7話 労働は義務?いいえ趣味です
(あぁぁ、大ちゃんの寝顔ぉぉぉ。好き……大好きだよぉぉ、大ちゃん)
翌朝起きると、既に亜子ちゃんは起きていて、朝食の準備をし終わり、僕の起きるのを待っていてくれたようだ。
そして待っている間は、昨日購入した携帯を眺めて待っていたらしい。
何か、ちょっろニヤニヤしながらトロンとした顔になってるけど、何を見てるのかな?
「亜子ちゃん、おはよう。携帯見て楽しそうだけど、何か面白い物でもあったの?」
「はっ!おはようございますご主人様!いえ、少し携帯に慣れようと触っていただけです!」
さっきの緩んだ表情とは一変し、真剣な顔になって僕に挨拶をした。
何か、いつもより凄く元気に見えるけど、少しでもここになれてくれたのかな?
「うん。ところで朝ごはんを用意してくれたの?」
「ご主人様のお食事を用意するのは当然かと?」
何か、僕が間違った事を言っているように聞き返しているけど、僕と亜子ちゃんは決して主従関係じゃない。
それに僕としては昔みたいに大ちゃんと呼んで欲しいのに、なぜかご主人様だし……。
「あっ、うん。何かごめん。朝ごはんありがとう。一緒に食べようか」
「はい、では飲み物を用意しますので、少々お待ちください」
亜子ちゃんはそう言って席を立ち、キッチンにコーヒーの準備に向かった。
コーヒーを持ってくると亜子ちゃんも席に座って僕と一緒にご飯を食べた。
「ねえ亜子ちゃん、今日は何かしたい事ある?」
「いえ、私はご主人様とご一緒出来れば何でも。そう言えば、ここ数日、私の事ばかりでしたが、お仕事とかは大丈夫なのでしょうか?」
「あーうん、僕は今働いてないからね。だから、基本的には毎日暇なんだ」
「?お仕事をしていないのに、私を5億円で買ったのですか?あの…大丈夫なのでしょうか?」
「今の僕の収入は、だいたい株とかだからね。亜子ちゃんを買った時も、宝くじで当たった後に株で増えて、資産50億はあったからね」
「そうだったのですか?」
「うん。それに、亜子ちゃんを買った後にも株価が上がったみたいで、亜子ちゃんを買った時に亜子ちゃんの父親に払った分も、もお戻ってるからね」
「それはまた…凄いですね」
「そうだね。僕もおかしいと思うよ。でも、だから亜子ちゃんはお金とか気にしないで、もっとワガママも言っていいからね」
「…んー、そうですね。では一つだけワガママを宜しいでしょうか?」
「うん!何でも言って!」
亜子ちゃんからのワガママ!
亜子ちゃんが僕に頼ってくれた!
これは何でも聞いて上げないと!!
「えっとですね…。少しお金を貸して頂けないでしょうか?」
「もちろんいいよ!むしろあげるよ!僕のお金は好きに使っていいよ!それでいくら?1億?2億?」
「!!!そんなに必要ありません!!それに頂きません、お借りするだけです!」
「そっか…。それで、いくら必要?」
「そうですね…。とりあえずは10万程度をお貸しして頂けると…。」
「うん、いいよ」
僕は部屋に置いてある金庫から、10万を取り出して亜子ちゃんに渡した。
殆どのお金は、株を買っているか外貨として預けているが、とりあえず何時でも使えるように、家に1億は置いてある。
「ところで、そのお金は何に使うの?」
「はい、少しですが裁縫とか何か作るのが好きなので、何かをハンドメイドしてネットで販売してみようかと…」
「そうなんだ。亜子ちゃんってそんな事も出来るんだね」
「いえ、ホントに少し出来る程度なのですが…。少しでも自分の事は自分でやっていきたいので…」
「そんな、亜子ちゃんはお金の事なんて気にしないで自由にしてくれてれば良いのに」
「いえ、それでは何時までもご主人様にご迷惑をお掛けしていることに…出来ればご迷惑をお掛けせずに何時までも一緒に居れればと思いますので…」
何だか、少し前向きになってるのかな?
だったら僕は応援した方が良いよね。
「わかったよ。じゃあ、他にも何かやりたい事があれば、何でも言ってね」
「はい、ありがとうございます。ご主人様」
「じゃあ、今日はハンドメイドに必要な物の買い物でもしようか?」
「はい。では、簡単に出来る物でアクセサリーなどを作ろうかと思いますので、そういったお店に行ければと思います」
「じゃあ、近くの商店街に、アクセサリー用の小物が売ってる店があるから、そこに行ってみようか」
そう言って、僕と亜子ちゃんは出掛ける身支度を終えて、買い物に向かった。
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あと、他にも色々と書いていますので、もし良ければ見てもらえればと思います。