再々戦
跪いたままのラヴァルに駆け寄り、隣に屈み込んでその体を支えてやろうとするも、彼は無言で俺を押し退けた。
「ラヴァル?」
「……神器は、集めておいた。」
聞き返した俺に答えず、ラヴァルは突き出した腕をそのまま後ろに向け、背後に積み重ねられた神器の束を指差す。
「だが……すまない、今の私に魔法陣での支援は……。」
そして肩で息をする彼は続く言葉を言い終える前に悔しそうに歯噛みした。
ただ、正直言って、ヴリトラと戦ったばかりの身体でありながら、ルナもいたカイルの軍勢相手に十分過ぎる程やってくれたと思う。
まぁ本人は微塵もそう思っていないらしいけれども。
立ち上がり、彼の肩を軽く叩く。
「問題ないさ、ニーナがもう起きたからな。「ニーナが?」くはは……ああ、ここに来る間にあいつを呼んでおいたから、もうすぐやってくるよ。」
「フッ、そう、か……。」
ニーナの回復の報だけでラヴァルの表情がいとも簡単に緩んだのについ笑ってしまいながら、俺は早速集めてもらった神器へと歩み寄って、それぞれを身につけ始めた。
天羽々斬をロングコートの上から腰に帯び、如意棒は縮めてズボンのポケットに。ミョルニルとカラドボルグはバルムンクと共に背中に担いだ。
さらにヴリトラが龍の姿になる際に置いていったらしいクラウソラスを右手に握り、天岩戸を左腕にはめた。
……かなりの重量のせいで、ただ歩くのにもバランスが取りづらい。弁慶が義経に負けたのは刀を九十九本も背負っていたからじゃないだろうか?
「コテツ、量があれば良いという訳ではないだろう。必要なものを選び取るべきだ。」
そんな俺の様子を見てか、ツェネリの側に片膝を立てて座り込んだラヴァルはそんな諫言を寄越してきた。
俺も彼の立場だったら同じようなことを言う。
ただ、今回ばかりはそうもいかない。
「全部必要なんだよ。」
「そうか、ならばこれも使え。」
俺の返事に頷くと、ラヴァルは虚空に浮かせた魔法陣から剣を抜き、そう言ってこちらに柄を差し出した。
「これは?」
受け取り、錆一つない刀身を眺めながら聞く。
「私がヴリトラとの戦いのために用意していた神剣だ。特殊な力はないが、あって損はないだろう。」
なるほど、一応こいつも、神剣を用意してはいたのか。……鑑定!
name:神剣デュランダル
info:導きの神ヤウェの加護を受けた剣。決して曲がらず、壊れない。決して切れ味が落ちることはなく、予言を受けた者の如何に過酷な道程にも耐え得るよう、常に最高の状態に保たれた永久の剣。
……とにかく頑丈ってことか。ったく、こんな物作ってどんな運命に導くつもりだったんだか。
「ありがたく使わせてもらうよ。それじゃあ、ニーナが来たら、援護は頼むぞ。」
その剣を背中にさらに担ぎ、俺はもはや空と同義となったヴリトラを仰ぎ見る。
「ご主人様!私も……!」
そしていざ3度目にして最後の挑戦をしに向かおうとしたところで、ルナの声が聞こえてきた。
「ルナ!ラヴァルと、後から来るニーナの護衛を頼む!」
しかし彼女の共闘の申し出は無視し、振り返らないまま宙への一歩目を踏み出した俺は代わりにそう指示を出した。
空を飛べない彼女をサポートをしていられるほど、余裕をもってヴリトラを倒せるとは思えない。
「……はい。」
だから彼女の肯定の返事に心底安堵して、俺は脚のギアを上げた。
装備した武器のバランスは黒魔法で調整し、走るのに支障は及ぼさせない。
目指す先はヴリトラの頭部。
想像を絶するほど巨大な分、その尻尾や腹を狙えば不意打ちを行うことは確かに容易だろう、しかしヴリトラにそんなことをやったところで白魔法で治されるのがオチだ。
神器を刺したままにすれば話は別だろうが、それなら顔付近に刺した方がよっぽど効果がある。
目なんか潰せたら最高だ。
「我が最後の魂の欠片はまだ見つからぬか!」
と、頭上から太い苛立ちの声が耳に叩き付けられた。
おい爺さん……。
『なんじゃ、言葉は分かった方が戦いやすいじゃろ?それとも言葉が通じる者を殺すことに今更躊躇うのかの?』
……まぁ、そうだな。っ!?
突如として白い光の筋が幾本も辺りに降り注いだ。慌てて天岩戸を掲げるも、すぐに光線そのものに破壊力がないことが分かった。
光源を探し、上を見る。そこでは雲の間から古龍が下界を覗き、その喉元にある強い光が厚い皮越しに漏れ出ていた。
『不味いの。ヴリトラがブレスの準備に入ったわい。』
くそっ!狙いはファーレン城か!?
