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シェアハウスは恋の予感!  作者: 無限の星
7/11

第6話 【ゴールデンウイーク前編】

ゴールデンウイーク編開幕!

イチゴ狩りなんて懐かしい、幼稚園の時に行ったのが最後なんじゃないだろうか…




 新入生ゼミを終えた4人は、大学内にある食堂に集まり、1週間後にやってくるゴールデンウイークの計画を立てていた。この時期は、あまり授業は難しいことはやっておらず、課題も無かったので、遊ぶことしか考えていなかったのだ。


比奈 「ゴールデンウイークなのですが、今年は8連休です。みんなは、何か予定とかあったりするの?私は、実家の方に帰省しようかなと思ってるんだけど。」


竜星 「俺も帰省するつもりかな、昨日、南海から電話があって比奈と一緒に地元に帰って来いってさ。」


美花 「私は、帰省とかないからな。ほぼ、毎日バイトが入ってるんだぁ、だからこっちにいないと…」


柚菜 「私は、帰省は夏でいいかなって。でも暇になっちゃうね。竜星と比奈ちゃんが居なくなると。」


竜星 「美花には悪いが…柚菜さ、暇なら俺らの地元来ないか?南海も会いたがってたしさ。」

柚菜 「えっ、いいの!行く行く!」

比奈 「じゃ、決まりだね。楽しみだね~」


美花 「あー、羨ましすぎる~、何でバイトなんか始めたんだー」

竜星 「ってか、どこでバイトしてんの?俺らの中では一番早いバイト君。」

美花 「駅前にあるちょっとオシャレなカフェだよ。あそこのマカロンが好きで高校の頃から毎日通ってたら、そんなに好きならバイトしたらって言われて始めちゃったの。」

柚菜 「毎日ってすごいね。そりゃ、お金いるよ。」


 ゴールデンウイークの予定が大方決まり、4人は午後の授業に参加して帰宅した。美花はバイトに行くということで3人とは別れた。穂香と風花が外出中だと未来から連絡があり、夕食の材料を買うためにスーパーに寄ることにした。


竜星 「今日の夕飯、何食べたい?」

比柚 「ハンバーグ!」 

竜星 「君ら、ハンバーグ好きだね。材料買ってくるから、他に欲しいものあったら言って。」


柚菜 「竜星ってさ、家庭的だよね。何で、料理上手なの?」


竜星 「実は、俺の家って再婚してできた家族なんだ。6年前に母親が亡くなってから、父と南海と3人で生活してて、必然的に俺が料理するようになったんだ。毎日、3食作ってたら料理するのが楽しくてね。それから、4年後に父さんがいい人に出会ったって、今のお母さんを連れて来たんだ。その人には俺より5歳年上の娘さんがいて、これがまた、綺麗でとても優しい人だったんだ。俺が夕食を作ってたら、⁇姉ちゃんが『美味しい!』って満面の笑みで言ってくれてさ、家族のためにこれからもご飯作ろうって思うようになったんだ。だから…かな。」


柚菜 「そんなことがあったんだ!私も竜星のご飯食べてて『美味しい!』って思うよ!今度教えてもらいたいぐらいだよ~」


竜星 「柚菜って、⁇姉ちゃんみたいに笑顔で言ってくれる。だから俺、シェアハウスのみんなにも作りたいって思うんだ。」


柚菜 「ねぇねぇ、その⁇さんって、ゴールデンウイークに会えるの?」


竜星 「いや、⁇姉ちゃんは今、日本にいないんだ。あんまり大きい声では言えないんだけどさ、女優やってる。今はお偉い人たちと海外に行ってるんだ。いつか、また教えてあげるよ!(小声)」


柚菜 「えっ、うっそー!」

 

