戦況
「鳴動せよォッ!」
雄叫びを上げ、ツェネリミョルニルを高く掲げれば、その先から放たれた雷撃周囲の敵を薙ぎ払う。
そして雷の撃ち漏らした相手は、戦場の真っ只中で暴れる巨大なゴーレム達の重い一撃に吹き飛ばされていっていた。
見た目はやはり雷が派手ながら、総合的に見ると、ゴーレム達の与えている被害がより大きい。
まぁそれも当然と言えば当然。
何せ巨大な氷や岩でできた身長5メートルは下らない彼らは、生半可な攻撃ではビクともせず、逆に彼らの放つ攻撃は体を掠めるだけで致命傷となってしまう。
加え、たとえ体の一部が壊されたり崩れたりしたとしても、すぐさま修復されてしまう上に、ならばと彼らを拘束すれば、また別の場所で新たなゴーレムが作り直され暴れ出す。
そんな相手、厄介でない訳がない。
この厄介さの主な理由は、戦場のゴーレム達が城壁の上で奮闘している物と違い、魔術ではなく魔法によるものであるから。というのも、彼らを操っている魔法使い達がファーレン城の2階の窓から戦況を眺めているため、戦況に合わせた柔軟な挙動をゴーレム達に取らせられるのだ。
もちろん敵も馬鹿ではなく、ゴーレムの相手は不毛と判断して術者を直接叩こうと城の2階へ空を飛べる敵が殺到している。
が、しかしバーナベルの率いる教師部隊がそこの守護にあたっており、敵の侵入を未だ許していない。
ちなみに魔法使い達にはシーラが、教師部隊にはルナが、それぞれ加わって頑張っていたりする。
一方、空を飛ばずとも、ヴリトラ勢がゴーレムに対処する方法はある。
……自らもゴーレムを作れば良いのだ。
そのため、俺がツェネリの加勢に出たとき、戦場の至る所では崩れた端から修復される巨人同士の終わらない殴り合いが行われていた。
つまり、ツェネリは実質たった一人で数百人の黒ずくめの相手をさせられていたのだ。
しかし度重なる雷が敵勢を3m後退させ、次の落雷が襲う間に黒い波が5m自身に迫ってくる中、一歩も引かずに立っていたツェネリが敵に切り込もうとした俺に出した指示は、彼の援護でも手助けでもなく、敵のゴーレム使いの索敵と始末。
そのままツェネリが倒され、城に敵が雪崩込めば大惨事になるとは思ったものの、彼の指示通りにゴーレムの上を飛び回って3人殺し、3体のゴーレムが文字通り土に帰り、結果自由に動ける味方のゴーレムが3体に増えると、形成は一気に逆転した。
ゴーレムがこちらの攻勢に再び加わったため、敵の数はもちろん減り、その進軍速度も格段に落ち、ツェネリはかなりの余裕をもってミョルニルの雷を落とせるようになったのだ。
この世界の戦争の鍵はゴーレムであるということに気が付くまで、そう時間はかからなかった。
「……そこか!」
氷の巨人と相撲のように組み合った味方の岩製ゴーレムの肩から横へ飛び、引き絞った弓を空中で構え、上下逆さの体勢を気にせず、つがえておいたグジスナウタルをそのまま放つ。
両手を上げ、何やら叫びながら氷のゴーレムを操っていた黒ずくめの魔法使いは口を白銀の矢に射抜かれて背から落ち、ただの置物と化した氷のゴーレムは味方のゴーレムに突き飛ばされて倒れ、後ろのヴリトラ教徒共をその質量で押し潰した。
