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摩天楼キッズ  作者: 星入 録
現代忍者六人組
1/1

『現代忍者』の巻

 0

 古の昔に人間が誕生し、文化を築き上げてきた。

 裸と石で獣を追いかけ狩猟していた原始的な文化。そこから文化が派生し様々な地方で独特な文明に発達。

 古代エジプト、ローマなど大きな文明など歴史を追うごとに社会が確立し、技術も日進月歩に進む。


 戦士、騎士、祈祷師、魔術師、祓魔師、錬金術士、鍛冶師、武士、etc...

 文明と共に時代を象徴できる職が歴史を作った。

 しかし皮肉な事か時代によって生み出された特定の職は、年月が過ぎていくと共に古い職は淘汰され時代にあった新たな職が誕生する。


 そういった繰り返しによって現代まで時代が紡がれ、今がある。

 たが、淘汰された職は時代に埋もれはしても、無くなりはしない。一般では非現実的な印象となっても密かに存在するのだ。


 現代においても現実的な認識は薄いけれど確かにある。

 誕生して以来、昔も今までもずっと『影の職』であった日本の古代職「忍び」が。






 1

 現代。

 高度に文明が発達し、資源も豊富な時代。

 技術も便利な程に発達を遂げ、近い時代の100年前と比べてしまっても雲泥の差が出るくらい急激に進化を遂げた。


 街には見上げても見えない程の高層なビルが数々と立ち並び、アミューズメント施設のディスプレイから流行りの音楽が街を満たす。繁華街では深夜だというのに様々な店のネオンや活気で昼のように明るく、また活発に人が蟻のように多く行き交う。

 くたびれたスーツを来た中年の男達は日頃の鬱憤を晴らすべく酒をかっ食らう。夜には似つかわしくない未成熟な学生達は大人の世界に憧れ夜の街を練り歩く。そんな甘い客に目を光らせるキャッチ。質の悪い男に絡まれる派手目な女。


 多種多様な人物が今日も夜の街を動かす。


 そんな夜の街の上方。乱雑するビルの中でも一際高いビルの頂上に複数の影があった。柵も無く下手をすれば即死という場所にも関わらず悠然とその者達はいた。


「今夜も出るはずだ。青、探知は任せたぞ」

「りょーかい」


 リーダー格と思われる帽子を深く被った少年の言葉に後方にいたもう一人のフードを被った少年が頷く。


「はあ…今夜こそいい加減終わらせたいなー」


 その横には柵のないビルの端に足をプラプラと揺らしながら座る少女が言う。彼女もまたサングラスをかけている。あと他にも二人いるが皆身元がわからないよう何かしらで顔をかくしている。


「よっしゃぁぁ!燃えるぜぇぇ!」

「うっせえぞ凱!上に居るからって目立つ行動すんな!…つーか功の奴はどうした?」


 一番後ろで口元までマフラーをしている少女は呟く。


「功は相変わらず足が遅いから…だけどもう着くと思う」

「…ったく、あいつはやっぱ向いてないんだよ俺達に…。とりあえず雨は待機、功が着いたら知らせろ。俺達は先行してターゲットを見つける」


 マフラーの少女は「わかった」と細い声で呟き、他の者はビルの縁に並ぶ。


「では各自散開後ターゲットを捜索。発見次第即報告。全員集合するまで単独での接触は禁止。特に凱と功はな、自覚を持て」

「へいへーい」

 <<ええ…!ちょっと…!僕を置いて先行っちゃうの!?>>


 バンダナの派手めの少年は渋々了解。耳につけてる無線機からは抗議の声が入る。


「だったらもっと速くなるんだな功」

 <<ひっどい、冷たいぞ征!嫌な奴だぞ!>>


 そんな声を一笑してリーダーの少年、征が号令をかける。


「知ってるじゃねぇか、そういう質でね」


 「各自散開」の言葉と同時に縁に並んでいた少年達は一斉に影が消えるように飛び去っていく。






 2

 古代から残っていたのは職だけではない。神話で語られた天使や悪魔。伝説で語られた竜や魔物。そして日本の初期から語られた霊や妖怪。

 これら『人ならざるもの』は確かに存在した。文明が発達し、神秘や幻想が薄まった現代でも存在を認識しずらいだけで確かに存在する。

 時が経とうと「古代職」と「人ならざるもの」は密接な関係である。太古の日本では武者が鬼を討つように、術士が怨霊を調伏するように。

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