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白馬の王子様と7つの冒険  作者: アシカ
プロローグ
1/16

王子様との出会い

馬が前足をバタつかせ、私は、馬から落ちて地面に叩きつけられた。

その時だった、何が起きたのか、意識がはっきりせず、自宅の茶色勉強机の足をみていた。

ようやく、現実が追いついてきて、落馬する夢を見てことを理解した。

それと、同時にスマートフォンにセットしたアラームが鳴っている。

「ぐわぁ、ぐわぁ、ぐわぁ」と、不快な音で私の朝が始まった。

ベットの脇にあるスマホのアラームを切り、時計を見て私は慌てる。

朝から、図書館で友達のなっちゃんと勉強する約束をしているからだ。

2階から1階に飛ぶように降り、リビングの扉を開けると、そこには父が、ソファーに座っていた。

「おはよう。まなみ。2階からすごい音したけど、ベットからまた落ちたか?」

と、お父さんが笑って言う。

「おはよう。時間ないの」と、軽く私は父に挨拶しテーブルに置いてあったパンを食べる。

父はそんな様子を見て「これは、近寄らんほうがいいな。まなみの暴れ馬だ」と笑っている。

忙しい朝の時間に、落ち着いている父をみて、私だけ忙しいことにイライラするが、そんなことを考えている時間もない。

リビングから、洗面所に向かい洗面台の鏡をみて「うわ〜、わたしの寝起きの顔ひどいな〜」と思いながら髪をセットし、顔を洗い、歯を磨き、荷物を持って「いってきます〜」と玄関を出た。

「おい、今日は雨ふるぞ。傘持ってけ」と父が言う。

「カバンに折り畳み傘があるからそれ使う」と、戻ることが億劫なので、カバンを確認せず、急いで図書館に向かう。脳裏に、あきれた父の顔が浮かぶ。

その時だった。

ゴローンと稲妻が近くに落ちた。

それにあわせて、ざーっと雨が降ってくる。

とりあえず、近くにあるコンビニの庇の下に逃げ込んだ。

あわてて、カバンの中を漁り、折りたたみ傘を探す。

私は異変に気が付き「おかしい、ない。ありはずの傘がない」と、冷静に考え、学校に置きっぱなしにしていることを思い出した。

仕方がないので、雲の状態を確認し、幸い、西の空は晴れている。そして、カバンからスマホを取り出して、雨レーダーをみた。5分も経てば、雨が止み、ラッキーに思う。

少しばかり、雨宿りし、その事を友達のなっちゃんに連絡しようと思ったとき「ぱっから、ぱっから」と、聞き慣れない音がする。

スマホの画面から、駐車場の車止めコンクリートに視線が移る。

「なんだ?見たことのない黒い蹄?」と、徐々に駐車スペースに顔を上げ、足から繋ぎ胴体に目がいった。

そこには「白馬」に乗った王子様がいた。


その姿は、この世のものとは思えず純白であった。

と、同時に雨は止み、雲は晴れ、白いタキシードは光に照らされていた。


王子様が言った。

「やぁ、迷える子羊ちゃん」

こいつ、自分が変態であることに気がついていない。

コンビニの駐車場で、馬に乗って買い物にくる馬鹿がどこにいる。

そんな私の感情とは裏腹に「やぁ、迷える子羊ちゃん?」ともう一度言う。

ああ、変な人に絡まれてしまった。どうしよう。

と、思ったのも束の間。

彼の顔を見た瞬間。自分でも思わない言葉が飛び出した。

「わたしを恵みある大地の楽園へ連れて行って」

私は、急に、血流が上がり、顔から火を吹きそうだった。


そんな私と裏腹に王子様は、何も気にしない素振りで

「なんなりとお姫様」と言い終えると馬が、ブルブルと鼻を鳴らした。

馬が私に近づき、王子様が手を差し伸べた。

私は、その優しい手を取った。

ああ、私はきっと夢を見ているんだ。とても幸せな夢。

手を取ったことすれもいまでは覚えていない。

私は、気がつけば王子様の後ろに乗っていた。

王子様は「足を少し上げて」と言ってくる。

王子様も足を上げ、私の手を自分の腰に置くようエスコートする。

ああ、なんて素敵な王子様。私は王子様に見とれつつ、足をあげると、馬が羽を広げた。

「もう、足を降ろして大丈夫だよ。あまり強く羽に体重をかけないでね。馬がいたがるから」と、言って私は足をおろした。けど、彼の腰にある手は動かさなかった。

馬は、羽をバタつかせ次の瞬間、宙に浮いた。

雲の間から覗く、天使の梯を目掛け飛んでいく。

気のせいかもしれないが、彼の背中から「音楽」が聞こえた。

「Nessun dorma!(誰も寝てはならぬ!)Nessun dorma!(誰も寝てはならぬ!)

Tu pure, o Principessa,(それでもあなた、お姫様は)nella tua fredda stanza(あなたの冷たい部屋で)

guardi le sole e luna che tremano d'amore e di speranza… (愛と希望に震える太陽と月を眺めるのです)」


しかし、これは「落馬のはじまりだった」

お姫様は、残念ながら、それを知る術を持ち合わせていなかった。


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