【プロットタイプ】人に擬態する
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。
これは読者様の問題ではなく、私の問題。
詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。
注意事項2
鏡花って、なんで人の気持ちを理解出来てるんだろう。
人格そのものが破綻しているから、感情の理解にも乏しいはずなのに。
と思って書いた話。
気分によって性格出力を繰り返す人格破綻者、其れが鏡花出ある。だからこそ、疑問に思う事、矛盾を感じる事も、浴びる程にある。
一つは人格の矛盾。性格そのものを根こそぎ変えているので、信念も、思考もその時、その時に変わる。これは第三者にもきっと理解し易い矛盾だろう。
其のさらに込み入った話であるが、人格と感情の矛盾である。
人格と感情と言うのは俺の中でかなり密接なものだと考えている。短気な奴はすぐに感情が荒立つし、臆病な奴はすぐに精神の均衡が崩れる。
人格があって、感情を外に出力して、周りにも其れが認知される。そして本人も自覚する。
だからこそ、人格が破綻している此奴は、本来は感情の理解に乏しいはずなのだ。基盤となる根拠もなく、ただ感情を模倣しているだけ。本質的には理解し切れてない。
それでも、かなりの精度で此奴は人の感情を理解している。其れも『相手の気持ちを理解する為』と矛盾した言葉を吐きながら。
『瑠衣たんも感情のお勉強しよう!!』と突発的に始まり、動画を見させられている。
動画の内容は、生々しい経験談の数々だった。過去に生真面目過ぎて周りに反発し、浮いてしまった話だとか、相手の事が信用し切れず、何度も試し行動をしてしまう。そんな弱弱しい人間の話が延々と流れている。
其れを鏡花は黙って聞いていた。ただ実験生物を見るような冷たい瞳で、何も言わず。
「お前、本当に其れで感情を理解出来てんのか?」
そんな冷たい瞳で、一切の感情が動かない状態で。この反応なのは、人格から感情を出力しているのではなく、周りの感情や人格を写し取って演じているからだとは分かっているのだが。
「私の心理分析を疑っているの?」
「……疑っている、と言うよりか、俺の中でお前の人格と感情の結び付きとは破綻しているから、矛盾を感じているんだ。
お前、感情を感じ取る人格が破綻しているのに、何故お前は理解出来ているんだ」
すると瞬きをして、ぽかんと口を開けた。其れから淡々とした声で説明を始める。
「別に人格が破綻していても、今までの人間観察から、相手の行動パターンを予測して、今どんな状態なのかは予測がつくよ。
ほら例えば今、凄く大事なとこ。この方さ、普段はもっとハリのある声でお話するんだよ。私が諭羅を揶揄う時のような。声の響きが外向きなのね。
でも今は声のハリがない。声が周りに響かない様な話し方をしている。この場合の人間行動って、不安を感じている時の反応。第三者の話で、自分には関係ないはずなんだけど、自分の嫌なところ、不安なところと重なっているから、この状態。
今は放送中だから毅然として話し続けてるけど、本音は逃げ出したいくらい、しんどいと思うよ」
其れを聞いて思ったのは、動物の行動心理を専攻している学者に近いのだと知った。
自分とは違う生物の行動パターンを分析し、心理を解明する。別にその動物の感情が自分の中にある訳では無い。ただ定められたパターンから、今を予測する。
「お前、本当に」
人に擬態しているだけなんだな。
鏡花って人格破綻者なんですよ。
人格溜め込み過ぎて、自分でも訳分からん状態。
犯罪に手を染める様な場合や、面倒事起きそうな時には、女帝が止めますが、基本的は超気まぐれ。
だから話によって別人クラスに性格が変わります。
信念も思想も根こそぎ変わります。
そんな人格があやふやな状態だから、感情も本質的に理解し切れてない。
※だから自分の心理を知る為に、外側に出た反応を分析し、心理に帰するという訳分からんやり方してるんですが。
では何故、かなりの精度で心理を掌握出来てるのか。
答えは非常に単純で、鏡花の脳内に人の行動パターンが頭に入っているから。
だから別に感情を理解し尽くしてる訳ではない。
嫌ならことがあったから、泣く。
優しくされたから、笑う。
別にそれで自分は何も思ってなくても、『人はそうなんだな』と関連付けを行っている。
その人に常に感情移入している、という訳では無さそう。
手に負えない時には普通に分かって無さそう。
でもそれで分かった気になっているんだろうな。この哀れなAIは。
前に瑠衣が
人の感情に機敏であるが、学習によって得たものなので、本質的に察しが悪いところがある。
なんて言ってたけれど、その理由がこれ。
行動パターンを覚えてないと、相手がどう出るか、何を思うか分かってない。