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僕は彼女をお金で買った  作者: 灰被り姫
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2話 亜子ちゃんのリメイク

「あのぉ、獅童様、よろしいでしょうか?」


「どうしたの亜子ちゃん?あと昔みたいに大ちゃんでいいよ」


「いえ、そんな。私をあの家から助けてもらった恩がありますので、そんなに気軽になんて……」


「まあ、徐々に戻ってくれればいいかな?それでどうしたの?」


「はい、何で私の事を買ったのでしょうか?見ての通りこんなにやつれてて、顔も別にキレイでも無く……。あの家から解放してもらえたので、命以外……どんな命令でも受ける覚悟はあります。でもこんな私では、その……奉仕を……性的な事を求められても満足出来るような見た目では無いと思うのですが……」


「何いってんの?亜子ちゃんは可愛いよ。それに命令?僕は亜子ちゃんを貰いに来たんだよ。だからさ、亜子ちゃんが良ければ、僕と結婚して欲しいんだ」


「??????……!結婚……!?」


「そう、結婚だよ。でも、亜子ちゃんみたいに可愛い子、僕なんかが相手じゃ、やっぱり嫌かな?」


「ぇ……っえっと、嫌とかではなく、何で私なんでしょうか?獅童様はとてもカッコよくお金もあり、こんなみすぼらしい私を選ぶ必要など、何も思い浮かばないのですが……」


「僕は、昔から亜子ちゃんの事が大好きだったんだ。でも子供の頃に大変な思いをしていた亜子ちゃんに何もしてあげれなくって……。それにこのお金も、宝くじと株で運よく増えたお金で、今後もお金持ちって訳でも無いんだ。だから、お金で解決出来るなら、僕が亜子ちゃんを助けたかったんだ」


「昔から……私の事を……?」


「そうだよ、幼稚園の頃に、誰とも遊ぶことが出来なかった僕に、亜子ちゃんが一緒に遊ぼって言ってくれたんだ。その後は僕もみんなと一緒に遊ぶことが出来たんだけど、きっとあの時に亜子ちゃんが手を差し伸べてくれなきゃ、いつまでも僕はボッチだったと思うんだ」


「そんな……きっと獅童様はその後ご自身でどうにかしていたと思いますが……」


「そんな事ないよ。あの時、僕は亜子ちゃんに救われたんだ。だから、それから少し大きくなって、大変な思いをしている亜子ちゃんに何も出来ない自分が嫌だったんだ。だから、どんな理由であれ手に入ったお金で亜子ちゃんを救えるならって、亜子ちゃんを買ったんだ。女の子を買うなんて、正直褒められる事じゃないのはわかるけど、他に方法が思い浮かばなくってね」


僕は、苦笑いをしながらも、亜子ちゃんをジッと見つめていた。


「そんな……そんな些細な事で、私をあの地獄から救っていただけたのですか?でもやはり、こんなにみすぼらしい私なんて、獅童様にはふさわしくは無いかと……」


「そんな事ないよ?亜子ちゃんは可愛いんだから、しっかりと身なりを整えて、栄養ある御飯を食べれば、すぐにみんなが二度見するような美人さんになるよ。だから、まずはこれから美容院に行って髪の毛の手入れをしようね」


「そんな……私なんかの為に、これ以上お金を使っていただくなど……」


「ん~じゃあ、しかたないけど命令ね。亜子ちゃんはこれから美容院で髪の毛の手入れ、その後はエステで肌の手入れ、その後は服を買いに行くからね。これは僕がやりたいことだから、絶対にやってもらうよ」


「そんな……それでは私の事ばかりで……」


「どんな命令でもうけるんだよね?さあ、行くよ」


「…はい、わかりました獅童様……」




最初の美容室、髪の毛の手入れなんて全然していなかったらしいので、かなり痛んではいたようだが、最高級の手入れをしてもらい、髪には艶が出て、ボサボサだった髪も真直ぐに。