「ふぅ。」
空中側転を成功させ、二本の足で着地し、一呼吸。
「うりゃぁぁ!」
それを隙と見たか、敵が目の前から走ってきて俺に片手剣を振り下ろそうとし、
「へぷ!?」
相撲相手がいなくなって自由となったゴーレムに剣ごと叩きつぶされた。
……正直グロい。
「ま、ありがとな。」
と、取り敢えず遠くに見えるファーレン城の2階を向いて苦笑いしながら呟き、軽く手を振った瞬間、鋭い声が飛んできた。
「後ろだコテツ!」
視線を落とすと、バーナベルが如意棒片手に全力疾走してきていた。
素早くに後ろへ目を向ければ、別のゴーレムが俺に岩の拳を繰り出すところ。
「黒銀!」
即座に体を黒く染め上げ、俺が掌をそちらへ突き出した直後、重い衝撃が肩を襲う。
肘を曲げるだけでは受け流しきれなかった力は俺の踏ん張る足に草地を削らせ、さぁ押し返してやろうと俺が足を踏み出す直前、目の前の拳型の巨岩は粉々に砕けた。
砕いたのは金の装飾の施された赤色の棒。
支えを失い、前へ倒れるゴーレムの懐に走って潜り込んだバーナベルは、その巨人の腰辺りに如意棒を宛てがい、
「伸びろッ!」
そう叫んだ。
すると半ばうつ伏せになっていたゴーレムはそのまま十数メートル上空へ突き上げられ、バーナベルが如意棒を縮ませると、そのままヴリトラ教徒の集団に特大のボディプレスを行った。
岩の破片が周囲に飛び散り、俺の硬化した肌にもいくつか当たる。
ゴーレムに再び起き上がる様子が無いことから、術者もボディプレスに巻き込まれたよう。
「ははは!いらん世話だったか!まさかゴーレムの攻撃をまともに受け止めるとはな!?」
如意棒を肩に担いでバーナベル豪快に笑う。
にしてもゴーレムってあそこまで飛ばせる物なんだな。……ゴーレムのパンチを完全に受け止めきったことで内心喜んでいた自分が悲しくなる。
いや待て、そんなことより!
「おいバーナベル!魔法使い達の守りはどうした!?」
戦いの中で削れた草地から足を抜いてバーナベルに詰め寄ると、彼はスッと笑いを引っ込め、代わりに真剣さを顔に浮かべて口を開いた。
「敵の一人がな、これからの計画を教えるから助けてくれって命乞いをしやがった。」
「命乞いをしたのか?ヴリトラ教徒が?」
「そこが違ぇんだ。」
聞き返すと、バーナベルは首を横に振り、側で倒れていた敵の黒ローブの袖を如意棒で捲る。
するとそいつの手の甲に描かれた単純な円形模様が顕になった。
「こいつら、半分はヴリトラ教徒なんかじゃねぇ。……奴隷だ。」
「奴隷?……ああ、数を水増しした訳か。」
ヤケに多い訳だ。
「そういうことだ。で、そいつがそろそろ強力な武器を持った本隊が来るって言ったから、俺はあとのことをお前の奴隷のルナベインに頼んでこうして降りてきたって訳だ。」
「強力な武器ね……神器か。」
……来るのか?アルバート。
「ああ、だろうな。……お、分かりやすいな!あそこか!」
バーナベルが指差した方を見れば、ゴーレムが宙を飛んでいた。
その大きさがだんだん大きく……ってこっちに落ちてきてるのか!?
