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中学3年生  作者: もじもじくん
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中学3年生②

先生がかけよって保健室行きを促してくれて立ち上がることができた。教室のドアへ向かう途中、クラスメイトのクスクスという笑い声。中学3年生にもなっておもらし。クラスの事件としては一級品だ。後ろの方に座っていた仲が良い女の子と目があった。口に手を当てて笑いをこらえていた。もう顔を見れなかった。その時に気がついた、私は彼女におしっこを我慢しているのを知られるのが恥ずかしくて、最後までトイレを言い出せない子どもだったのだ。

保健室の先生は優しかった。ほぼ初対面だが保健室に入ってすぐにおもらしを察してくれて保健室のベッド、仕切りの奥に誘導してくれた。バケツとタオル、保健室のぱんつを渡してくれた。教室に体操着を取りに行ってくれた。その間にズボンとぱんつ、上靴と靴下を脱いだ。ぱんつは横の部分以外びしょびしょで、前の部分は濡れていない部分が無いくらい。ズボンはおしっこを吸ってすごく重くなっていて、白い靴下は黄色く汚くなっていた。

5時間目のチャイムが鳴った。誰か入ってきたらどうしようと思ったが運よく先生が戻ってくるまでドアは開かなかった。体操着を渡してくれて、濡れた衣服を預けた。シャツや肌着も濡れていたので上も脱いですっぽんぽんのまま温かいタオルで下半身を拭いた。ぱんつを履き、体操着を着る。気持ち悪さから解放され、少し心が落ち着いた。

仕切りから出る頃には6時間目が始まっていた。先生は汚してしまった衣服を水洗い出来るものはしてくれて、帰る時に渡すと言ってくれた。このままクラスに帰るのは怖かったので下を向いていると、このまま早退するより、戻って元気な姿を見せた方がからかわれないと思うよ、と言ってくれた。

でも、戻れなかった。教室へ戻ることを想像する、ニヤニヤ、クスクス、好奇の目線。他のクラスにも伝わっているだろう。皆にとっておもらしをした人という自分を受け入れることは到底出来なかった。


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