『じゃな。もう待てなくなったらしいのう。』
ったく、寿命が長いっていうか無いんだから、もっとゆったり構えていてくれても良いだろうに……。
……あ、なるほど、ファレリルはこの考え方をする人間に怒ったのか。
「考えてる場合か!」
少し脱線させてしまった頭を自分を怒鳴りつけることで戻す。
駆け上がる速度をさらに上げるも、下の地面が遠ざかって周囲の景色が下へ移ろう中、真上の黒い巨躯だけはこちらにちっとも近づかない。
チクショウ……まだヴリトラに辿り着いてないってのに、もう奥の手を使わないといけないのか。
ヴリトラの口が開き、何百何千とありそうな鋭い牙を外界に晒され、目が眩む程の白い極光が世界を照らし出す。
仕方ない!
走る方向を変更し、ヴリトラと俺を結ぶ直線がファーレン島の市街地へ向くよう位置を調整。
ロングコートの下から左手で黒い箱を引っ張りだし、既に魔術錠の解除されたそれの蓋を親指で開けた途端、ヴリトラの顔が勢い良くこちらを向いた。
その金の眼が俺を捉え、僅かに見開かれる。
「貴様が持っていたか!ネクロマンサァーッッ!」
ヴリトラの声が空気をビリビリと震わせる。対する俺は走りながらクラウソラスを遥か上空にいる彼へと突き出し、
「光輝を見せよ……クラウソラスッ!」
そこから燃え盛る蒼炎を放って戦いの火蓋を切って落とした。
「ふはははは!我に挑むつもりか?……ギリャャャャャャャャッ!」
正面の視界の大部分が蒼い光で埋められる中、ヴリトラの咆哮が上がり、世界が白く照らし出される。
途端、クラウソラスが強く押し込まれた。
……ブレスを、撃ったな?
魂片を箱に入れ、懐に戻し、クラウソラスの柄を黒く染める。
そして神剣から炎を吐き出させたまま、俺はそれから手を離して真横へ駆け出した。
魔力のみで支えられるクラウソラスがジリジリと押されていくものの、俺としては数秒もってくれれば十分。
白蒼2色の柱の側面が見えたところで、俺はその光の下を潜るようにヴリトラへの直線距離を走り出した。
程なくして遠く背後から爆発音が轟き、役目を終えたクラウソラスは俺の元に戻ってきて横で並走を始める。
チラと後ろを振り返れば、城壁の上端が吹き飛ばされてしまっていた。その先ではファーレンの街どころか島そのものが抉り取られ、深いU字谷が海まで形成されている。
……脆い島だな。地盤が緩んでたか?
『現実を見んか!』
ったく、出鱈目すぎるだろ。
頭上を走る暴力的な光の奔流が収まったとき、俺はヴリトラの顔の鱗の一枚一枚を見分けられる位置まで接近できていた。
「避けたか。」
俺を目で捉え、ヴリトラが鋭利な牙を僅かに見せる。
「お前は避けられるか?……鳴動せよ!」
走りながら返し、天岩戸以外の、パンドラの箱を含めた全ての神器を魔法で操って周囲に浮かべ、俺はミョルニルを両手で肩に構えるなり大声で叫んだ。
「なんと、我が言葉を解するのか!」
驚きの言葉を漏らすヴリトラ。その目が微かに見開かれたような気がしないでもない。
「ミョル……「ハァァッ!」ぐぅっ!」
雷の槌を振り下ろす直前、空気が凍てついた。
体に張った厚い氷に動きを阻害されてしまう。
「我が魂、貴様の血肉ごと頂こう。」
そして俺の目の前でヴリトラの巨大な口が開かれた。
唾の糸を引く鋭い牙を何千何万と上下に並べ、湿気た生暖かさを漂わせる、赤黒い壁がゆっくりと迫ってくる。
頭を回し、俺はパンドラの箱を素早く右へと飛ばして十分な距離を取った位置でその蓋を開かせた。
ピタリとヴリトラの動きが止まる。
俺と魂と、どちらを取るか逡巡しているのだろう。
その一瞬が欲しかった!
「……ニル。」
その間に両手の握力を緩めれば、黄金の波動を放ち出した槌がそこから滑り出、勢い良く上昇する。
他の神器もその後に続き、直後、轟音が空気を引き裂いた。
「ガァッ!?」
そして俺を一噛みで穴だらけにするところだったヴリトラの上顎は、俺を覆う氷を削り、目の前で勢い良く閉じられる。
その鼻の先の、砕け、焦げた鱗は目の前で瞬時に修復された。
直後、体を覆う氷が砕け、俺はすぐに神器を周囲に集めて前へと走り出す。
鼻の上の奴を噛み砕けはしまい!
