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 転職勇者   作者: まずは深呼吸
第三章:不穏な職場
33/346

33 職業:教師

 ファーレン学園を局所的な異常気象が起こったのは昨日のこと。

 一晩経ったことで元通りになったコロシアムリングの上では今、俺の教師就任式が行われている。

 昨日までと違って見ていてつまらないからか、観客席は一般の観客は学生や教師らしき人達のみが占めていた。

 まぁ十中八九、彼らもこれが学校行事だからと、仕方なくこの場にいるのだろう。

 緑のケープを着た男の学生の中には寝ている奴がちらほらといる一方で、赤のケープを着た女学生はヒソヒソ喋っていたり、キャッキャと笑い合いながら俺を指差したりしている。

 違う世界でも、年齢が多少違っていても、学生というのは大して変わらないらしい。

 「こちらがファーレンの教師証になります。これより貴方はファーレンの教師の一員です。」

 目の前に立つ、あの受付のエルフが教師証の乗った盆をこちらへ差し出してきた。

 実はこのエルフ、ファーレン学園の理事長らしい。

 ファーレン内のことは学生の手動に任せるにしても、やはりその補助は大人がするし、対外的な所はしっかりとした大人が取り仕切るのだそう。

 「ありがとうございます。」

 頭を下げ、八芒星の中にカイトシールドが描かれた、直径5センチぐらいのメダルを受け取る。

 裏には三つの八芒星が刻まれ、中心にはそれぞれ剣、本、六芒星が描かれていた。

 ランクBの冒険者証を外し、代わりにそれを首にかけた直後、脳内アナウンスが響く。



 職業が変わりました。



 name:コテツ

 job:教師

 職業補正:索敵能力アップ



 よしよし、冒険者証は後でアリシアに預けよう。

 「これにて就任式は終わりです。その紋章の表す通り、教師として学生を守り、導きなさい。」

 厳かな声で紋章の意味と心構えを聞かされ、俺がそれにしっかと頷いて立ち上がると、

 「じゃね。」

 目の前の理事長は小さな声でそう言って、転移魔法陣で消えていった。

 このギャップは本当にやりづらいな。

 ……さて、俺のファーレンでの仕事は決まった。あとはアリシアとネルの入学試験を残すのみ。

 まぁ、あんまり心配はしていないけどな。



 ファーレンの教師になって2日目、宿屋の一階で朝御飯のサンドイッチを頬張っていると、首に下げたメダルが急に光り出し、かと思うと俺の目の前に理事長のエルフが現れた。

 ただし大きさは手に乗るぐらい。

 姿形はしっかり見えているのに、何となく透けていて、テーブルの向かい側に座るアリシアの、びっくりして真ん丸になった目が見える。

 ……ホログラムって奴か?

