第四話
彼方【飯だ!】
亮【昼休みだ!】
狸太【彼方の奢りだ!】
彼方【んなわけねぇだろ!】
バシンっ!とどこから取り出したかハリセンで狸太の頭を叩く
それを快く思わない人が約1名
香夜【彼方、死にたいのですか?】
彼方【あのさ、なんで俺にだけあたり強いわけ?亮とか狼達にはそんな態度とってなかったよな!?】
いきなりの死刑宣告に異議ありと言葉を返す
香夜【そんなことはありません、メイドたるもの主人とその他大勢、そしてかぼちゃどんぐりの区別はついてますので】
しかし香夜はその彼方の言葉をバッサリと切り捨てる
そんな2人の会話を知ってか知らずか狼が声をかけてくる
狼【あ、香夜さん、狸太殿が宿題提出してないんで一言いっててください】
香夜【わかりました、狸太様、狼様から宿題がまだ出ていないとのことです】
狸太【あー、家にわすれちった、許してクレメンス】
狼【やってないだけでは・・・相変わらずのポンコツ具合なようで】
香夜【申し訳ありません、私がちゃんと見ていればこんなことには】
彼方【をいちょっと待てやコラ】
そんなやり取りにもう一度異議を申し立てる
香夜【なんでしょうかフンドシ侍】
彼方【服着てるよな!?刀なんて持ってないよな!?ちょんまげも結ってねぇだろ!?】
香夜の言葉に噛みつきツッコミを連打する
香夜【くだらないことはいいので本題に】
しかしそれを香夜は簡単にスルー、挙げ句のはてにはくだらないことと言い放たれてしまう
彼方【あんたのせいだよ!】
流石に疲れたのか項垂れる彼方
彼方【いやさ、さっき区別ついてるっていったよな?俺と狼との扱いの差が激しすぎるやろ!?】
香夜【言ったではないですか、かぼちゃどんぐりとの差はついていると】
彼方【つまり俺はかぼちゃでどんぐりってか!?】
香夜【いえ、石ころですね】
彼方【そもそも枠外かよ!】
もはやその他大勢でもかぼちゃでもどんぐりですら無く第4勢力
しかも相手にすらされていないレベルの存在に落ちぶれていた
香夜【当たり前ですよ、貴方は・・・石ころは適当にそこら辺に転がっててください】
彼方【へーい・・・って転がるか!】
香夜【うるさい石ころですね、割りましょうか】
狸太【香夜ー、ここ教えてくれないか?】
香夜【はい、喜んで、ここはですね・・・】
狸太に呼ばれればすぐに振り向き満面の笑顔で勉強を教え始める香夜
恋する乙女のような表情になり隣に立てば、わざと肩をあてて密着しながら話を続ける
彼方を相手にしていたときの仏頂面が嘘のようだ
彼方【差別にも程があんだろ・・・】
そんな香夜の態度に彼方は深くため息をつくのであった