「くっ、小賢しい!だが何をしようと同じこと!ハァァッ!」
再び強い冷気がヴリトラの体から発される。
しかしこの技は既に三度目。しかも来ることは予想できていた。
走る足場を大きく広げれば、氷はそれに張るばかりで俺にはまだ届かない。
跳び上がり、氷結していく足場を消し、中折れの刀を逆手に握って叫ぶ。
「奪え!天羽々斬!」
そしてそれをヴリトラの鱗の隙間に刺し込めば、その下を流れる古龍の血は巨大な刃となってヴリトラ自身の上下の顎を貫いた。
「グゥッッ!?」
口を開けなくなった古龍が呻き、その間に俺はブレスを完全に封じようと大剣ヴルムを掴む。しかし突然足元が大きくうねったことでバランスを崩され、
「く、黒銀!」
俺は勢い良く迫ってきた硬い鱗に弾き飛ばされた。
「ごふっ!?」
岩盤に体当りしたような錯覚を覚えた。
大きく後ろ向きに飛んでいくも、何とか姿勢を直して空中に着地。しかし脳を少し揺らされたか、足元がフラついてすぐには立てない。
……巨大ってだけでこんなに厄介だとは。
「ネクロマンサァァァァッ!」
と、目の前で雲の間をとてつもない速さで泳ぐヴリトラの声が夜空を轟いた。
その顔は今は雲の上で確認できない。
……天羽々斬が抜けたか。
すぐに神刀をこちらに引き寄せるも、瞬間、俺の真上の雲から白い光が漏れた。
ブレスか!
それに答えるかのように暗雲に穴が空き、極太の光の柱がそこを通ってこちらへゆっくり降りてきた
直視できない程眩しいそれから逃げるため、魔装1を展開。
[コテツ!落ちろ!]
そこで、そんな声が聞こえてきた。
この声は……
「ラヴァル!?」
[ああ、だが質問は後だ。今は早く落ちて来い!]
「了解!」
応え、足場を真上に回して俺の体ごと反転させ、鎧を纏った足で強く蹴って彗星のごとく落下。
そして真下に見えた見覚えのある半透明の結界でラヴァルの意図を理解した俺は、結界の内側ギリギリで足場を作って落下を止めた。
「こいつで本当にあれを防げるんだな?」
[私が魔法陣を書き間違えてなければね。]
天羽々斬を回収して再び周囲の神器と一緒に浮かべ、結界越しに見える真上の白い光線を睨みながら聞くと、ニーナがそう答えた。
「……不安が増したぞ。」
[なっ!?]
[私が確認した、問題ない。]
「ならいいか。」
そして、表面に受けた如何なる魔法も全て魔素に分解するという結界に、ヴリトラのブレスが着弾した。
ファーレン島全体を照らす程に眩しい、あまりにも強い光と、もし結界を破られたらという不安で目を閉じてしまう。
しかし、待てどもなんの衝撃も襲ってこない。
薄目を開ければ、空から降りる太い柱の足が結界の表面で無数の煌めく粒子となり、滝のように俺の周りを落ちていくのが見えた。
……ニーナの奴、本当にヴリトラのブレスを防ぎやがった。
「助かった!」
教師証に越しにそう言って、俺は神器を周りに浮かべたまま、再びブレスで明るくなった空を全力で駆け上がる。
真っ白な柱は次第に細くなって消え、暗い夜がまた戻ってきた。
「またもや凌いだか!」
雲に空いた穴から金の瞳が見下ろしている。
それを睨み返しながら走り続けていると、低い唸り声のような音が右手の遠くから聞こえてきた。
遅れ、ヴリトラの長い尾が夜闇にまぎれて勢い良く横薙ぎされてきていたのに気が付いた。
相変わらずの巨大さに似合わぬ速度。
避けるには気付くのが遅過ぎた!
「くそっ!」
悪態をつきつつ双剣を抜き、すかさず龍泉を真上に投げる。
「応えよ!太阿!」
転移するも、凶悪な鈍器と呼んで差し支えない尻尾はしっかりと方向転換し、俺の右斜め下から襲ってきた。
龍泉を掴み、腰を強く左に捻る。
背を反らせて肉薄してくる尻尾の硬い鱗に全神経を集中させ、腰の捻転の力を解放。鱗の間の細い隙間に正確に龍泉と太阿を切り入れ、全力で下方へと押し、俺は自身の体を上に跳ね上げさせた。
横回転する体は、尻尾の攻撃範囲の少し上をギリギリで通過。
足場を作って着地し、事無きを得たと安心しかけたところで、今度はヴリトラの顔が勢い良くこちらへ迫ってきていた。
見る間に加速してくる中、古龍の口が少し開き、獰猛な牙がチラと覗く。
「速いなぁ!くそったれ!」
重力を用いて実現される速度に舌を巻き、俺は真横に走って突撃してきた大質量の塊を何とか紙一重で回避。
クラウソラスを掴み、真横をジェットコースターのようにゴウと風を鳴らしながら通り過ぎるヴリトラへそれを突き刺そうとした瞬間、俺の体を雷が撃ち抜いた。
「がぁぁっ!?」
火花が弾け、鎧に深くヒビが入る。
数メートル吹き飛ぶんだ俺は素早く作成した足場に背中から着地した。
体の動きが鈍い。
……ヴリトラの奴、後出しで体に雷を纏いやがった。
「これならばどうだ!」
声が響き、またもや光が辺りを照らした。
仰向けの俺の目に、見えない波が押し寄せるかのように白く染まっていく夜空が映る。
くそっ!下からか!