 「驚いた?ごめんごめん。それで、今からファーレン城に来てくれる?」

 と、半透明の理事長が話し出せば、アリシアの目がさらに大きくなった。

 微笑ましいアリシアの様子は置いておいて、どうやらこのメダルは通信機として使えるらしい。

 「今すぐですか?」

 「できれば。」

 「了解、今から向かいます。」

 「お願いねー。」

 そして間延びした声を最後にエルフの立体映像は消えた。

 「それじゃ、今日はコテツ抜きでの特訓だね。」

 「それなら二人でアリシアの魔法技術の向上に集中しましょう。」

 ネルが言うと、彼女の向かいに座るルナがそう言って隣のアリシアに微笑みかけ、当の本人は恥ずかしそうに小さく頷いた。

 最近アリシアが壁にぶち当たっているような気がしていたのは単なる気のせいとかではなかったらしい。

 「はは、アリシアのことは頼んだぞ。じゃあ言ってくる。」

 「はい。」

 「任せて。」

 「あ、コテツさん、お仕事頑張ってくださいね。」

 つい笑ってしまいながら立ち上がると、ルナとネルは大きく頷き、アリシアは元気にそう言ってくれた。

 「おう、入学試験まであと少しだ。頑張れよ。」

 しかし俺がそう言った途端、場が凍った。

 というより、受験生二人が明らかに狼狽し出した。

 「えっと、どうした?」

 「あのねコテツ、そういうのは緊張するから言わないで!」

 ネルの懇願に近い言葉に、アリシアが固い表情のままコクコクと頷く。

 「あー……ははは、そうか、悪かったよ。」

 苦笑し、素直に謝って、俺はさっさとファーレン城へ向かうことにした。



 「来たね。」

 理事長は受付の時と同じ門の前で待っていた。

 「出迎えありがとうございます。」

 「君、敬語に慣れてないでしょ。楽にして良いよ。」

 「いえ、そう言うわけには。」

 やめてくれ、雇用主に敬語を使わないなんて俺の精神はそこまで図太くない。

 「いいから。」

 「ですが。」

 「私の言うことを聞かない教師なら辞め……。」

 「よし、理事長、さっさと行こうか!」

 「素直でよろしい。あと私の名前はニーナだよ。ニナちゃんって呼んだら即刻解雇だから!」

 「分かった、これからよろしく、ニーナ。」

 ニナちゃんて……理事長にそんなことを言える職員がいるのか?そりゃまた肝が据わってるな。

 「ではまず、その教師証の使い方から説明するね。今日みたいに私の方から一方的に連絡が取れるのは分かった?」

 「ああ。」

 どうやら俺の方から連絡は取れないらしい。

 「じゃあ教師証を握って、私に続けて合言葉を唱えて。『我らは学徒の道を守り、導くものなり』。」

 言った途端、ニーナの足元に転移陣が現れ、次の瞬間、彼女は消えていた。

 少し遅れて魔法陣は消え去った。

 俺も後に続く。

 「我らは学徒の道を守り、導くものなり。」

 さすがに人目があるので小声で言うと、視界が白く染まった。


 気付けば、俺は中央に円卓のある広い部屋にいた。

 「来たね。ここは職員室だよ。どう?立派でしょ。このデザインは三代目勇者がファーレンを作ったときに考えてくれたらしいんだ。」

 勇者かぁ。

 おっ、考えてみればこれで俺も円卓のき(ょう)しの仲間入りだな!

 ……くだらねぇ。

 「気に入ってくれた?じゃあまた教師証を握って。」

 「分かった。」

 「合言葉は、……ゴニョゴニョ。」

 「!」

 そしてニーナはとんでもない合言葉を耳打ちし、俺が固まっている間に転移陣で消えていった。

 「……ニナちゃん大好き。」

 小声で呟く。

 解雇されないよね?

