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通常運転ですがなにか?  作者: 名城ゆうき
第零章:プロローグと彼らが家族になるまでのダイジェスト
7/30

……通常運転で行きます

 コンコン


 と。


「常葉、喉乾いたかと思ってお茶の用意したんだけど……えっと、取り込み中、かな?」


 ノックとともに遠慮がちにこちらを覗いてきた青年、こちらは次男のおさむ兄。

 ……ちょっと祐兄に視線を向けられたからってビビらないで修兄さんよ。兄の威厳はいずこ?あ、この方はなくても凄かったんだった。


「うん、ちょっとそろそろちゃんと部屋を片付けようかなぁって。あ、そだ修にぃ、一番手っ取り早く部屋を綺麗にする順番とかコツとか教えてください!」

「……おい、てめぇはこの上修兄さんまで」

「とりあえず洗濯物をランドリーバックにまとめて洗濯機に回しながら、床に落ちてるものを全部部屋から出して……」


 指示をくれる修兄の言うとおりにさっさと動く。うん、祐兄が舌打ちした気がするけど気にしない。


 そして15分後。


「……で、これで掃除機と叩きをかけたら終われるんじゃ、ないかな?」


 修兄の指示の元、見事に汚部屋が引っ越し仕立ての時並みに綺麗になりました。

 ちなみに溜めに溜めていた新聞紙や雑誌、個人情報の入った紙や手紙のシュレッダー処理や1ダース以上放置していた空きペットボトルの処理とゴミの分別も、あとはゴミの日出すだけの状態に出来ている。

 あ、やっぱ修兄天才。なにやらせてもこの方見事すぎる。

 

「くっ、修にぃ天才。ありがとうっ」

「そ、そんなことないって。常葉がやる気になったからこんな早く終わったんだよ? あ、あと15分で洗濯機終わるからそれもしようね」


 ……違います。無理です。今のも私一人でやったけど、修兄の指示がなければ脱線しながら2時間はかかったから。もう時間測定済みだから。ちなみに片づけている間祐兄は監督(監視)していただけです。あ、空気換気のため窓は開けてくれていた。そして洗濯機の件は了解です。そういや、凌と祐兄は今はどっか……。


「ご褒美と言ってはなんだけど……はい」


 ぱくっ


「ぬ?」


 ……今、口の前に差し出されたから思わず食べてしまったけど。これは……?

 ちらりと修兄の顔を見ると、ふわりとした笑みに頭を撫でられた。


「あともうちょっとでお掃除終わるから、頑張ろうね」


 ……甘ぇ!超甘い笑顔ナニコレちなみに食べたのは抹茶ボウロでしたがコレは甘すぎずちゃんと抹茶の香り高い風味を損なってない絶品でしたよでもコレ絶対修兄の手作りで且つ私が抹茶好きの和菓子好きというのを考えて用意してくれてその心意気と優しさが超甘いぃぃ!


 つか何雛鳥よろしくぱくっと出されたもん食っちまってんだよ私ぃぃ!


 ぷるぷると悶える私を不思議そうに見ながら更に頭を撫で続けるのはやめましょう。ねぇやめてくださいもう二十歳余裕で過ぎて社会人なんすよ。

 と、一旦沸騰した頭を深呼吸で整えて冷静になる。

 うん、私は無事だ。


「ありがと、あとは自分でやります。とりあえず叩きをしてから掃除機あてる」



ガバッ



「じゃあ俺は可愛い常葉の背では届かない棚を拭いてあげることにしようか!」

「うぎぃぃい!?」


 突然後ろから抱擁とともに頭上から美声が響いてきた。

 だからさぁ。


「いいってゆずるにぃ! つか離せ! あと急に背後に立つな!」

「もー照れちゃって……常葉かわぁいい」


 この美声で甘い言葉をかけているのがラストの長男、譲兄。

 つか、だからさぁ。


「マジで『可愛い』連呼しないで下さいよ譲兄さん」

「ふふ、拗ねてるね。でも仕方がないじゃないか妹が可愛くない兄はいないよ?」

「いや聞いてます? そして離して下さい。早く掃除終わらせたいし、祐兄が見たら怒られる」

「祐が怒ったら俺が守ってあげる。安心して?」

「いやぁだからさぁ……いつまで抱きついてんねん。掃除できない」

「ああ、そっか。それはすまないね。常葉が可愛くてつい」


 このセイレーン男版耳元でしゃべんな、吐息が当たるしまた可愛いって言ってやがるし。

 そんじょそこらの女子だったら失神してるな。まぁ、私は慣れたが。

 やっと解放されて、一息をついて叩きをかけ始めようとしてふと、振り返った。


 …………。


「兄さん、年頃の女の子にくっつきすぎだよ。それにあまり言われたくない言葉を連呼するのも僕はどうかと思う」

「なんだい修。羨ましかったのか? なら君も抱きつけばいいじゃないか。それに俺は本気で常葉が嫌がったらやめる。まぁ、確かに多少?嫌がる顔も見たかったのは事実なんだけどね」


