プロローグ
エルン原初碑文にて記録された魔王ルナの復活!
恐怖と混沌、破壊と滅亡をもたらし・・・世界を暗黒時代に突き落とした。
深い恨みと復讐によって世界を闇に沈める。
人々の苦しみこそ・・魔王の喜び
人々の叫びは魔王の糧となる。
魔王は宣言する! この手で世界を終わらせると・・・
雲ひとつない青空、降りそそぐ日差し・・・エルンの町を白く輝かせる。
小鳥たちも嬉しそうにさえずり、飛び交う。 チュチュ♪ チュ♪
気持ちいい朝だ。
「日光が暖かいわ! 良い天気ね! 工房での作業はやめて・・・外で商売をしましょう!」
この工房店の店主、黒髪少女のルナは・・・・・朝日を背にして両手を広げ 高らかに宣言をした。
そんなわけで・・・
・・・朝から相棒のメイド少女フラウちゃんと一緒に、ルナは町の噴水広場で露店を開くことにした。
この広場付近は・・・人通りが多く商売に最適な場所、うちら以外にも数件の露店が営業をしている。
ほとんどの露店は飲食関係なのだが・・ルナの露店はマギナ工房の出張所で マギナ製品を売っている。
ちなみにマギナとは・・・いわゆる魔法のこと、ようするに魔法の道具を販売するのである。
青いテントに花柄のクロステーブルを敷き、様々なマギナ製品を山のように積み上げての販売。
整理なんて出来ておらず乱雑だ。まるでワゴンセール!?
マギナ掃除機、マギナ洗濯機、マギナ冷蔵庫・・・・まるで某異世界の電気屋さんのようである。
だが 決して、売り残りを並べているのではない・・・どれも一流品なのだ!
ルナは・・知る人ぞ知るマギナクラフター
しかも本人の持つ莫大な 魔力を遺憾なく発揮し・・・より良き製品を作りだせるのである。
( 俗にいう力業! 魔力パワーたよりのためなのか マギナ業界では・・異端扱い、または嫉妬されている )
そんな異端であっても・・・性能が良いので売り上げ良好!
いや! 異端だからこそ 他者にマネできない複雑な魔導回路を作り上げ 高性能化しているのだ!
しかもその魔導回路をシステムパッケージ化して集積回路を完成させた。
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たとえば・・・このマギナ掃除機!
ゴミを感知すると自動的に歩き出し(二足歩行)、箒で掃除してくれるという優れもの!
しかも内部機構は・・最新魔導回路を搭載! 優れた性能と省マギを実現しています。
でも・・お高いのでしょ!
いえいえ、この性能で・・・なんとこの安さ!
お~凄い!凄い!
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売れるには・・・売れるのだが・・・マギナ―製品には欠点があった。
それは、魔力を操れる人にしか使えないということだ。
統計によると・・・全人口の1割程度しか魔力保有者がいない・・・・つまり、1割程度しか需要がないのだ。
限られた人たちにしか使えないという致命的欠点。
まぁ、それでも・・・生活に困らない程度の儲けがあるのはいい事だ!
昼頃まで露店をだしてはいたが・・・この日の売り上げは、鍋とお皿だけだった!
マギナ製品ではなく 普通の日用品が少しだけ売れただけだった。
(念のため・・・マギナ商品以外もラインナップしてたのです)
店主のルナはしょんぼり気分!
相棒のメイド少女フラウちゃんも肩をおとして・・がっくり
『 ルナ様! この鍋とお皿って・・近くのゴミ箱から拾ってきた・・ 』
「フラウちゃん! それ以上言わないで・・・」
『 ・・・・ですよね! 』
ルナは・・・空を見上げる。
蒼い! 空が蒼い! なぜに蒼い!? あの蒼い世界に 私が沈んでいく・・・
センチメンタル・ルナ・・・涙も蒼く染まる!?
今日は・・たまたま売れなかっただけ!
いつもなら売れてたのだよ! ホントだよ!
そんな気落ちしたルナに対して・・・楽し気に手を振りながらやってくる近所のおばちゃんがいた。
「ルナちゃん! お元気~かな!? 昼食のパンをもってきたけど食べる?」
「あっ! ミリコおばさん! ありがとう・・・いただきま~す」
ルナは笑顔で返事した。
ミリコおばさんはお隣に住んでいる世話好きのおばさんなんです。
いつも気にかけてくれて・・・なにかと大助かり。
昼になると昼食・・・夜になると夕食・・・を持ってきてくれるのです。
食費が浮いてうれしいです。
「ルナおねーちゃん!」
「グレン君 ちわ~ん!」
これまた近所に住んでいる可愛い可愛いグレン君!
お母さんに手を引かれて・・・お買い物かな!?
いつものように元気よく挨拶!
「よしよし・・・グレン君! 飴玉をあげよう」
「ありがとう! ルナおねーちゃん 大好き」
おいしそうに飴をペロペロする。にっこり顔!
きゃぁきゃぁ~ めんこいよ~!! かわいいいよ! 癒される!
大きくなったら結婚しようね♡と思ったが 年齢があわないのでパス!
それから・・・近所のおじさんが、秋祭りのパンフレットを配りにきたり・・
謎の女子会に誘われたり・・・色々とてんやわんや・・・
「ルナさん つきあってください!」
「あっははは・・・冗談は顔だけにしてくださいよ」
近所のお兄さん(多分、5歳年上程度か!?)にプロポーズされた。
断ると・・・すかさず、隣にいた相棒のフラウちゃんにプロポーズ!
この兄ちゃん・・・節操無さ過ぎ!
ワロスw ワロスw
ご近所さんと和気あいあい・・・今日も楽しく、明日も楽しく・・・
こんな日常が永遠に続くと・・・ルナは信じていた。
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画像生成AIを使用
AIが絵を描いてくれるって!? まじか! なんて便利な時代に・・・