不明ですしね……」


「確かに……そういえば……ってそういえばドラゴンって存在しない生き物じゃん‼︎」


「え?先輩今気づいたんですか……?」


 うわそうだ‼︎

 最近ルービッカーとかそういうもんがいっぱい出てきてすっかりキャパオーバーしてたから忘れてた‼︎

 ドラゴンっていないはずの生き物じゃん‼︎

 と、そんな内心の俺に恋歌が質問してきた。


「ま、まぁそれはいいとして、先輩。」


「どうした?」


「先輩は結局、見つけられましたか?ミステリーサークル。」


「あぁ。見つけられた。ほらよ。」


 俺はスマホとデジカメの両方を恋歌に渡す。


「……先輩?めっちゃブレブレじゃないですか……」


「悪い……この時ガチの戦闘狂ヤクザが襲ってきて……」


「戦闘狂ヤクザ?」


「あぁ。アホみたいな強さだったぜ……しかもそいつ、芽晴学校軍じゃないっていってた。」


「……そうですか。まぁそれが嘘の可能性もありますが。……それにしてもなんでドラゴンは先輩を追うのをやめたんでしょうね?」


「さぁ?んなこと俺に聞かれたってわかんねぇよ。」


「まぁそうでしょうね……私も多分、ドラゴンの気まぐれだと思いますよ。」


「そうか。…………っと、ここら辺で俺は別れるわ。それじゃ。」


「さようなら〜。」


 こうして俺たちは家に帰ったのだった。

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