 いや、そこオープンに認めないで。ほんとやっぱSっ気あるよねこのお方。そして修兄さん、心配してくれてありがとう。だから笑顔なのに黒いオーラやめて。


 ……。とりあえず。

 ぱたぱた。


「……その性癖、どうにかしないとこの家にいれなくなるよ兄さん。常葉は優しいし心が広いから許してもらえてるけど、周りからの目を考えたらどうですか?」


ぱたぱた


「周りとは言うけれどね? 修、君が嫌なだけじゃないかい? 普段と違って常葉に関して強気になるのは面白いけど、それを常葉が言うならともかく修が言うのも……ねぇ? やっぱり嫉妬かい?」


 兄さん、おい譲兄さんよなぜわざと煽るようなことを言う。

 段々修兄さんが敬語になってきてるじゃないか。コレ、完全に敬語になったらものすごく怒ってる証だからね。めっちゃ秒読みだから怖いんだから怒ると修兄さん怖いんだから。


ぱたぱたぱた


「……兄さん、しつこいですよ。僕を怒らせたいんでしょうか」


ぱたぱたぱたぱた!


 怒ってるうぅぅぅ!

 なんか窓が共鳴してびりびり鳴ってんすけどおお!?


「いやいや、普段自信のない弟が強気になるのは見ていて面白いし、これも兄の愛情表現だ。……くっ」


ぱたぱたぱたぱた!


 なぜそこで笑うぅぅ!?

 つうか、笑うつうか目の色翡翠色に変わってんじゃん譲兄様ぁ!


「……そんな歪んだ愛情表現なんて気持ち悪いだけですね」


ぱたぱたぱたぱた!


 にやぁあああああああ!!!

 修兄ぃ!!笑わんといて笑わんといて笑わんといて!その暗黒笑みプラス目が変わってます!薄氷色がコワイって!


ぱたぱたぱたぱたぱたぱたぱたぱた!!

ぷちん!


「もおいい加減にせんかあああああああ!!」


思わず彼らにハタキを投げつけておりました。


「邪魔やから二人とも出てけ! あと喧嘩するなら家じゃなくて異次元やらどっか人の迷惑がかからん所でしろや!」



ばたん!



 はぁはぁはぁはぁ。


 やっと静かになった。

 つーかなんでこうなる。

 とりあえず、片づけよう。掃除機あてよう。なんかハタキせんでも埃が舞い落ちたし。……あの方々の霊圧つうか、風圧つうかで。


 そして10分後。


 コンコン


「はい?」

「姉ちゃん入るよ」

「はいはいどうぞー」


 入ってきたのは一実だ。ちょっと心配そうな顔で遠慮がちに話しかけてくる。


「掃除、終わった?」

「うん、ちょうど終わったとこ。キレーになったでしょ!」

「うん、お姉ちゃんの部屋が生まれ変わったね」

「……おい。まぁ、わからんでもないが」

「で、お姉ちゃん大丈夫?」

「ん?」

「怒ってない?」

「んあ? あぁ……譲にぃ達のこと? まぁいつものことだし。これでなんか壊してたらちょっとまだ怒ってたけど」

「……姉ちゃんお疲れ様」

「うん、なんか、騒がしくしてごめんね」

「オレは別にいいよ。……あのヒトら心底ウザい時あるけど」

「まぁ、兄バカをこじらせてんだよ、あのヒトら」

「……嫌になったらいつでもここを出てもいいんだからね? オレ、姉ちゃんと二人暮らしもいいと思ってるし。……兄ちゃんの所は新婚だしお邪魔しにくいから」

「二人暮らし、悪くないんだけどね。……なんか泣き着かれそう。というかそうなったらそうなったで借りた部屋の隣りに越してきそうで怖いね、はは」

「……あのヒトらならやりかねないな」

「ははははは……」

「そうならんように周りの住人とか下手に出来ない人物で固めて、人外に効く結界の張り方とか片吹さんに……」

「いや、一実真剣な顔で突然思考に没頭しないでつうかハイライト、目からハイライト消えてるから!」

「うん、そうだ。まずは兄ちゃんに相談やね」

「ちゃう!ちゃうから! 兄ちゃん召喚したら笑いごとで済まんから!」

「うん、まぁそれは……最終手段ダヨナー」

「デスヨネー」



 まぁこんな感じで日々を過ごしています。


 最後に一言。

 結構心臓にわりぃぞこの兄弟(兄、知種と一実も含む)。

 

 でもま、問題ない。

 通常運転で行きますがなにか?



とりあえず、ダイジェスト版みたいな感じで一度締めくくりました。

次にネタバレページです。

色々と設定というか、裏設定というかを書いてます。


その次に会話形式で、会食以後の話に入ります。

ちょっとネタバレは遠慮したい方は、次回飛ばしてください。

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