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112 わたしにお世話させてください⑩

「えっ」


 陽葵が後ずさる。


「所長……そういう趣味があったんですか?」

「私はかわいい女の子を愛でるのが好きよ。ラブコメが好きなのはかわいい女の子がいるってが大きいわね。同天のヒロインの天奈ちゃんのフィギュアとか持ってるし」


「ほぅ」

「学生時代はさぁ……。露骨にいちゃいちゃできたんだけど、大人になってからは年齢とか人目や見た目を気にするようになっちゃうじゃない。でもお金払えば陽葵をむちゃくちゃに出来るんでしょ」


「あの……何か所長がコワイです。旦那様、許可はしないで」

「1万円でお好きにどうぞ」

「旦那様!?」


 所長から1万円を受け取ると、所長は陽葵に覆い被さった。


「あぁ……やっぱり若い子っていわぁ。20代前半ってやっぱスベスベよねぇ」

「きゃっ、どこ触ってるんですかぁ!」

「若さを吸収してやるーっ!」


 所長は後ろから陽葵の胸を揉みしだく。

 あんなに大胆に揉むなんて……さすが同性同士。


「ああ……陽葵の黒髪すごくいい……」

「やぁん! 気持ちわるい」


 そのまま所長が陽葵の黒髪に顔を埋める。やっぱり俺と一緒で埋めてみたかったんだな。あの黒髪は本当に特級だと思う。


 ちょっとやり過ぎな気もするけど……。

 ……しかしまぁ。

 ひょこっと所長が顔を出す。


「花村くん、そんなにガン見して……犯罪者みたいよ」

「所長にだけは言われたくないです」


「んぅ……あぁん」


 美女同士の絡み合い。最高じゃないか。

 乱れる陽葵の姿に目が離せなくなってしまう。


「花村くん、陽葵の弱点どこ。いっぱい触ってるんでしょ」

「どこも弱いです。首筋や耳も弱いし、くすぐるとすごくいい声で鳴いてくれます。オススメは脇腹です」

「ちょ……花村さ……ひゃああっ!」


 この声は多分脇腹を攻められたな。


「きゃははは、やめっやめっ! やめてぇ!」


 陽葵は耐えきれず床に倒れこんでしまう。

 しかし所長の責めがそれで終わるはずもなく、陽葵の弱いポイントを的確に責める。陽葵が助けを求めるが俺をその光景を見続けていた。


 今まではやるばかりだったが……見るのも悪くない。


「ふへ……」


 所長の責める手が止まり、陽葵は大きく息を切らして涙ぐむ。


「……はぁ……はぁ」


 お嬢様のように美しい子がこんなにも乱れて、顔を紅くしている。

 そんな姿がたまらなくそそる。

 流れる汗がポトリとお胸に落ちるのはたまらなく扇情的だ。


「陽葵」

「ふぁい」


 俺は涙目の陽葵に声をかける。


「俺も混じっていい?」


 見るのは終わりだ。さらば一万円!