 通路の曲がり角から、アイスやお菓子をたくさん持って比奈がやってきた。


比奈 「なんか凄い、悲鳴みたいな柚菜の声聞こえたけど、何かあったの?」


竜星 「あー、俺ん家のことを教えてあげてたんだ。今度実家行くし、知っててもらってもいいかなって思って。」


比奈 「なるほどね、⁇姉のことも言ったんだ。」

竜星 「まぁ、そういうこと、名前は言ってないけど、もっとうるさくなると思うからさ」

比奈 「それがいいと思うわ、柚菜だけじゃなくてみんなが寄ってくるほどのインパクトのある名前だから。」

竜星 「なぁ、それ全部買うの?子供じゃないんだからさ三百円までにしてきなさい。」


 夕食の買い出しを終え、未来の待つシェアハウスへ帰宅した。夕食に要望のあったハンバーグと付け合わせに蒸し野菜とポテトスープを作り、夕食を終えた。バイト終わりの美花のために皿に盛り付けて、ラップをかけて置いておいた。

 

 ゴールデンウイークが始まって、4日が経ち、竜星達は、駅のホームにいた。電車を乗り継いで、地元埼玉県に帰ってきた竜星と比奈。

 そこへ、車から叫ぶ一人の女の子の声が…


南海 「お兄ちゃーん!会いたかったよー」

竜星 「おーい、南海!元気にしてたか~」

南海 「柚菜ちゃんもいる~!ようこそ!埼玉へ!」

比奈 「南海は朝から元気やね」

南海 「この日を楽しみにしてたんだもん!」

竜母 「二人ともおかえり!柚菜ちゃんよく来てくれたわね。さぁ、家に戻りましょうか」

柚菜 「3泊4日お世話になります!」

 

 5人を乗せた車はあっという間に竜星の家に到着した。竜星の家に到着したはずなのだが、竜星の家からは比奈の母親が出てきて出迎えてくれた。


比奈 「何で、お母さんがこっちから出てくるの?」


比母 「あなた達が久しぶりに地元に帰ってくるから、いろいろ準備していたのよ。後でゆっくり話も聞かせてね。今日は遊んでいらっしゃい。」


竜母 「夜ご飯は作っとくからそれまでには帰ってきてね。」


竜星 「わかった、行ってきます」


 竜星たちはいちご狩り農園へやってきた。

この場所は、人気スポットで予約が殺到するほどだ。ゴールデンウイークということもあり、参加者の中には家族連れやカップルが目立った。


竜星 「1時間食べ放題コースだからしっかり楽しみましょー」

南海 「はーい、提案です。一番、甘キュン台詞を言えた人が休みの間一日だけデートできる権利をかけて勝負しませんか?」


竜星 「はー? やらないでしょ。」

柚比 「やるに決まってんじゃん!」

南海 (久しぶりに会えたんだもん!勝ち取ってやる)

比奈 (柚菜ちゃんには負けたくない!)

柚菜 (絶対負けられない!)

竜星 「まったく君たちは…」

 

