武器より凄いのを手に入れたんだが…
俺は少しの間家に完全に帰れなくなったことに絶望していた。
ソフィーナはそんな俺に優しく背中を擦りながら励ましの言葉を言ってくれた。
流石に大の大人があんまりいじけてるのも恥ずかしく感じ始め、俺はどうにか気を取り戻した。
「家にも戻れないし。俺行くよ異世界に」
「すみませんすみません。本当にすみません。上司が適当な神で申しあけありません」
「もういいよソフィーナ」
「当麻さん…」
俺はソフィーナから項目の書いてある紙をもう一度見直して、数分考えた後『武器』と『能力』と気になっていた『ランダム』を選択した。
それからソフィーナに言われた通りにサインをして、何を手に入れたのかを『ステータス』と言うあちらの異世界にある自分のプロフィールみたいなものを見てみた。
<<一条 当麻>>
種族:人間
年齢:21歳
職業:勇者
レベル:1
HP:250/250
MP:500/500
攻撃力:100
防御力:100
俊敏力:150
魔力:200
魔防:200
<<装備>>
騎士王の剣
魔法の鞘
女神の指輪 『ソフィーナ』
<<固有スキル>>
言語翻訳
言語記入
英雄憑依『騎士王』
神眼『先読み・鑑定』
神の宝物庫
不死『魔法の鞘 装備時』
<<スキル>>
剣術:Lv10
体術:Lv10
盾術:Lv10
自動回復:Lv10
<<固有魔法>>
転移魔法 Lv10
<<魔法>>
水魔法 Lv7
雷魔法 Lv5
風魔法 Lv8
光魔法 Lv10
回復魔法 Lv7
<<称号>>
ニート・一条流剣術皆伝・異世界の勇者・騎士王の後継者・女神の夫
俺は愕然とした。
何だこのステータスは…
ソフィーナは俺が硬直しているのを心配したのか、俺が見ているステータスを横から覗いてきた。
「えっえ!?何ですかこれ?」
「俺が聞きたいんだが、武器と能力はいいとしてこの指輪と称号は何なんだ?」
「普通にステータスだけで見れば破格の実力何ですがその…女神の指輪と言うものは、地球で言う婚約指輪になるんでしゅ」
ルーミナスはうつむいて顔を真っ赤にして答えた。
婚約指輪って結婚した夫婦が付ける物だよな?
それが俺とソフィーナの薬指にあるんだが何故だ?
俺は混乱しているのか、分かりきっている答えが出てこなかった。
そんな中、ソフィーナの方から爆弾発言がきた。
「その、これから末永くお願いします。旦那様」
俺は油のきれたロボットみたいにぎこちない感じで顔をソフィーナの方に向けた。
そこには恥ずかしそうだがとても嬉しそうにしているソフィーナがいた。
えっ良いのか?
こんな美女を会ってすぐに嫁とかありなのか?
行為展開は俺が読んできた小説には無かった。
俺はどんどんと変な方向へと考えが行っていしまい、最終的には何を考えていたのかさえ分からなくなった。
どうにか思考が平常になってくれたので、俺はソフィーナに重要なことを聞いた。
「ソフィーナはそれで良いのか?」
「ソフィーナではなく、親しみを含めてソフィとよんでください♪」
ソフィーナの方はバリバリでOKらしい。
その後、神の宝物庫等と大それた名前のアイテムボックスを開いて中に保管されてた剣と鞘を取り出してみた。
だってエクスカリバーとその鞘ですよ?
気にならない男の子っています?
取り出した剣はしっかりと鞘に収まっており、それだけでも神々しいオーラを感じる程の美しさがあった。
これが俺の物になったと思うと、あまりにも自分には似合わないのでは無いかとすっごく思う。
一応剣を抜いた状態も見てみたかったので鞘から抜いたのだが、そうしたらもう……何じゃこりゃ!?と驚く程に、それはもう…光っていましたよ。
ソフィから聞くとそれは何でも俺の魔力に反応しているらしく、エクスカリバーに認められた証拠でも有るそうだ。
いや~俺認められる程たいした人間じゃない気がするんだが、でもニートだから本気で相応しく無くね?
そうソフィに言おうとしたんだが、彼女もう何故か知らんがすっごい尊敬と乙女の眼差しで見てくるもんだから、言いたくても言えなかった。
それからソフィに剣に少しでも慣れた方が良いと勧めてきたので、俺はそれに素直に聞き、簡単に昔やっていた型道理に動いた。
「当麻さんは何か流派でも習っていたんですか?」
「あぁ、高校生の時まで実家の道場で爺ちゃんから教えられてたんだ」
「そうなんですか?では何故ニートなんかになられたのです?」
「爺ちゃんが死んでから何かにやる気が出なくてさ、それで勉強も集中出来なくて大学受験も落ちて今の有様ですよ」
そう俺は爺ちゃんを憧れに剣道を始めた。
家は代々武士の家だったらしく、ちゃんとした剣術が今も家にはしっかりと残っていた。
俺は自分で言うのも何だがそれなりに才能があったらしく、爺ちゃんから家の剣術を厳しくも丁寧に最初から最後まで教えてくれた。
今に思い出すと本当に学生がする日常とはかけ離れていた生活だったが、俺はそれが好きだった。
余りしんみりしてるとソフィに迷惑だし、切り替えないとな。
「だいたいこの剣の使い方も分かったし。行こうぜ異世界に!」
「はい!」
そして俺はソフィが最初にこの部屋に入って来たドアは異世界に繋がってるらしく、俺はソフィと共にそのドアへと入って行った。