素早く腰のベルトに手を回し、いつの間にか3本に戻ったグジスナウタルの内の1本をつまむ。
しかし、弓矢じゃあまり効果はないと思い直し、弓を構える代わりに呟いた。
「……頼む。」
「流石にあれは一人で受け止められねぇか!ははは、伸びろ!」
槍を突くように、長さを一気に伸ばしていく如意棒を笑うバーナベルが踏み込みながら両手で突き出せば、飛んできていたゴーレムは勢いを失い、真下の黒ずくめ達の上に落ちた。
すぐさまバーナベルが駆け出し、俺もその後に続く。
「バーナベル、向こうが持ってる神器で俺が知っているのは、使用者の身体能力を上げる盾と、打ち合うだけで相手の武器と体を凍り付かせる大剣の2つだけだ。お前が尋問したっていう奴は何か言ってなかったか?」
「いいや、詳しくは知らねぇんだと。ただ向こうが持ってる武器が4つだとは言ってたぜ。」
ゴーレムの飛ばされた方向へ走りながら聞くと、バーナベルはそう返答し、片手に握った如意棒の先に薙刀の刃の形の氷を作り出した。
……まさかそんな使い方があったとは。
「見つけましたよ!ネクロマンサー!」
変に感心していると、低く馬鹿丁寧な声が聞こえてきた。
耳を頼りに視線を移せば、ファーレン城壁の上に立つヴリトラ教徒が俺を指差していた。
たった一人の彼の周りには、魔術製ゴーレムの姿は一つも無い。おそらく全てやられてしまったのだろうと推察できる。
でもどうしてゴーレムの作成が止まったんだ?……ニーナに何かあったのか!?
走りながら首の教師証を掴むのと、並行して走っていたバーナベルのいた位置に城壁の上にいた黒ずくめの男が立つのは同時だった。
「バーナベル!?」
片足で急ブレーキを掛けて振り返り、体当たりで吹き飛ばされ、尻もちをついたバーナベルが如意棒を頼りに立ち上がるのを見て胸を撫で下ろす。
「人の心配をしている場合ですか?」
「っ!?」
と、目の前に現れた男から幅広の大剣が振り下ろされ、それを咄嗟に弓から変形した陰龍で防ぐと腹を強かに蹴り飛ばされた。
「ぐぉっ!?」
予想以上の衝撃にうめき声が漏れる。
背が地に着くなりすぐに転がって立ち上がれば、片手に波打つ刃を持つ大剣――フランベルジュだったっけ?――、そしてもう片方に石を切り出したまま流用したようなゴツゴツした盾を装備した黒ローブの男が立っていた。
フードを外した顔には柔らかな笑みを浮かべているが、そのあちこちに刻まれた傷跡や側頭部から生える半ばで折られている角が戦闘経験の長さを教えてくれる。
……剣を受け止められた直後の牽制の蹴りでさえ、鉄塊をあっさり打ち抜くこの威力。そして左右の装備の見た目の差。
もしかして……鑑定!
name:天岩戸
info:天照大神の加護を受けた岩。かつて天照大神が洞窟に身を潜めた際、彼を外へ出そうと八百万の神々の行ったあらゆる攻撃を弾き、彼らに絡め手を使うことを余儀なくさせた。使い手には力の付与が行われる。
「……天、岩戸か。」
予感は当たった。
しっかし引きこもるためにわざわざ岩に強力な加護を与えるとかアホじゃないのか?まぁ引きずり出すために攻撃したっていうその他も度し難いけれども。
『罰当たりめ。』
へいへい。
爺さんに生返事を返しながら教師証を再び掴む。
「これを知られていましたか。しかし私もあなたのその魔剣は知っていますよ。姿形を自由に変え……」
うん、魔剣って言ってる時点で全然分かってないなあいつ。
「バーナベル、大丈夫か?」
「ああ、この程度、屁でもねぇ。」
何やら俺の“魔剣”の能力をつらつらと話し出したそいつを尻目に呼び掛けると、バーナベルは立ち上がって薙刀と化した如意棒を構えた。
「しばらく任せられるか?応援を呼ぶ。」
神器持ち4人相手に2人は心もとない。せめて人数を合わせたい。
「俺が勝っちまう前にしてくれよ?」
「くはは、ああ、頼む。」
頼もしい物言いに笑い、教師証を掴み取る。