 視界が白く染まる。


 視界が戻ると目の前にニーナの姿があった。

 物凄くニコニコしている。その青い目からは彼女の感じているだろう楽しさがはっきりと伝わってくる。

 彼女は現れた俺をビシッと指差し、

 「解雇ね。」

 予想通りそう言いやがった。

 そう、予想通りだ。からかわれるのは合言葉を聞いてから容易に予想はしていたさ。

 即座に長剣を5本程、ニーナの首に剣先を向けるようにして宙に作りあげる。

 「へ!?」

 突然陥ったあまりにもあんまりな事態に目を丸くするニーナ。

 「理事長の座もトーナメント戦にするか?」

 そう言いながら全ての剣をじわじわと彼女の首に近づけていく。

 「い、いや、じょ、冗談だよ、冗談。」

 「本当に?」

 「(コクコクコクコクコクコクコクコク)」

 聞くと、ニーナは凄い速さで何度も激しく頷き出した。つられてその長い髪も大暴れ。

 その姿に概ね満足し、魔法を解除。

 「ホッ、い、今のは?」

 驚き過ぎて呼吸を止めていたのか、大きく息を吸いながら、ニーナがそう尋ねてきた。

 「俺の魔法だよ。ちなみに未知の魔色じゃないぞ。黒だ。」

 「え、黒!?」

 答えた途端、珍獣か何かのように凝視された。

 こいつさっきから、感情表現が豊かだな。アリシアとなかなか良い勝負をしそうだ。

 「あ、これは秘密にな。バレたらさっきの奴をするから。」

 「ワカリマシタ。」

 ふと思い出したような俺の言葉に、彼女の頭がまた縦に振動する。

 実際はこのくらいの距離でないとあの精密操作と発動スピードは実現できないものの、言わぬが花だ。

 「それで、ここは?」

 さっきの職員室よりは随分と小さい、重厚な木の机と本棚が一つずつあるだけの部屋を見回す。

 「理事長室です、はい。」

 すると、すっかり恐縮した答えが返ってきた。

 「あの合言葉は変えられないのか?」

 「変えられはします、はい。でも一回ここへ来ればもう念じるだけで来れます、はい。」

 「円卓の部屋も?」

 「はい。」

 「それを俺に伝える気は?」

 「全くありませんでした、はい。」

 手に黒龍を作り、睨む。

 「もう伝えたんだから許してよ!」

 「はぁ……、分かった。それで、案内はこれで終わりか?」

 「いや、あと一つだけ。一番良く使うだろうからしっかり覚えてね。『我、学徒の力を測るものなり』」

 文言を唱え、転移陣で移動する。


 「あれ、ここは……。」

 切り替わった風景は、とても見覚えのあるものだった。

 「そう、見ての通り、ここはコロシアム。君の主な仕事場だね。」

 「なるほど。」

 「ここで生徒は実戦の練習をするんだ。内容は君が決めていいよ。目標は、そうだねぇ、単独でランクB冒険者になれるぐらいかな?」

 「了解。俺は宿からここへ毎日転移すれば良いのか?」

 「寝泊まりは寮の部屋を宛がうから心配ないよ。」

 「分かった。給料は?」

 「君、元冒険者でしょ?口座に振り込んでおくよ。」

 「いや、口座は作ってないんだ。今年から入ってくるだろう、アリシアって学生に渡してくれ。」

 「恋人かなにか?」

 ニーナは途端にニヤニヤし始める。何だかシンパシーを少し感じた。

 「いや、冒険者仲間で、まぁ、教え子というか何というか……。」

 「なんだ、つまらないの。ま、分かった。そうするよ。」

 ここが俺の職場か……。

 ぐるっと見回してみる。

 「なぁ、そういやリング回りの水ってどうなっているんだ?魚が泳いでいるよな?」

 「海だからね。」

 ふと気になって聞くと、あっさりと回答された。

 海?

 「いや、ここは海岸から結構離れているだろ?水を引いてるなら普通魚は入ってこれないようにするじゃないのか?」

 さすがにとても小さい魚は難しいかもしれないけれども、リングの回りには大小様々な魚が悠々と泳いでいる。

 「この島は特殊でね。横に穴が空いていて、それがここに通じているんだ。ちなみに発見者は私。10か20年前の事だね。」

 「エルフって長寿なんだな。」

 見た目はまだ20代なのに。

 「まあね。」

 にしし、とニーナが笑う。

 ……なのになんで精神はこんなに幼いんだろう。

 「それじゃあ、これで終わりか?」

 「待って。あと1つだけ。ちょっと待ってね。」

 尋ねると彼女は真剣な顔になって言い、エルフの固有魔法である光の矢を片手に握ってその場に屈み込んだ。

 そしてニーナは俺達二人を囲むように石の床に円を描き、その中に複雑な幾何学模様を書き始め、数秒後に「これでよし。」と呟きながら額の汗を拭いて立ち上がった。

 「……これは?」

 「外に声が聞こえるのを防ぐ魔術だよ。私、これでも魔術師なんだ。」

 「で、ここまでして聞かせる話ってなんだ?」

 「邪龍ヴリトラが、復活した。」

 「……ほう。」

 頷いたものの、ただの知ったかぶりである。

 物々しい雰囲気で言われて、聞き返せなかったのだ。まぁ後で爺さんに聞けばいいだろう。

 「反応が薄いね……。とにかく、ヴリトラは復活したと言ってもまだ完全には復活してないんだ。」

 ヴリトラねぇ?なんだろ?

