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 転職勇者   作者: まずは深呼吸
プロローグ:ぐだぐだな召喚
5/345

5 職業:弟子③

 試合の後、無理が祟って倒れてしまい、指1本動かせなくなった。

 最後まで鎧を装着したままにしておけば良かっただろうに、安心して消してしまったからである。

 そしてもう一度鎧を着る余裕は俺の魔力にはない。

 慌てて師匠達が俺を家の中に運びいれ、今はドレイクと一緒に来ていたミヤさんに 魔法で治療してもらっている。

  彼女がいらっしゃったことには心の底から驚いた。これほど体が動かなくなって良かったなんて思うことはこらからもないだろう。

 そしてその間、ドレイクは俺や師匠に採用するかどうかを理由を含めて教えてくれた。


 まあ、まずは結果から言おう。

 俺は騎士団に入れなかった。

 理由は“戦い方が特殊過ぎて、騎士団にそぐわない”だとか、“そもそも剣術自体が騎士鎧を着た上での物ではない。“とか、色々言われ、最後には本人曰く善意から、騎士団には貴族の出の者が多く、勇者でも何でもない俺が入ると肩身が狭い思いをするだろうとか何とかアドバイスして、ドレイクはさっさと帰っていった。

 元より入れるつもりなんぞ無かったんだろうと思うのは気のせいじゃあないと思う。

 それなのに無理矢理連れて来られたのは、師匠たちとドレイクにそれなりの交友関係があるからなのだろうと傍から話しているのを見ていて分かった。

 さて、今はもう夜だ。感覚で言うと8時ぐらいかな?

 ミヤさんはそのまま治療を続けてくれている。思っていた以上に魔剣の影響が強かったらしい。

 はぁ……、また無職か。

 「駄目だったかぁ……。」

 「期待させちまって悪かったね。」

 「君たちはいいよ、技もたくさん使っていて、見応えあったよ。なのに僕と来たら、スキルを使う前にやられたからなあ。」

 ごめんなさい。それわざとです。

 嘆息する先生に心の中で謝る。

 先生は当然、鉄塊系の技を使える。それも師匠より遥かに熟達した、防御力の高いものを。そんなものを使用した先生は物凄くしぶとくなって倒しにくいので、技を使う暇を与えなかったのだ。

 「でも、騎士になれなかった理由の戦い方が特殊すぎてってところは完全に師匠達のせいですよね。」

 俺は純粋な剣術や体術を使った戦いで師匠と先生のどちらに負けることはないはずだ。師匠が魔剣なんてものを持ち出したから、いや、そもそも二人が俺を最後に打ち負かそうとして二体一で挑んで来たからあんな戦いになったのだ。

 「いや、アタシはあのときは騎士団に入れることを確信してたからねぇ。それにああいう授業はあの方法でしか理解できない。」

 「ええ、まあそれはありがたいと思ってますよ。はあ、もうどうにもなりませんね。……寝よ。」

 「もう冒険者でいいんじゃないか?今の君なら十分以上に戦えると思うよ。」

 「え?」

 思わず聞き返すと、先生は当然だと言うような顔で

 「え?冒険者が嫌だから他の職業を探してるんじゃないのかい?確かに冒険者は誰にだってなれる、無職と同じようなものだから一段と低く見られることがある。でもね、君なら一攫千金も夢じゃないと思うよ。」

 「えーと、冒険者ってどんなことをする仕事でしたっけ?」

 俺が召喚者であることは師匠に口止めされている。王の指示らしい。まあ、一般人を拉致したまま放逐しましたなんて言えないもんな。

 だからさも忘れていたかのように聞いてみたものの、先生に怪訝な顔をされてしまった。

 「はっ、ははははは!ま、まあこの一年間は色々あったからな!それにさっきまで暴れ回ってたんだ、ドわすれでもしたんだろう!コテツ、冒険者ってのはね……」

 と、下手くそな演技で誤魔化しながら、師匠は冒険者というものの詳細を教えてくれた。

 

 要約すると、冒険者というのは魔物を退治して金をもらう仕事をする人のことで、彼らに仕事を紹介したり、彼らを援助したりする、“ギルド“に登録すれば誰だってなれる職業らしい。

 誰でもなれるため、たまに下に見られることもあるらしいが、なかには確かな実力を証明し、多くの人から尊敬されるような冒険者もいるらしい。

 これだけの説明なのに何で要約したかって?途中から冒険者時代の師匠達の話になり、砂糖を吐きたくなる位甘々な日常の話が繰り広げられたからだ!