呼ぶのはニーナだ。あいつからなら教師全員と連絡が取れるし、ゴーレムの作成が中断した理由も知りたい。
「一人で十分ですと?くく、舐められたものです。分かりました、あなたからですね?オォッ!」
と、そう言って天岩戸の使い手がバーナベルへ向けて一気に加速。振り下ろした大剣はしかし薙刀の刃にいなされバーナベルの目の前の地面に刺さる。
「パワーはすげぇが、それだけだ。ハァッ!」
そして如意棒を蒼白い光が纏った次の瞬間、薙刀が上に切り上げられた。
「この盾の前には無力!」
逆袈裟気味の斬撃は胸の前に構えられた岩の盾で防がれ、同時に敵の大剣にスキルの光が宿る。
「伸びろッ!」
しかし大剣が振り回される前に、振り上げられた薙刀の尻が急激に伸び、敵の顎をモロに打ち上げた。
「がっ!?」
「盾に当てなきゃいいんだろ?」
上に持ち上げられた如意棒はそのまま水平に回転し初め、氷の刃が上を向いたヴリトラ教徒の喉を狙う。
「この、程度!」
しかし大剣の大振りで如意棒は弾かれ、
「お、そっちで防ぐか!」
「ハッ!」
仰け反った姿勢を戻す勢いで踏み出しながら、敵はバーナベルの脇原に拳を入れた。
「ごふっ!?パワーは、すげぇな……やっぱ。」
「デァァッ!」
怯んだバーナベルへ向け、スキルの光を帯びた波打つ大剣が大上段から振り下ろされる。
「ほらよ。」
対するバーナベルは薙刀の刃を消し、如意棒を地面に突き立て、迫る斬撃を上に向けた棒の一端で受けることで相手の力を全て地面に流した。
「くっ!?」
「岩盤貫きィッ!」
そしてがら空きになった腹部をバーナベルの鋭い貫手が襲うも、その纏った蒼い光が肌に触れる寸前、相手は大きく下がって一撃を避けてしまう。
「……やりますね。」
「ハッ、うちの一年坊よりできねぇ奴に言われてもなぁ?」
如意棒を蹴って浮かせ、バーナベルは挑発しながらそれを掴み取る。
「「ォォオオオ!」」
そしてどちらからともなくすぐに距離は詰められ、彼らは再び激しい打ち合いを演じ始めた。
「……くそっ、遅い。」
悪態をつく。
さっきから魔素を流し込んでいるってのに連絡がつかない。魔法陣が起動しないのだ。
ったく、何やってるんだか。
さらに数秒待ってからニーナを諦め、代わりにラヴァルを呼び出すと、彼のホログラムがすぐに浮かび上がった。
「……コテツか。」
聞き慣れたはずの厳かな声に、少しだけトゲを感じた。
まぁ今は気にしてられん。
「ラヴァル!神器持ちが出てきた!4人いるらしいから、カダと一緒に応援に来てくれ!あとゴーレムの作成が止まって、ニーナと会話する魔法陣が起動しない!何かあったかもしれん。すぐに理事長室に……」
[コテツ、ニーナならば治療室で、私の目の前で寝ている。意識はないが、命に別状はない。]
……は?命に、別状?
「……何があった?」
「ゴーレムの生成が滞っていただろう?それを不審に思い、私が理事長室を訪れると、ニーナが背中を斬られ、倒れていた。幸い、死んではいなかったが、ヴリトラの魂片は持ち去られていた。……コテツ、カダには私から連絡しておこう。……私はニーナを斬った輩を突き止め、この報いを必ず受けさせるッ!」
「あ、おい、待て!」
制止は聞き入れられず、ラヴァルのホログラムは消えた。
あいつ、完全にキレてやがる。
にしても、ニーナが斬られた?もう城に侵入されたのか!?
いや、その前に……
「……それで、別の仲間とまた連絡を取ることは許してくれるのか?」
教師証から手を離し、イヤリングへ右手を当てながら、ラヴァルと話している間ずっと背後に立っていた敵へ聞く。
「あら、気付いていたのね。」
「どうなんだ?」
振り向くとそこには、黒ローブが美的センスに合わなかったか、漆黒の衣装を着た女性がいた。左腰に吊った刀をいつでも抜刀できる体勢になっている。
「その余裕があるのなら、どうぞ。」
「ハッ、そうかい。……おい、聞こえるか?」
鼻で笑い、念話を開始。
[コテツさん?]