「いいわね。第2ラウンド始めましょうか」


「ちょ! な、な……やああああ! 助けてぇえええええ!」


「ど、どうしたの!」


 俺の寝室から仁科さんが慌てて出てきた。

 陽葵が希望を求めて仁科さんに助けを求める。


「……に、仁科さん……たすけ」

「これは……つまり……」


 仁科さんが俺の方を見る。


「あたしも楽しんでいいってことだよね」


「え」


 陽葵の顔が固まった。

 寝室で俺と所長のやりとりが聞こえていたのだろう。


「仁科のお金は私が払うわ」

「じゃあ俺は陽葵の両手縛るんで2人で好きにやってください」

「ごめんね陽葵ちゃん。あたし……もくびれが欲しいの! 参考にしたいの!」


「ちょ、待って……こんな展開は嬉しくない!」

「陽葵、ボーナス弾むからさ!」

「いやああああああああああ!」


 お金というのは恐ろしい。

 お金払ったんだから何やってもいいだろう精神により強めの刺激が陽葵の身体に与えられる。


 随分引っかき回してくれたことだし、しっかり罰は受けてもらおう。




 ◇◇◇



「わ……わたしが何をしたって言うんですか……」


 床の上で踊る魚のようにピクピクと体を震わせて、長く美しい黒髪は乱れてしまった陽葵は……大量の汗を流して訴える。


「陽葵がかわいいのが悪いと思うわ」

「陽葵ちゃんがかわいいのが悪いよ」

「俺もそう思う」


「先輩って……ひどい。パワハラとセクハラで訴えてやる……」


 うぐぐ……と涙目になっているので頭撫でてあげることにした。


 所長も仁科さんも陽葵をおもちゃにしたことですっきりとした顔をしている。

 陽葵には悪いけど……今回の騒動ある程度落ち着いた方向に決着がつきそうだ。


 所長が俺と陽葵の関係は良くない、会社に報告するみたいになったら面倒くさいからな……。


「それで仁科。いつまで……上着を着てるの?」

「え……と」


 そう……仁科さんは上着を着込んでいた。

 そういえばメイド服着たんじゃなかったっけ……。足を見るとムチムチの素足が見えるので、メイド服には着替えているんだと思う。

 だけど勇気が出なくて上着で隠している感じか。

 いや、そこまで着たなら……公開して欲しいんだが。


「はやく脱ぎなさい! ほらっ!」

「ちょ、所長! 引っ張らないでください!」


 仁科さんが腋をしめて、剥ぎ取られないように踏ん張った。

 そして所長は仁科さんの後ろに位置どって、仁科さんの脇腹をぐりぐりと揉みほす。


「やぁん! あひゃひゃっひゃ!」

「隙あり!」


 所長も何かやりたい放題になってきたな。今度しっぺ返し喰らわなきゃいいけど。

 仁科さんも陽葵と同じくらい敏感肌っぽいのがたまらない。女の子になって美女とふれ合いたい人生だった。


 だがそんな思いは一瞬にして吹き飛ぶ。

 仁科さんのエロイメイド服は、……公開されたそれは本当にやばかった。


「仁科……あなたそれ痴女でしょ」


「いやあ! だから見せる嫌だったんです!」


 もう何というか陽葵の体系でもややギリギリのメイド服がはじけ飛びそうになっていた。ほんとムチムチだな! 太ももがすごいことにでも……。

 一番やばいのはやっぱ胸である。

 陽葵ですら谷間が見えるくらい空いているのに暴力的な仁科さんの胸だともうお尻みたいになっていた。

 その暴力的なものに俺の視線は釘付けとなる。

 あかんでしょ。その胸でメイドは無理でしょ。

 嫌と言いながらも着ちゃって、もう。


「は、花むっちゃん。露骨に見過ぎ!」

「仁科さん……それは無理だと思います」


 陽葵ですら呆れるほど……その格好はすごかった。


「でも見せたかったのね。唯一絶対無敵の武器だから。私には分かるわ」

「そ、そ、そういうわけじゃ」


「仁科さんまで雇うとか言わないですよね?」

「……」

「花村さんのおっぱい星人! わたしのおっぱいもいつもモミモミするくせにまだ必要ですか!」

「それ言うのやめて!」


「じゃ、私の家事代行してよ。仁科のご飯だったら毎日食べたいし」

「所長の家で2人きりになるのコワイので嫌です」

「なんでよ!」


 まぁ女でも平気で手を出す所を見ると危険だわな……。

 結局仁科さんは恥ずかしさに耐えきれなくなりメイド服を脱いでしまい、今回の件は無事収拾がつくことになる。

 雇っていい? って聞いたら辞退です! って怒られた。残念。


「ひとまず……花村くんと陽葵は雇用関係って感じね。まぁ……いかがわしい1万円は気になるけど……」


 それを言われると何だか困る。


「まぁいいわ。仕事に影響が出ないなら今の所は見逃しましょう。仁科もいいわね」

「うん……今の所は……」


「もちろん所長や仁科さんにも助けて頂いた分、仕事でもお返しさせて頂きます」


 とりあえず何とかなったようだ。

 これで一件落着かな。


「さて陽葵、仁科。後でSNSチャットで話をするから付き合いなさいね」

「分かりました。陽葵ちゃんの真意も聞きたいし」

「ええ……葵さんや茜さんにもお伝えしないとですね」


「え」


 何かすごい話が始まろうとしてるんですが……。


「あの……俺もそのSNSに……」

「花村くん」


 所長は言った。


「男は黙ってなさい」

「はい、すみませんでした」


 所長って一番小さいはずなのになんでこんなでかく見えるんだろうな……。

 女性陣の話が気になりつつも今日という日が終わることになる。


 どっと疲れてしまった。

 致命的なバレは避けられたからまぁ良かったか。

 もう……お米炊子ってバレても問題ないように見えるけど俺の凝縮された性癖はこんなもんじゃないからな。

 過去の作品とSNSの言動まで遡られたらちょっと宜しくない!


 やはり……なるようになるしかないか……。

 



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