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王女と騎士?


「あの、大丈夫ですか?」


鈴のなるような女の子の声で我に返った私は、頷く。

大丈夫かと聞かれたから反射的に頷いてしまったというのが正しい。

体は何ともないのだから。

頭の中は大丈夫ではないが…。


「よかったです!助けていただきありがとうございました。私はフィーナ・ガルディアと申します。あなたは魔術師だったのですね!」


「……」


「貴様!王女様が尋ねておられる!黙っているとは何事か!」


「マティス!命の恩人になんて事を言うのです!」


「ですがっ!この娘はおかしな格好をしてますし…奴等の仲間かもしれません!」


「仲間を討つ刺客がどこにいますか!確かに…不思議な衣服に身を包んでおられますが.…」


よし、ちょっと落ち着こうか私。

まず、この女の子はフィーナ・ガルディアというらしい。王女様?のようだ。

それで、そこに転がっている忍者スーツA、B、C、Dは王女様を狙った刺客で、それを私が魔術で倒した…と。

うん。全くわからん。


「あのー、ここはどこでしょう?あと、魔術師というのは…」


「え?ここはガルディア王国ですが…ご存知ではないのですか?」


ガルディア王国…ガルディア王国…そんな国、あっただろうか?

いや、ない。

これでも進学校の学年10位以内の成績なのだ。

世界各国の名前くらいは覚えている。

目を丸くして驚いている様子の二人には悪いが、知らないものは知らないのだ。


「知らないですね。あの魔術師というのは…?」


「魔術師とは魔力を糧として魔術を使う者の事だ。それも知らないと?」


いち早く立ち直ったマティスという男が説明をしながら胡散臭げに見詰めてくるが、知らないものは仕方ない。

頷くと二人は固まった。


「で、ですが、先程の光は結界と光の魔術です!二つ同時に無詠唱で発動されたので、さぞかし名の知れた魔術師ではと思ったのですが…我が国の宮廷魔術師でもなかなか出来ることではありませんし…」


「いや、私はただの一般人ですよ?魔術?もよくわかりませんし。あの、日本という国の名前に聞き覚えは?」


「…日本ですか?私は聞いたこともありません。マティスは?」


「私も存じません」


経済大国とよばれた日本を知らない国があるとは思えない。

いくら小国であろうと。

それに魔力、魔術、魔術師、そんな単語が当たり前のようにポンポン出てくるのだ。

いくら私でも気付く。

ここは所謂『異世界』というところなのだと。

あの占い師め…なんて事をしてくれたんだ!

怒り狂いたいところたが、今はそんな事をしている場合じゃない。

とにかくこの森から脱出して食料確保しなければ死んでしまう。

こんな訳のわからない場所で死ぬのは御免だ。

幸いなことに、ここには王女様と騎士っぽい男がいる。

この二人に恩を売ったことにして、人が居る場所まで連れて行って貰えばいい。

心は痛むが、結果的に助けたのは間違いないようだし、それくらいはいいだろう。

そうと決まれば実行のみ。


「あの、実は迷子になってしまいまして、良ければ町?まで連れて行って貰えないですか?」


「まぁ!そうでしたの!それくらいならお安いご用ですわ、ねぇ?マティス?」


「はい。王女様のお心のままに」


よし、脱出ルートゲット!


「でも…迷子というのならばお金も必要でしょう?あの…お洋服もその‥…少し変わっておられるようですし…遠いところからいらしたのでは?」


「はぁ、そうですね。」


「それなら!どうかお城へいらして!私の命の恩人ですもの!お父様にも紹介したいわ!そうと決まれば早く行きましょう!」


どうやら、とてもアクティブな王女様であられるようだ。

とはいえ、一文なし宿無しの私に、その提案はとてもありがたい。


(お父様にも紹介って…王女様のお父さんって王様だよね…不安なんだけど…まぁ、なんとかなるっしょ!)


一応は王女様の恩人のようだし、悪いようにはならないだろう。

それよりも…


「この人たち、このままでいいの?」


転がっている忍者スーツ達を指差して私が言えば二人は、忘れてた!と言わんばかりに慌て出した。

私はこの二人の天然?っぷりのほうが余程不安だ。

この先、大丈夫だろうか?











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