 竜星たちはハウス内で分散して、いちご狩りを楽しんでいた。残り三十分近くなった頃、俺のところに比奈がやってきた。


比奈 「私、竜星と同じ大学に行って、ほとんど一緒にいたよね。これからも側にいてほしいな。(照)」

竜星 「おう…ありがとな!比奈にはいつも世話になってばっかりだな。俺にとって幼馴染はお前だけだよ。」


南海 「お兄ちゃん!久しぶりに会えてうれしいよ。私は片時もお兄の顔を忘れませんでしたよ。だからデートしましょ!」

竜星 「南海…お前は、考えが見え見えなんだよ…」


 少し離れたところで、埼玉組を見ていた柚菜、小走りで竜星の元へやってきた。


柚菜 「竜星、あっちに大きいイチゴがあったよ!だから行こ。」

竜星 「う、うん」

柚菜 「今日は竜星の地元まで連れてきてくれてありがとね。すっごく楽しいし、美味しいね!」

竜星 「それは、よかったよ。楽しんでもらえて。明日からもいろいろ案内するからさ!あっ、見てこのいちご大きくない?」


柚菜 「どれ?ほんとだね!竜星食べさせてあげようか?ほら、あ~ん!」

竜星 「は…恥ずかしいよ、人いっぱいいるし」

柚菜 「竜星が見つけたんだよ!あ~腕が疲れちゃうよ~、ほら~ね、あーん!」

竜星 「わ…わかったよ…あーん!んっ、美味しい!甘いよ!これも大きいな、柚菜あ~ん!」

柚菜 「えっ!あ…あ~ん!美味しい!甘さ倍増だね!んふふっ!」


 柚菜と竜星は互いに食べさせ合い、二人だけの時間を楽しんでいると、嫉妬の炎を燃やした比奈と南海が睨んでいた。


比奈 「あ~ん、なんてレベル高いし、さすがにできないよ…」

南海 「恐るべし、柚菜ちゃん、あれは比奈姉より強敵だね。」

竜星 「何の話~?」

比奈 「竜星が柚菜にデレデレって話!」

竜星 「別にデレてなんかないわ!でもお前ら二人のセリフより、柚菜の方が百倍良かったな!それにあんなことされたらキュンってするわ!ってことで、柚菜の勝ち~!」

柚菜 「やったー!勇気だしてよかった~」


 4人は、いちご狩りを堪能し、近くの公園で遊んで家路についた。竜星の家は誰かの誕生日かと思うほど、華やかに装飾されていた。


竜星 「これ母さんたちがやったの? (片付けがめんどいのに…)」


 机の上に並べられた料理は、竜星の瞳を輝かせる料理ばかりであった。埼玉県民なら食べたことはないと言える料理たち。『ゼリーフライ』…おからをメインとした練り物でパン粉で衣をつけたコロッケに似た食べ物。『フライ』…中に豚肉や野菜、時には焼きそばを包みモチモチとした食感のある食べ物。『かてめし』…炊き込みご飯、郷土料理で行事ごとの時によく作る料理。『けんちん汁』・デザートにと『炭酸まんじゅう』が用意されていた。


竜比 「すごっ、埼玉の郷土料理大集合じゃん!」


竜母 「あんたたちが地元のご飯を恋しく思ってるかなって思ってね、今回は、すごい頑張っちゃったわ。柚菜ちゃんの口に合うかしら」


柚菜 「初めて見る料理ばっかりでどれも美味しそう」

竜母 「そう言ってもらえてうれしいわね、食べましょう」


 俺たちは食卓を囲み、郷土料理のなつかしさに感動しながら箸を止めることはなかった。竜母は、柚菜の美味しそうに食べる姿を見て一言つぶやいた。


竜母 「柚菜ちゃんの笑顔は⁇のことを思い出させてくれる笑顔ね。最近連絡くれないからどうしてるのかしらね」


竜星 「母さんのところにも⁇姉ちゃんから連絡ないんだね。アメリカ行ってから忙しいのかな」


竜母 「家族にぐらい連絡してほしいものだわ。あの事件があってから竜星には苦労かけたんだから竜星には月に何回かは連絡することって言ったのに、もぅ!」


竜星 「いいんだよ、母さん。それにあの時の傷はもう治ってるし、俺は助けなきゃって思ってやったことなんだから。あの時は比奈にも南海にも随分心配かけちゃったよな」



南海 「お兄ちゃんが目を覚まさない状態になった時、私もお姉ちゃんも毎日、泣くことしかできなかったもん」


比奈 「私も…、全然目を覚ましてくれなくて、目が覚めるまでずっとそばにいようと思って、毎日病院に通ってた。急に二人の時間が無くなっちゃったんだもん」


柚菜 「あ…、あのー、一体何があったの?みなさんの話について行けなくて…」


竜星 「あ~うん。いってもいいのかな?母さん…。柚菜には⁇姉ちゃんがいることは伝えてるんだけど素性は明かしていないんだ」


竜母 「うん…、まぁ隠すことでもないからね。あんたたちが信頼してていい子なんでしょ。⁇のこと話してあげてもいいんじゃない。正直、ここまで喋って話してあげないのもしこりが残っちゃうじゃない。これから付きあっていくなら知っててもいいわ。それにいずれ⁇と会うことになるはずよ」


竜星 「そうだね、まぁ、俺が一番信頼できる人だし、話してもいっか」


 食事を終えた竜星たちは、片付けを終え、リビングで⁇が関連する『ある事件』について話し始めた。⁇がどんな人だったのかも次回明らかになる。


第6話 【ゴールデンウイーク前編】


甘キュン台詞大会って何だ⁉(笑)

次回、竜星の過去編です。

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