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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

愛しているの

作者: 炎華 焔

これは直ぐに終わってしまう私の恋のお話。

ねぇ、貴方はどんな私が好き? 最初に告白する時は必ずこう聞くの。

だって、愛してもらえる私がいいでしょう?

いつも彼らは言うの、どんな私でもいいって。だからね、私も彼らをとっても愛してあげるの。でもすぐに終わっちゃうの。だって、本当の私は受け入れてもらえないから。

でもね、今の彼は違うの。ちゃんと言ってくれたのよ、どんな私が好きか。


「俺はね、俺に愛されるために必死な君が好きだよ。俺の為なら何でもできて、誰とでも合わせられて、可愛らしくて、いつでも着飾っている君が好きだよ。笑顔で優しくて、俺のことが大好きな君が好きだよ」

「嬉しい。私のことよく見てくれているのね」

 彼はまっすぐに私を見て、微笑んだ。

「もちろん。ずっと君だけを見ていたんだから」

 舞い上がったわ。だって初めてだったんだもの。私だけをずっと見てくれていた人なんて今まで居なかったから。

「ね、ねぇ? 今日が終わったら今度はいつ会える?」

「うーん、明後日かな」

「分かった、可愛く着飾るね」

 どこか冷たさを感じる。だけど私を見る目に強く宿る想いが映っているの。こんなに熱を持っている人は初めて。あぁ今回はとっても愛を伝えられそう。骨の髄まで愛してる。私の愛おしい人。


 二日ぶりにあった彼は隈が酷くて、とても心配だったわ、だから私言ったの。

「膝枕、してあげる。寝ていいのよ、ゆっくり休んで」って。

 そしたら彼、よっぽど嬉しかったのかしら、目をまん丸にして私を押し倒したの。

 目を塞がれて、私ドキドキしちゃったわ。だって、私のことを求めてくれていると思ったから。でもね、彼激しいの好きだったみたいで、私の首を絞め始めたの。

「お前のせいで」とか「戻ってこない」とか言い始めて、私何度も彼の名前を苦しい中呼ぼうとしたわ。だって愛おしいんですもの。でも、彼は私に反応してくれなくて。だから私、もう彼は演じている私を好きじゃなくなってしまったと思ったの。

 それでね、いつも通りこれまでの彼らと同じように愛してあげることにしたの。

 ベッドに隠している薬を彼が落ち着けるようにあげたの。そうしたら彼疲れていたのね、ぐっすり眠ってしまって。

 私は彼の頭を撫でながら、深い眠りに就けるようにお手伝いをしてあげたの。彼、最後まで険しい顔をしているから、笑顔にしたかったのだけど、やっぱり眠って時間のたった人って顔の筋肉が固まってしまうじゃない? だから色白になっていく彼が笑えるようにお風呂に入れてあげたの。あぁ、流石に私一人だと彼一人を運ぶのは難しいから顔だけつけてあげたの。でもやっぱりダメでね、しょうがないから彼を起こそうとしたの。でも中々起きてくれなくて……心配してたら、貴方たちが来て、助かったわ。


 女は胴体が無い同僚の亡骸を抱きながら、捕まった。

 部屋の中で淡々と語る女は自分が何をしたのか全く理解していないようだった。

「ねぇ、貴方はどんな私が好き?」

「どんな性格でも姿でも好きなわけないだろ!」

「ねぇ、そんなこと言わないで。私はね、一目会った時から……貴方を」

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