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通常運転ですがなにか?  作者: 名城ゆうき
第一章:今日から同居します(一日目)
13/30

⑤やっとわかりました(by三人目)

「なにこの館、マジアトラクション(若干目が虚ろになりつつある常葉)」

「いやぁ、外から見た時ちょっとデカイなとは思ったんだよね(ちょっと乾いた笑みを浮かべる一実)」

「なにこの迷路……って言うか、ちゃうやん。ちょっと大きそうが、それどころじゃないとか。目の錯覚?」

「いや、普通に広いんやと思うけど。……別に同じとこぐるぐる回ってもいないし」

「しかも純和風家屋だと思いきや大正浪漫も入ってるとか……後半はお母さん好みだな」

「姉ちゃんは純和風の方が好きやもんね」

「うん!大好き! 落ち着くし、和風らぶ!」

「はしゃぐなって……」

「我が部屋は和室を希望! もしくは二段ベッド以上がある部屋! もちろん一番上、もしくは真ん中は私が頂く!」

「誰と相部屋になる気だよ。俺とか?」

「お前の部屋に二段ベッドがあるなら寝る時だけお邪魔するよ」

「なんでだよ(笑)」

「というか、どうしようかねーコレ。そろそろマッスル常葉は腕が疲れてきたよ(手元のダンボールを見る常葉)」

「マッスル姉ちゃんでもダメか……(笑いながら手元のぬいぐみをぽすぽすなでる)」

「……(一実とぬいぐるみを見て真顔になる常葉)ちょっと持ってくんない?」


「おいお前ら」


「はい?」

「え?」


「どこに迷い込んでんだ。父さんから何か聞かなかったのか?(不遜な態度の青年が鋭い眼光で常葉達を見る)」

「えーっと……(若干怯えながらちらりと常葉を見る)」

「うん、特に何も聞かなかったよね? 一実?」

「え、うん。空き部屋を好きなように使って下さいってだけ……(― あの眼光になんとも思わない姉ちゃんすげぇ!? ―)」

「まさかこんな広いと思わなかったから……間取り図をもらったらよかったね(― ははー、一実超びびりすぎー、ウケるわー。とでも思わねぇとこの姉だってビビって会話できねぇんだぞ ―と、一実を見ながら苦笑する常葉)」

「ったくあの爺(舌打ちをすると常葉達に向き直る青年)……おい」

「はい、常葉と言います(にっこり爽やかな笑顔で振りむく常葉)」

「お前らの部屋はそっちじゃねぇ。来い」

「はい、こちらは弟の一実です。宜しくです(手で一実を指しながら頭を下げる常葉)」

「……(ちらりと常葉と青年を交互に見る一実)」

「………(眉をひそめながら二人を見る青年)」

「(にっこりと笑いながら)ふっつか者ですが、これから宜しくお願い致します」

「…………(眉間に指を当ててからため息をつく)高見澤たかみざわたすくだ」

「あ、宜しくお願いします(慌ててお辞儀をする一実)」

「……あと、荷物、貸せ。んな重いもん女が持つな」

「「………(互いに顔を見合わせる一実と常葉)」」


― この人なんか、まとも!? ―

― だな。びっくり。 ―


「ありがとうございます、祐さん!(笑顔で顔を向ける常葉)」

「………(ぴくりと眉を動かす祐)」

「あ、私より年下なんだっけ? 確か一実と同い?」

「だったっけ?(祐の反応にびびりながら常葉と祐を交互に見る一実)」

「………(さらに眉をしかめる祐)」

「じゃあ改めて、宜しくね、祐」

「え、呼び捨て?(― 姉ちゃんこええぇ! 怖いもの知らず過ぎてこえぇ! ―)」

「や、君付けは私に似合わんから(顔の前で手を振る常葉)」

「いやいや、むしろ外見大人しそうでお似合い(顔の前で手を振る一実)」

「だが中身はこんなだ、残念(非常に遺憾な表情をする常葉)」

「自分で言うなよ」


「お前ら……」


「うん?(素で振り返る一実)」

「なに? 祐?(同じく振り返る常葉)」


「……………………(眉間に指を当てて溜息をつく)。……案内いらねぇのか?」





とりあえず黙ってついて行きました。



「姉ちゃん、俺、あの眼光怖いわ」

「さよか?」

「姉ちゃんすげぇな」

「なにを言う。姉はお前に負けず劣らずチキンだぞ、ほら(プルプル震える手を握らせる)」

「……顔に出ねぇ姉ちゃんすげぇ」

「それが大人ってもんなんよ…」

「……(こいつらなんなんだ)」


結局黙ってはいない。


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