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非粛々  作者: 林幸
父の死
8/8

永代供養

「遺骨になっても家に入れるな」と母が言うので、即、永代供養の寺を探した。場所も近くは嫌だと言う。

ネット検索でヒットした父が住んでいた街のお寺に問い合わせた。最低料金が3万円で、思ったよりずっと安かった。手続き等を聞き、一旦電話を切って妹や母に確認。再度、電話を掛けた。

「先ほど問い合わせをした林ですが」

「え? あ、ああ! 3万円の人!?」

そうなんですけどね。いやぁ、住職さん、ノリが軽い、、、

きっと最低料金にする人なんて、あまりいないのだろう。でもこちらは事情が事情なのでね。一々言わないけど。


妹と一緒に納骨。禅寺だからか、少しだけ座禅を組まされた。母の実家も寺だが、禅寺ではないのでこんなチャンスは滅多にない。貴重な体験だった。

車で少し離れたところまで誘導され、供養塔の裏にある穴から小さな骨壷に収められた遺骨が入れられた。ちゃんと念仏もあげてくださったが、料金が上がると念仏が長くなったりするのだろうかなどと、ふと考えてしまうのは親戚に寺が多いからかもしれないと、心の中で苦笑した。


持ってくる時に骨壷が入っていた大きな壺は、私が不要だと言った途端、住職によって垣根の裏に放り投げられた。そこには似たようなものが積み上げられていて、ガチャンとちょっと虚しげな音がした。

「人生、そんなものだよな」という気持ちになった。

住職さんは、定期的に供養をする日があるし、それ以外にも来ても構わないとおっしゃってくださるが、近いわけではないし、多分もう来ないだろう。


ところが、寺の名前も忘れ去られた数年後、母が「お父さんの墓参りに行かなくちゃ」と言い出し、腰が抜けてしまった。

妹と「墓は作るなって言ったじゃんねえ〜」と呆れ合った。

勿論だが、行ってはいない。


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