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非粛々  作者: 林幸
遺体
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突然の電話

粛々と仕事をこなすいつもの昼下がりのこと。

スマホが小刻みに震えだしたので、誰からの着信かチェックしたところ、市外局番がどうも遠方な感じだ。

怪しい。極めて怪しい。

そういう時はいつもの検索、と。え?警察署?どういうこと?

これって無視ったらヤバイやつでは?

私、何もやらかしてないよね?

家族も無事よね?

若干パニクりながら折り返した。


ーーーーーーーーーーーーーーーー


警察の話を掻い摘むとこうだ。


元夫の和彦が亡くなった。

が、親族一同、誰も遺体を引き取りたくないと言う。

しかたがないので離婚した元妻である私のところに連絡をしてきた。

というわけだ。

こちらには故人の子どもたちもいるし、ということらしい。


とはいえ十数年前に離婚が成立しているし、子どもたちも成人済みだ。

しかしながらまだ二十代、下の子に至ってはまだ学生、子どもたちをメインに私も関わらざるを得ないだろう。


それにしても私のスマホの番号まで、よく調べ上げたものだ。

後で知ったが、娘の職場にまで連絡があったらしい。

個人情報、使い放題だな。


さて、死体のある場所だが、ここからだとどう考えても半日以上はかかる。飛行機を使ってもだ。仕事もあるし、できるだけ一度で用事を済ませてしまいたい。ましてや色々あった相手、しかも既に亡くなっているのに慌てて飛んで行きたくはない。


娘も同じ状況らしく、いろいろ交渉して火葬まではしてくれることになったのだが、和彦は5人兄弟の末っ子。4人の兄や姉はいったいどうしたというのか。あんなに可愛がっていた義母さんは?

何かトラブルでもあったのだとしたら、巻き込まれるのは御免だ。嫌な予感しかしない。

とりあえず、降りかかった災難として受け止め、嫌々ながら娘の唯と後始末に取り掛かることにした。


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