 最初は微笑ましいと思っていたが、途中から爆発しろ、と本気で思ったね。


 「ありがとうございます。だんだん思い出せてきました。じゃあ俺は出ていく支度をするので後はお二人でお楽しみください。」

 「「な、なんのことだ!?」」

 爆発しろ!

 「では。」

 俺は起き上がる。

 「まだ治療中です。あまり動かないでください。」

 あ、はい。

 俺はまた寝た。

 結局、それから30分後に治療は終わった。辛かった。

 カッコつけて出ていこうとしたところをミヤさんに止められた俺を、師匠達が哀れんだ目で見ていたのだ。俺の生命力が回復するごとに精神力が失われていった気がする。



 翌日、俺は脳内アナウンスのせいで目が覚めた。どんなものかって?もう分かっているだろう。これだ。



 職業が変わりました。弟子期間が終わったのでスキルが修得されます。



 name:コテツ

 job:無職

 skill:双龍剣術 魔素式格闘術 隠密 気配察知 完全鑑定 超魔力 成長率50倍



 おお、スキルが増えてる。

 双龍剣術は師匠、魔素式格闘術は先生の流派だ。

 二刀流だから「双龍」って安直すぎやしないか?

 魔素式格闘術は先生が生まれるずっと前からある体術で、これとは別に様々な流派があるらしい。他にはどんな流派があるのだろう?

 しかし、分かっていたけど、無職か。早く仕事について脱却したい。

 そのまま起きる。隣の部屋ではミヤさんと師匠達が寝ているはずだ。

 昨日のうちに用意しておいた荷物を袋に入れ、師匠達に別れの挨拶をするべく部屋を出る。

 すると、そこでは隣の部屋で寝ているはずの師匠達が何やら作業をしていた。ミヤさんも手伝っている。全員こちらに気付いていない。

 耳をすませると、

 「コテツの奴、驚くだろうねえ。」

 「ああ、コテツ君、喜んでくれるといいな。」

 「ええ、やはりこういうことをするのは仕掛けたときの反応こそ一番楽しい物ですから。」

 という声が聞こえた。

 察しの良い俺はそのまま部屋に戻って寝た。日が上っていたものの、やはり疲れがあったのか、割りとすぐに寝直すことができた。



 「おい、起きろコテツ!」

 部屋の外から怒鳴られる。

 いつもはこんなこと言われない。

 きっとドッキリがしたくて仕方がないのだろう。

 俺はゆっくり起き上がり、服を着替える。

 元の世界から持ち込んだ服は修行に耐えきず、早々にボロボロになったため、俺が金を出し、師匠に買ってきてもらった。

 何の柄もない、動きやすさのみを重視した、茶色の上下と下着をそれぞれ二つずつ。半袖短パンは、24歳にはどうかと思ったが、修行の激しさが増す内に、ものすごいありがたみを感じた。

 部屋の外に出る。

 「おめでとう」

 「おめっとさん」

 「おめでとうございます。」

 エヴァの最終回を再現された。

 「え?」

 なんとか驚いた風を装う。

 「いや、アンタの弟子卒業と免許皆伝を祝ってな、ちょっとした宴会でもしようかってアルがな。」

 「宴会をしようと言ったのはリズの方じゃないか。」

 「この企画を言い出したのはアレックスさんでしたね。リジイさんはそれを聞いてノリノリで準備してましたが。」

 「「ミヤさん!?」」

 何かしらあると思って身構えてたが、どうもその必要は無さそうだ。

 「ありがとうございます」

 素直にお礼をいい、俺達はその場で宴会に突入した。

 宴会は一日中続いた。

 先生は泣き上戸になって、俺が出ていくことでずっと泣いていた。俺ももらい泣きをしそうになった。

 一方で師匠は今までの俺に対する愚痴を俺本人にぶちまけてきた。思うところは多少あったので我慢した。

 ミヤさんは酒に酔うとかなり饒舌になるようだった。聞き上手なイメージだったので、少し珍しく思って相槌を打っていたが、そこで衝撃の事実が発覚した。

 なんと彼女はもう結婚していたのである。子供ももうすぐ成人らしい。

 そのまま彼女は旦那とのなれそめや日々の生活を喜んで教えてくれた。正直、これを笑って聞かなければいけないのが今までのどんな修行よりも辛かった。

 ちなみに彼女がいままで俺の世話を焼いてくれたのは俺の専属メイドに任命されていたからしいが、今では仲の良い友達ぐらいに思ってくれているとの事。

 ……友情だって大切だよな。

 俺以外の全員が潰れた後、(俺は物凄く酒に強い。父親には超人か?と言われた覚えがある。酔いはするが潰れることはまずないのだ。まぁ、ミヤさんのことで精神的には潰れていたが。)一年間泊まった家を掃除しながら見て周り、外に出た。

