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深淵の魔術師  作者: 鎖
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最果て

僕は伸ばしたその手を処刑台にかけ、

這うように登った。


近くには弓兵達がいるが、僕の姿に恐れ震えている。

生まれては死んでいく僕の姿は、

それほどまでに恐ろしいのだろう。


断頭台に首を通すエルザの顔をそっと手で撫でる。


「エルザ。後悔はないよ」


警備兵の槍が、後ろから僕の体を貫く。

胸から槍の刃が突き出て、血が噴出す。

その血はエルザの綺麗な顔を赤く染めた。


「ま、魔術師!」


泣かないで、愛しのエルザ。

僕は今、生まれて初めて満たされているんだ。


僕は、彼女の首にぶら下がったロケットを引きちぎった。


「さよなら、エルザ」


僕の声と同時にエルザの体が光を放つ。


転移魔法。


この光は僕の命の光だ。



その光は眩いほど輝き、そして散った。



   ――・――



帰ろう。


あの場所に。


父さんと母さんと僕が居た、あの場所に。


僕が望んだ永遠はあの紙切れの中にあったんだ。




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