第2節
平和な日々を過ごし続けていた四人
そんな四人の前に現れた2人の女
狂三と菊花だ
狂三【甘ったるい日々は続かないもの、なぜならその子自体が巻き込まれ体質、そして私達から常に狙われているから】
菊花【それを知らずにその子と過ごしてたあんたらの幸せの日々は終わり、ここからは大切なあめあを奪われて助けられずに惨めに泣いて喚く日々になるから】
突然現れ無一郎達にそう言葉を突きつける
その言葉が嘘ではないと言わんばかりにいつのまにかあめあの姿が狂三の腕の中に移動している
あめあ【ううっ】
無一郎【っ・・・いつのまに】
狂三【あまりにも隙だらけすぎましたのでつい、あめあを奪ってしまいましたわ】
気づかないうちに移動していたあめあのことを取り返そうと狂三に向かって刀を抜き斬りかかる
しかし振り下ろした時には既に狂三の姿はそこには無かった
あめあ【むい君!後ろ!】
あめあの言葉に振り返りざまに刀を振り抜く
その刀を狂三は手に持った拳銃で受け止めれば無一郎に回し蹴りを繰り出す
とっさに片手で受け止めそのまま後ろに吹き飛ばされるもすぐに体勢を整え再度狂三へと走り出す
有一郎はそれを手助けするために自分も走り出そうとするもそれを菊花に割り込まれ阻止される
菊花【あんたの相手は私だから】
そう言って有一郎に向かって複数の注射器を投げつける
中には色とりどりの液体が入っている
どうやらそれぞれいろんな効力があるようだ
中身は当たってからのお楽しみといったところだろう
有一郎【っ・・】
まともな武器を持っていない有一郎は近場にあった棒を使って注射器を叩き落とす
しかしまともに戦いに身を投じた事がない有一郎の素人剣術ではすべてを落とすことは叶わず一本突き刺さってしまう
その瞬間薬液が注入され体の自由が痺れ薬によって奪われる
有一郎【ううっ・・・】
菊花【この程度であめあのそばにいようとしたなんてとんだお笑い草】
無一郎【はぁっ!】
再度狂三に肉薄し刀を振り抜く
しかしそれは簡単に躱され額に拳銃を突きつけられる
バンッと銃声鳴り響き額を撃ち抜かれた・・・ように見えたが次の刹那には狂三によって無一郎は無防備な鳩尾を蹴り飛ばされ有一郎の隣へと吹き飛ばされる
無一郎【うぐっ・・・】
有一郎【ううぅ・・・】
二人してその場に伏せながらもなんとか立ち上がろうとする
あめあ【むい君!ゆう君!】
狂三【あまりにも弱すぎて興ざめもいいとこですわ】
菊花【お姉様とっととあめあをつれていきましょ?】
狂三は2人に落胆しつつ、菊花の言葉に頷けば背を向ける
その2人に斬りかかる1つの影
蜜璃【やぁぁぁぁっ!】
その特殊な刀をすっと避ければ狂三は拳銃を蜜璃に向ける
蜜璃【隙は作ったわ、あめあ!】
蜜璃の言葉にあめあが頷けば狂三の脇腹に肘鉄をいれその腕から脱出
さらに手に持った扇子を狂三の首めがけて振り抜く
それを狂三はすっと後ろに下がり躱す
狂三【いろいろと興が削がれました、今回は帰らせてもらいますわ、行きますわよ菊花】
狂三の言葉にうなずき菊花は狂三と共にその場からふっ、と消えてしまうのであった