国立ユイナーダ学園高等部②〜【どうやら私の事を勘違いしているようですね】
ご希望に答えてユイナーダ学園高等部シリーズ第2弾です。
皆さんこんにちは!
国立ユイナーダ学園高等部、演劇部部長のキイナです。
はっきり言って私は、モテる。
校内を歩けば可愛い子達に囲まれ
「キイナ様♪コレ今日の実習で作ったクッキーですの〜♪ぜひキイナ様に食べて頂きたくて♪」
「私のは、キイナ様が好きなチョコレートが入ってますのよ!」
「何よ‼︎そんな真っ黒いの!キイナ様は、ドライフルーツ入りがお好きなの知らないの⁉︎」
と、これが私の日常である。
「ありがとう君達!こんなにたくさん貰えて嬉しいよ。
今日は、ちょっと急いでいるからまた明日ね!」
ニッコリと笑ってそういうと彼女達は、声を揃えて
「「「ごきげんようキイナ様また明日教室でお会いしましょうね♪」」」
そう言って離れて行った。
私の手には、クッキーの袋が4つ。
え?数が多い?
いや、これであっている。
何しろ私は、彼女達と一緒にクッキーを作っていたのだから。
私のあだ名は、【淑女科の王子様】。
別に男装しているわけじゃないのに何故か女性にモテる。
男性には、どちらかと言えば避けられていると思う。
やはりこの183㎝の身長と父親似の顔が原因なのだろうか?
このままでは、嫁き遅れもありうる。
そんな私の目下の心配事……
それは、騎士科の幼馴染の事である。
幼馴染は、最近恋人と別れた。
しかも酷い裏切りにあったとかで
かなり落ち込んで引きこもってしまったのだ。
自室に閉じこもって出て来ない為
心配した遠方に住む幼馴染の両親から
『様子を見て来てほしい。』
と頼まれたので今日は、幼馴染の下宿先に行く事にした。
幼い頃は、とても仲が良く一緒に外を駆け回って遊び「レー」「キー」と互いに呼びあっていたのが懐かしい。
高等部に進学してからは、学科も違う為
この数年、通信の魔道具でのやり取りは、していたが直接会っていなかったので久しぶりに会う為緊張する。
部屋に着いて何度もノックしたが返事がない。
まさか倒れてたりしてないよね?
最悪の事も考えて無理矢理ドアを開けると幼馴染は、床の上に倒れていた!
慌てて駆け寄って抱き起すと
「腹が減って動けねー。
く、食い物……。」
と言いながら盛大にお腹を鳴らした。
どうやらお腹が空いて動けなかっただけらしい。
騎士としてこれは、将来的にどうなのだろう⁇
若干不安になるがとりあえず持っていたクッキーの袋を渡すとすぐにガツガツと食べ始め結局4つあったクッキーの袋は、あっと言う間にお腹の中に消えていった。
その間、こちらの方を見る事もなく。
満足したのかやっと私に気づいた幼馴染は、
こちらの方をジッと見つめ……
こ、これは、もしかして告白⁇
どうしよう♪心の準備が\(//∇//)\
「キー何で女装してるんだ?」
シ〜ン
( *`ω´)
ドカッ‼︎バキッ‼︎
殴っていいですよね!
(もう殴ってるけど!)
えーえーどうせ女なのに身長ばかり高くて胸は、無いですよ!
しかも私の事をずっと男だと思っていたなんて‼︎
数年後……
ユイナーダ王国の教会で超大型カップルが結婚式を挙げ話題になった。
新郎 王宮騎士レオル(196㎝)
新婦 国民的女優キイナ(185㎝)
余談だがこの時撮られた二人のウエディング写真は、雑誌【薔薇の園】の表紙を飾り創刊以来最高の売り上げだったという。
この写真を表紙に使う事を決めた編集長は、二人と同じユイナーダ学園の卒業生であった。
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レオル先輩のその後の話しでした。
キイナ(18歳)淑女科
通称【淑女科の王子様】
身長183㎝
学園で『某歌劇団』の男役的な人気を誇る。
見た目のイメージは、『乙女ゲームのメインヒーローの女装版』
*(この世界に乙女ゲームという概念は、ありません。)
スレンダー美人。
レオル(18歳)騎士科
最近の通称【騎士科の残念王子】
身長190㎝
前作でヒロイン?に騙された残念な人。
そして今回も残念な人だった。
見た目のイメージは、『乙女ゲームの脳筋騎士』
雑誌の編集長
元ユイナーダ学園、新聞部部長(腐女子)
*この世界には、『某歌劇団』のような劇団があり卒業後キイナは、ここで『男役』として舞台に立っています。
*この世界の平均身長 男性185㎝ 女性170㎝
*結婚時の二人は、お互いまた身長が伸びています。
*キイナの父親は、レオルの父親の領地で文官をしています。
背が高く今でもイケオジ。
ユイナーダ学園高等部文官科卒業。
当時の通称は、【文官科の王子様】
*一応、魔道具で電話やカメラのような物がある設定。
雑誌【薔薇の園】の表紙写真は、どう見ても『薔薇カップル』にしか見えなかった。