当然、肌の手入れもしていなかったので肌に艶もハリも無く、表面もガサガサだったが、そこはプロに時間をかけて施術してもらい、見間違えるほどに美しい肌になっていた。

服は、あまりにも高いのは気が引けそうなので、中堅クラスの人気ブランドの服を店員さんに似合うものを選んでもらう。

正直若干ダボついてはいるが、それは亜子ちゃんの体形がとても細くなっているせいで、これからしっかりとした食事をしてもらえれば、今日買った服はピッタリになるだろう。

あと、おそらく下着も駄目だろうと話をしていると「獅童様なら……」と僕が見ている前で服を脱ぎ始めたが、正直下着もかなりボロボロなのを付けていた。

何年も買いなおしていないようだが、これに関しては少しサイズが変わってもいいように、多少大きくても落ちてこないだろうスポブラを今のワンサイズ上のサイズで購入した。

ぶっちゃけ、健康的な身体になればサイズも変わるだろうから、また少ししたらちゃんとしたのを買いに来る予定だ。

そうして、やつれている点を覗けば、そこにはしっかりとした美人が完成していた。


「やっぱり亜子ちゃんは可愛いよ」


「そんな……私なんて全然です……」


「そんな事ないよ。ほんとに可愛いよ。じゃあ、この後はごはんにしようか。何か食べたいものとかある?」


「いえ、普段は素うどんとかもやしとかしか食べて無くて、特に食べたいものも思い浮かばなくて……」


「じゃあ、とりあえず色々な物が食べられるビュッフェに行こうか」


「はい、獅童様」


「ねえ、大ちゃんはまだ無理みたいだけど、せめて獅童様は止めてほしいな」


「それでは……ご主人様でよろしいでしょうか?」


「うっ、それはそれで、とってもいいけど…出来れば君付けとかの方が……いやでもご主人様も……」


「それでは、外では獅童…君、二人の時はご主人様でどうでしょうか?」


「……………それでお願いします」


「わかりました、獅童君」


呼ばれ方にもやもやドキドキしている僕を見ていると、大きくなった亜子ちゃんが初めて笑顔になった。


「やっぱり、亜子ちゃんは笑顔の方が可愛いよ」


「………ありがとうございます」


亜子ちゃんは頬を紅く染めながらうつむいて、小さな声でお礼を言っていた。


そのあと僕と亜子ちゃんは近くにあるお店でご飯を食べて、一人暮らしをしている僕の家に向かう事になった。

その際、初めて亜子ちゃんから僕にお願いをしてきた。


「あのぉ……とても申し上げにくいのですが……先ほど獅童君に買っていただいた服では家事などがやりづらく……あのぉ、作業用に服を数着購入したいのですが……」


さっき、お店の人に選んで買った服は、基本的にオシャレ重視だ。

当然、家事をやるには不向きではあると思うが……


「別に、僕が家事はやるから、亜子ちゃんは特にする事無いと思うけど?」


「それはダメです……私は獅童君に買われた身、少しでも役にたたなければ生きている意味が……」


「そんな、亜子ちゃんはいるだけで良いのに。まあでも、動きやすい服もいるし、寝間着も買い忘れたし、一緒に買いに行こうか」


「いえ、そんな事に獅童君の手を煩わせるなど……私が買って帰りますので、先にご帰宅してもらえれば……」


「ん~、別に一緒に行くのは嫌じゃないんだけど。まあ、僕に見られたくない買い物もあるよね。じゃあ、このお金使って好きなだけ買っていいから、家で待ってるね。でもあんまり遅くなると心配がだから、なるべく早く帰って来てね」


「はい、獅童君」


そう言って、僕は亜子ちゃんに財布を一つ渡して、先に家に帰ることにした。

最後まで見ていただきありがとうございました。


もし良ければ評価とかしてもらえると嬉しいです。


あと、他にも色々と書いていますので、もし良ければ見てもらえればと思います。

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