 “邪龍”ってのは穏やかじゃないけどな。

 「ファーレンとどういう関係が?」

 ま、難しいことは後でいいや。

 「ヴリトラの完全復活のために必要な7つの魔晶石、魂片って言うんだけど、その内2つがこの学校にあるんだ。ちなみにその内1つがこれ。」

 そう言ってニーナは懐から拳大の珠を取り出した。

 色は無く、綺麗に透き通ったそれは、もしも地面に落ちていたら間違いなく踏んづけたり蹴飛ばしたりしてしまうだろう。

 「もう1つは?」

 聞くと、バツが悪そうに目を逸らされた。

 「ファーレン城の敷地内にあるらしいけど……どこにあるかは知らないんだ。」

 知らないのかよ理事長。

 「で?何で俺にそんなことを話すんだ?」

 「ヴリトラは自分の魂片の場所なんて知らないはずなのに、この所ヴリトラ教徒の侵入が増えて来てるんだ。ファーレンにそれがあると知っているのは学園の教師、それも上層部だけのはずなのに、だよ?」

 ヴリトラ教徒、またもや新しい単語だ。

 ただ、話の流れは何となく分かる。

 「はは、裏切者でもいるんじゃないか?」

 「そういうこと。だから君にこれを持っていて欲しいんだ。他の教師は私の所にこれがあると思っているからね。」

 あ、裏切り者が本当にいるのね。

 「了解。……そういやどうして俺を信用してくれるんだ?」

 「簡単だよ。リジイとは元冒険者仲間だからね。くく、君を見に行ったこともあるんだよ?リジイの弟子なら教師トーナメントは軽く勝ってくれると思ってこの仕事を勧めたんだけど……まさかあんな戦いになるとはね。でも、勝ってくれて良かったよ。あれから随分強くなったね?」

 笑いながら話すニーナ。

 “あれから”がいつからなのかは知らないけれども、おそらく俺がコテンパンにやられている所でも思い出しているのだろう。

 ……にしてもこいつ、師匠の知り合いだったのか。

 「どうも。」

 「偶然でも、味方が増えて凄く心強いよ。何せヴリトラが復活した3ヶ月前頃は教師のほとんどが休暇を取ってしまっててね。信用できるのが誰なのかなんて、分からないんだ。」

 どうやら俺はこれからとんでも職場で働く事になるらしい。

 「はぁ……、なるほど。」

 ま、起きたことは仕方ない。

 ため息を付き、差し出された魂片を受け取る。

 「ありがとう。」

 小さく笑みを浮かべ、ニーナは転移していった。

 ……じゃあまぁ取りあえず、鑑定!



 name:邪龍の魂片(無)

 info:邪龍ヴリトラが封印された際に分離した魂の破片の1つ。ヴリトラ自身に大きな動きがあると強く振動する。

 大量の無色魔素を生成、保持している。



 「邪龍の魂片、ねぇ。」

 コロシアムリングの上に寝そべり、透明な珠を手の中で弄びながら眺める。

 全てがニーナの妄想かおふざけだったという可能性は完全に潰えた訳だ。まぁそれが望み薄だとは知ってたさ。

 ったく、数年後に戦争が起こるってのにヴリトラまで出てくるなんて、この世界大丈夫か?

 爺さん、魂片の場所は分かるか?

 『物が物であるだけに、場所はおおまかにしか分からんわい。』

 使えねぇな。

 『うるさいわ!普通は全く分からないのじゃから感謝せい!』

 ところで、そのヴリトラってそんなにヤバイのか?