 庭のあちこちにある盛り上がりは師匠達が俺を奇襲するために穴を掘って潜んでいたからできたもの。それを明朝から、俺が起きて外に出てくるまで微動だにせず、待っていたことにはひたすら感服した記憶がある。

 先生の家へと歩いていく。

 そこにも大きな庭があり、直径二メートル程のクレーターが出来ている。先生が地面に向かって、普通は動けないはずの赤銅状態のまま(先生の魔色は赤と無で、体に赤の魔素を通す防御を赤銅という。)正拳突きをしたときのものだ。

 俺は体全体の鉄塊状態位ならば普通に動くことは(結構疲れるが)出来る。だが黒銀にしたら微動だにできない。だからこそ体の一部を変える技も使えるように練習したのだ。

 先生とは半年位の付き合いしかないが、旧知の仲であるような錯覚をするほど打ち解けたと思う。

 思い出に浸って一頻り頷き、師匠の家へと戻って、ここにきて最初に叩いた物である、師匠の家の扉に手を掛ける。

 俺がここに来たとき、俺は23だった。普通に考えればもう伸びないと思われる年齢の俺をすぐに見限らず、チャンス(?)を与えてくれた師匠には感謝をしても仕切れない。

 師匠と先生は俺をまるで家族のように接してくれて正直少し照れ臭かったが、懐かしかった。

 この一年間は俺に力以外にも様々なものを与えてくれたと思う。一生忘れることはないだろう。

 ああ、楽しかったなぁ。



 翌日、師匠達に見送られながらこの国の一番大きな町、商業都市イベラムを目指し、出発した。

 そこには冒険者ギルド本部があり、初心者用から熟練者用まで様々な依頼が集まる場所だからだ。

 ミヤさんは王城に帰るので、真逆の方向である。

 元々はドレイクと一緒に帰る手筈だったのだが、俺があの手合わせで想定以上の怪我を負ったため、そのまま一晩泊まる事になったのだ。

 イベラムへの行き方は師匠達に耳にタコができるほど説明されたが、全く覚えてない。

 だがしかし、心配はいらない。何故なら俺には俺を遥か頭上から世界を見ている高性能ナビKAMIがあるからだ。

 『そのとおりじゃ。わしがしっかりと導いてみせよう。』


 さて、早速暇になってきた。

なあ、爺さん。この速度で行くと、着くのは何時ぐらいだ?

 『ふむ、明日の昼ぐらいじゃの。』

 じゃあこのままで良いか。急ぐ旅じゃない。

 『で、どうじゃ?失恋の気持ちは?』

 やめろ。この前泣き寝入りしたのに、また同じことさせるつもりか?

 『いいじゃろう?急ぐ旅ではないんじゃ。次の町に着く前に気持ちの整理はつけておいた方が良いと思うがのう。』

 爺さん、まさかとは思うが知っていたのか?

 『いや、そんなことはない。わしはこの世界の全てを知っておる訳ではないからの。わしの仕事はこの世界そのものを維持することだけじゃ。だからほとんどの何もないときは人の営みを傍観して楽しんどるんじゃよ。』

 偉大な神なのか、嫌な爺さんなのか分からんな。

 『偉大な神で頼むわい。』

 偉大な奴は自分のことを偉大だなんて言わねーよ。

 『お主が失恋した話、これでもう終わったとは思うでないぞ。』

 そんなところが嫌な爺さんなんだよ。

 それからずっと俺は弄られ続け、そうこうしている内に日が真上に上った。

 焼け死ね爺さん。

 『馬鹿じゃのう。わしが太陽ごときで死ぬわけないじゃろうに。そうやって色々決めつけるから失恋したりするんじゃ。』

 畜生め!

 はっ!名案を思いついた。

 爺さん、この念話って頭に直接イメージを送っているんだよな?

 『しかもタイムラグなしじゃ。すごいじゃろ。』

 それは好都合。

 呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪

 『ぐっ、や、やめんか!頭が朦朧としはじめたぞい。』

 呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪呪

 『ギャァァ!なぜじゃ、なぜ念話が止められぬ!?』

 当たり前だ。俺の都合の良いときに念話出来るように契約してあるからな!

 もう弄るのをやめるか?

 『分かった!分かったからもうやめんかぁ!』

 命令口調?

 『やめてくださいぃ!お願いします!』

 ふう、スッキリした。

 『く、折角弱みを握れたと思ったのにのう。』

 何事もやり過ぎってのがあるんだよクソジジイ!