呼んだのはアリシア。
「ああ、今どこにいる?」
[えっと、皆さんの治療が終わったので、治療室で待機してます。]
「そうか、ちょうど良かった。なら……」
「ッ!舐めるなッ!」
普通に話し始めたことに堪忍袋の緒が切れたか、彼女は一気に距離を詰め、そして俺を間合いに入れる前に突っ転けた。
「えっ!?」
「敵が後ろにいたってのに、何も準備してない訳がないだろ?」
タネは昔なつかし草結び。今思えば子供の俺ってとても危険な罠を作ってたんだなぁ……。
地面からさらにワイヤーを伸ばし、相手の体を地に縛り付けながら、太阿を逆手に持って振りかぶる。
しかしそれを振り下ろす前に、女が叫んだ。
「揺らせ!」
赤い光が輝いたかと思うと、地面が大きく盛り上がり、
「……ムマガカマル!」
波打った。
「うぉぉっ!?」
堪らずバランスを崩してしまうも、素早く後ろに飛んで距離を取り、ゆっくり立ち上がる黒衣の女の左手に握られた輝きを失った短剣を睨み付ける。
……鑑定!
name:神剣ムマガカマル
info:戦争神カマルの加護を受けた短剣。刀身で受けた力を完全に吸収し、使用者の意思でその力を刃に触れた物へ押し付ける。力が溜め込まれるほど、纏う光は強くなる。
……あれが敵の2つ目の神器か。
「アリシア!とにかく、治療室を守る教師達に警戒を緩めるなと伝えておいてくれ。後で話そう!」
[は、はい、分かりました!待っています。]
アリシアに伝え、腰から龍泉を抜き放つ。
ニーナがいつ起きそうなのか聞こうと思っていたんだけどな。誰に切られたのかもしかしたら見ていたかもしれない。
ま、後ででも問題ないか。
「久しぶりね。」
「は?」
臨戦態勢に入った直後、唐突に呼び掛けられて間抜けな声が出た。
「あら忘れたの?薄情ね?私は忘れたくても忘れられないわ。あなたには歯を砕かれて、私が使う筈だった草薙の剣まで奪われたのよ?」
「あー、あのときの。……そういや一人取り逃がしたな。」
そうかこいつ、草薙の剣をヴリトラ教徒共から奪い返すとき、最後の最後で仕留め損なった奴だ。
「ったく、あのままこそこそ逃げ隠れしてればいい物を。」
「良かった、思い出したのね。……あのときの雪辱、今こそ果たす!」
それまでの余裕のある笑顔から一転、憤怒の形相となった彼女は右手で刀を抜き放った。
現れたのは切っ先のない、半ばで折られたような刀。
欠陥品?いやいやまさか……鑑定。
name:天羽々斬
info:堕ちた神スサノオノミコトが八首の竜を斬った際に折れ、代わりにその竜の凄まじい再生能力を受け継いだ刀。血を吸い、作り上げる刃は欠けた刀身を補って余りある。
……神器3本目、と。
「貴方達!まずはネクロマンサーを殺すわよ!」
「「「はっ!」」」
そんで手下と一緒に襲ってくるのかい。
ったく、騎士道精神の欠片もないな。
『お主が言うか。』
ハッ、楽をしたくて何が悪い。
『はぁ……。』
さて、ここはファーレン城から遠すぎて、ツェネリの奮闘にのる落雷は聞こえてくるものの、その姿は拝めない。
ラヴァルがもうカダを呼んでくれていたとしても、ここには流石に間に合わないよなぁ……。
「ま、やるしかないか。……はは。」
双剣を握ると思わず笑みが溢れた。