魔力も用いて何とか立ち上がれば、恐るべき破壊力を秘めた強烈で美しい光の束が、こちらへ勢い良く登って来ていた。
押し退けられた大気が暴風となって吹き荒れる。
それに煽られそうになりながら、俺は左前腕を――そこに嵌めた盾を、迫るブレスへと向けた。
「遮断せよ!天岩戸!」
唱えれば、目の前に黄金の盾が出現。
直後、俺は真っ白な空間に閉じ込められた。
……不味い。
金の盾より遥かに太い極光は全て防げる筈もなく、盾の縁から漏れた光が俺の上下と左右を塞いでしまった。
盾に衝突した物も、丸みを帯びた表面に沿うように広がって外側の光と合わさり、神々しい程の白をさらに強くしている。
振り返れば、眩い光線が背後で再び一つとなり、俺から逃げ道を奪っているのが見えた。
こうなるとヴリトラの息切れを待つ他に方法がない。
この視界を埋め尽くす白が途切れた時、尻尾の攻撃がどこから来るかをまず真っ先に突き止め……。
ピシリ、と金の盾に大きなヒビが入った。前腕に嵌められた岩の盾の同じ位置が削れ、弾ける。
……嘘だと言ってくれ。神様の攻撃を防いだんじゃないのか?
願いも虚しく、今のヒビを革切りに金の盾は明滅し出し、天岩戸そのものも振動し始め、俺に否応なく嫌な予感をさせる。
小さく盾が欠けた。
小さく肩が抉れた。
それでも盾を構えたまま、右手で左胸を鎧の上から抑え、歯を食いしばる。
金の障壁はヒビ割れ、欠けていくだけでなく、ついには虫食いのように大小の穴まで穿たれ始め、そして天岩戸は完全に砕け散った。
「頼むぞ……アリシア。」
後ろへ流れていった神器の破片を尻目に呟く。
そして俺が白に呑み込まれた瞬間、鈍い光が右手に守られた左の胸から放たれた。
肌が裂ける端から修復され、肉が削られるや否や再生される。しかし止まない光線はそれらをまたもや切り裂き削ぎ取り、激痛を伴ういたちごっこが俺の体の各所で行われる。
「グゥゥゥウウッ!」
歯を食いしばったまま唸る。
歯が欠けた。
しかし噛み直せば既に元に戻っていた。
スボンの下は無事。ゲイル、良いものをありがとう。
そしてヴリトラはようやく満足したらしく、破壊の速度が徐々に弱まり、光の柱は細く、弱くなっていく。
それが完全に消えたところで、俺は足場を作り直してそこに膝を付いた。
「はぁはぁ……なん、とか。」
肩で息をしながら魔素の流れを止めると、体中の傷を治してくれていた、無色魔素のみで構成された無数の小さな魔法陣が消え失せる。
「……くはは、流石だ。」
笑い、俺は左胸に深く刻まれた、巨大な蜘蛛の巣のような幾何学模様から右手を離した。
しかし、そこで安心するのは早計だった。
「ああ!ようやく我が力は完全となる!」
響いた声は真下から。
「くそっ!」
焦り、パンドラの箱をそれに纏わせていた黒色魔素を操って一気に引き寄せるも、蓋は既に開けられ、中身は空。
やられた……。
「……これは、どうなっている?」
しかしヴリトラの高笑いが聞こえてくるかと思いきや、聞こえたのは呆然としたような声。
変な記憶でも見えたのか?
『違うの。おそらく何も見えなかったんじゃろ。地の魂片は数百年もの間、密閉された箱に囚われ、ただ力を抜き取られ続けておっただけじゃしの。』
……変な記憶の方な何倍もマシな気がするぞ?
『じゃな。』
「ああそうか、そういうことか。……くく、ふははははははは!ここまで愚弄されたことは初めてだ!……我が魂をただの道具として使い潰そうとは!許さん!」
不味いな、キレやがった。
「まずは貴様からだ……ネクロマンサー。」
ゆっくりとヴリトラの顔がこちらを向く。
俺は神器を周囲に浮かべ直した。