 『ったく、急に話題を変えおって。完全復活すれば数年後の戦争はヴリトラ勢対その他大勢の戦いになるやもしれんの。いや、なる。それもヴリトラ優勢じゃ。』

 ヴリトラ勢というと……?

 『ヴリトラを神と崇める信者たちじゃ。力こそが全てという考えの元に集まっておる。それだけにそこらの戦士や魔法使いよりは格段に強い。』

 そんなに強いなら世の中の役に立てよ。この世界には冒険者っていう無職への救済措置もあるんだ、グレる必要はないだろ?

 『力のある自分達が他の者より下に扱われるのが嫌になったんじゃな。』

 プライドのお高いことで。

 それで?俺が持っているこいつとファーレンのどこかに隠してある奴以外の残り5つの魂片は?

 『1つは既にヴリトラが取り込んでしまいおった。つまりヴリトラは青と赤の魔法を取り戻したことになるの。』

 その言い方だと、魂片1つで魔色を1つ取り戻せるのか?

 『うむ、ヴリトラ教徒達は青の魂片に分けられた意識を使い、復活を行ったようじゃ。じゃからヴリトラは二つの魂片を手にしたというこじゃの。』

 残り5つか。

 ていうか意識を分けたって……。魂片を集めれば集めるほど考えがいきなり変わりそうだ。ヴリトラ教徒も大変だな。

 『いや、別に人格ごとに分けたわけではない。むしろ等分にしたと言った方が的確かもしれん。どこかの善人が優しい人格を宿らせた魂片と何かの拍子に仲良くなってヴリトラを復活させようとするのを防ぐためにのう。』

 その言い方だと、爺さんもヴリトラの封印に一役買ったみたいだな?

 『うむ、わしがいなければヴリトラは今も脅威となっておったかもしれんのう。フォッフォッフォ。……それで残りなんじゃが、残念ながら一つも見つけきらん。』

 なるほど、爺さんはつくづく使えないと。

 『何度もやかましい!それに1つはどこにあるのか予想が付くわい!まぁ、あとは全く分からんが……。』

 予想がつく?どういうことだ?探せば良いものじゃないのか?

 『生き物の中にあるということじゃよ。』

 ……俺の脳裏に突然苦しみ出したとある少女が浮かび上がる。

 まさかその予想がつく1つってのは……。

 『予想通り、ユイじゃ。どういう経緯で取り込んだのかは知らんが、あの苦しみが通常の物ではないのは明らかじゃな。』

 確か他の勇者たちが聖武具を使ったときに苦しみ出したよな。どういうからくりだ?

 『わしの予想ではユイの中にあるのは白色の魂片じゃ。ユイに課せられているのは聖武具の発動に必要な白色魔素のタンクとしての役割かのう?まぁ、おかげで歴代勇者が皆奥の手として温存していた力を今回の勇者達は気軽に使えるようになった。ユイには無理矢理付け足された能力じゃから使用される度に激痛が走るのじゃろう。』

 ということは、今ファーレンには少なくとも3つの魂片が存在しているってことか。

 『来ると行うてもヴリトラは力を取り戻しきっておらんから実際に襲ってくるのは2、3年後ぐらいではないかの?力を蓄えきらぬ内に襲っては来んじゃろ。』

 それまでにユイから魂片を摘出して、隠し部屋の魂片を回収したとして、どうすればいいんだ?

 『大事に保管しておけばよかろう。何かあったときの交渉材料にもなりうる。ああ、わしの空間に入れたりはするでないぞ?封印した力の根源はわしじゃから、封印の力がわしへと戻ってしまう可能性がある。』

 爺さんが封印したのか……

 ていうかそのくらいコントロールできるだろ?長生きしてる、いやその前に神なんだし。

 『ふん、わしがいかにずぼらであるかを忘れたか?』

 ……自分で言うなよ。

 ファーレンはもうヴリトラ教勢に対する戦闘準備をした方がいいと思うけれども、これから大丈夫かね?

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