 『はぁ……。』

 あ、そういや爺さん。世界を傍観してるって言ったよな。今勇者達はどうしてるんだ?

 『なんじゃ、自分から勇者をやめておいて他の勇者の心配か?』

 うるさいやい、あれは事故だったんだよ。とにかく教えろや。

 『まあわしも気になっておったしの。良いじゃろう。ふむふむ、……ほへー、凄いのう。』

 おい、一人で楽しむな。こっちも暇なんだよ。

 『そうじゃの、まず、あやつらのスキルがどんなものか判明したぞい。』

 え、お前がスキルをあげたんじゃないのか?

 『担当がそれぞれ違うんじゃ。普通はくじ引きで決まるんじゃがお主はわしが直接手を下したらのう。わしが担当することになったんじゃ。』

 神って1人じゃないんだな。

 『神の仕事は膨大なんじゃ。わし1人では過労死するわい。』

 へぇー、そういやテミスって奴もいるんだったな。

 で、どんなスキルだった?

 『まずはアイじゃが、彼女の魔力操作は魔力の繊細な扱いを補助するものでな、それを使って彼女は魔剣に近いものを作っておる。魔法が緻密すぎてお主の剣と似たものになっているがの。そしてハイジャンプじゃが、これはジャンプと言いながらも真横や前後にも使えるみたいじゃ。急な加速が自由自在と言うわけじゃな。彼女は槍使いの訓練を受けておるな。』

 なんか、凄いな。

 『次にユイじゃが、彼女は前の世界で武術でも習っていたのか?珍しいはずの刀を使っておるが、素の状態で王宮の剣士を数人倒しておるぞ。』

 剣道かな?にしても強くね?勇者補正って奴だろうか。

 『うむ、勇者、というよりも勇者として召喚された者にはかなり力が優遇されておるぞ。お主も元は勇者じゃったから例外ではない。』

 え、師匠には俺の身体能力が低いとか言われたんだけど?

 『それだけお主の師匠が強いということじゃ。』

 優遇されていると言っても鍛えないとあまり意味はないってことか。

 『その通り。身体能力のベースが高く設定されておると考えるとよかろう。それで、ユイの魔力視じゃが、これは相手の回りの魔力の大きさや向きを見ることができるようになるものじゃな。それを見て相手の魔法の飛ぶ方向や大きさを判断して一歩先に避けたり出来るみたいじゃな。オーバーパワーは力を一時的に急上昇させるらしいのう。』

 へ、へぇー。

 『最後にカイトじゃが、彼の限界突破は自身のパワーやスピードだけでなく、魔力を含めた体のあらゆる性能をオーバーパワー以上に上昇させるもののようじゃ。両手剣を使って訓練をしておる。』

 確かもうひとつは召喚魔術だったな。あれってつまり元の世界に戻れるってことか?

 『それは送還魔術じゃ。適当によその世界から呼び寄せる召喚魔術と違って、送る世界を特定しないといけないから難易度は跳ねあがる。さて、彼の召喚魔術じゃが、こいつは凄いぞ。異界からの召喚獣や神と契約してその力を使いこなすみたいじゃ。まあ、神は神でも下位の神しか契約には応じないがの。あ、言っとくがわしは高位の神じゃよ。』

 なんで契約に応じないんだ?お前は俺と念話の契約をしただろ。

 『高位の神はそんな暇ないんじゃ。よほどのことがない限り手は出さん。念話なら片手間でもできるから了承したんじゃよ。』

 下位の神なら俺でもなんとかなるか?

 『神からの攻撃は物凄く強い魔法だと思えばよい。じゃからお主でなくても上手くすれば防げんこともない。』

 俺の攻撃は?

 『わしの仕事を増やす気か?それに神は非実態の存在じゃ。神の力である神威を使わない限り攻撃なんて当たらんわい。』

 ほーん。にしても凄いな。限界突破って俺の魔法甲冑の上位互換みたいなものだよな?

 『そうとも言い切れんぞ。お主の甲冑は防御も兼ね備えているからの。』

 なぁるほど。

 ああ、魔法甲冑を鍛えたいがどうすれば良いか分からん。無色魔素を黒色魔素に練り込んでロングコートみたいにしようと思うが、中二病臭いしやめておいた方が良いだろう。

 前も言ったが分別はつくのだ。

 『お主はよくその中二病とか言う物を気にするが少なくともこの世界にそんな言葉はないぞ。それにその格好で活気のある商業都市に入るつもりか?』

 俺は買ってもらったシャツに、先生のお古に少し布を足したベージュのズボンをはいている。履物に至っては草履に近い。

 ……一理あるな。

 俺はロングコート作成に集中した。

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