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微笑むエンジェル
「お願いします。」と一礼して、いつもの様に服を脱ごうとした。
その時、「ちょ、ちょっと待って!!」
彼は私の手首を掴み慌てて止める。
「どうかしましたか?」と聞くと彼は私に抱きついてきた。
「違うんだ。違うんだよ?僕は違う。」
耳元で感情的にそして、柔らかい声で彼は囁く。
「慣れちゃってるんだよね?きっと…。ごめんなさい。」
心の底から謝っている。すごくよく伝わる。
「なんであなたが謝るの?あなたは何もしていないじゃない。そうでしょう?」
「そう…じゃない。ここは僕のお父さんが建てたんだよ。だから責任は僕にもあるんだ。ごめん…。」
「そう…なんですね。総理がご自身で…。」
彼は「ごめんね。」と言い私を放した。
「お話しようか?」
「はい。」
「僕の名前は東宝勉です。君は?」
「私は、あかり。村上あかり(むらかみあかり)。」
「じゃあこれからよろしくね」
そういって手を差し出してきた。
「これ…から?」
と聞き、私はその手を握った。
「そう、これから」
彼は強く握り返した。
そして柔らかく微笑んだ。
私はこの微笑みに弱い。目が離せなくなってしまうから。