108 わたしにお世話させてください⑥
「あのー、旦那様、前が見えないんですけど」
「それがいいんじゃないか」
今、俺は陽葵にアイマスクを被せて、手を軟性の枷で縛っている状態にしている。
メイド服を着た陽葵がキョロキョロして不安になっているところを食い入るように見守っている。
やばい興奮してきた。
最近連日陽葵に一万円払っていろいろなプレイを強要している。
こんなことをしてはダメだと思っていながらも……つい陽葵が誘ってくるのでやってしまった。
俺は今まで自分の性癖を自分の頭の中で再現してきた。
しかし、今はそれを陽葵がやってくれることによりリアリティのある描写に生まれ変わるのだ。
やはり百聞一見にしかずだな!
ただ痛い系は俺の趣味ではないためそっち系はやってない。陽葵の綺麗な肌に傷つけたくないからな。
直エロ系もNGだ。これは俺の書く作品のほとんどがほぼ15禁以下だからである。
エロに対しては自然とセーブしてしまっている。なので陽葵はちゃんと生娘のままである。
脱げとかそういう命令はしない。見えそうな見えないくらいが一番興奮するの……分かってくれないかな。
「花村さ~ん、もういいんじゃないですかぁ。何も見えませーん」
そうだな。どこかにぶつけて、綺麗な顔に傷がついたら大変だ。
俺は陽葵の後ろにひょろと近づく。陽葵は俺が後ろにいることに気付くはずもない。
よし……やってみるか。
そのまま陽葵の脇腹をぐにぐにともんでやった。
「うにゃあああ!?」
びくんと陽葵は強く体を震わせる。
そう、そう。その声、その動き、その表情だよ。
参考になるわぁ。
びっくりして後ろに倒れる陽葵をそのまま抱き寄せる。
「きゃははは、やめ、やめ、無理、いやああああ!」
「いい反応だねぇ。最高だよ!」
ワキ舐めしたときに分かったことだが陽葵はとても敏感な体質で、反応が非常に良い。
あと陽葵の脇腹は何というかろくろで作る陶磁器のようであった。
さらに言えば名器とも言えよう。
粘土でかたどるように両手で包み込んであげるとその圧倒的なくびれに驚く。
触れればスベスベの肌となり、力を入れれば柔らかな肉で感触がまさに最高級の外腹斜筋。
そこを揉み込んであげるたびに陽葵は淡い悲鳴を上げるのだ。
俺は人間陶芸家になったかのようにそのくびれを蹂躙する。
こうやって目隠しすると不安になるようで反応が非常に強くなる。
見えない状態で何かをされるってすっごい怖いんだろうな。
これもとても参考になる。
両手を動かして、陽葵の細いウエストを揉み込むと陽葵は暴れ回って強い息を吐く。
その際、今日履いている淡い色の下着とか揺れる胸元とかじっくり見てしまうのは仕方ない。
見えそうで見えないのもいいが、うっかり見えてしまうのも最高にいい。
「く、く、くるしいぃ! ひゃはぁぁ……」
AVだと汚い声にやる気を失うことも多いが、陽葵の声はまさにセイレーンのごとき耳心地の良い声。
悲鳴なのに何だろう安らぐというか……もっと聞きたくなってしまうのは中毒性があるからなのか。
陽葵はあらゆる声が美しい。もっと悲鳴あげさせたい。
ただ……あまりやり過ぎると呼吸困難になってしまうので適度な所でやめてあげる。
アイマスクを取って、手かせも外してあげる。
「ひゃん……旦那さまのえっち……」
床に倒れて、涙ぐんで疲れ果てる陽葵の姿はまたぐっと来る。
これも創作の参考にすっごくなるのだ。
また書きたくなってきたぞぉ。
フリーになっている陽葵のワキを指でなぞる。
「うひゃん! やぁん!」
これこそいい声で鳴いてくれるってことだろう。
そして。
「あ、あの……」
「なにかな、なにかな」
「これはさすがに恥ずかしすぎます」
「良きかな、良きかな」
陽葵に1万円払って今度はおへそを見せてもらうことにした。
メイド服は上下分離型なので上をまくってもらうことで小さなおへそが露わになる。
「お、おお……」
「た、ただのおへそじゃないですかぁ」
「小さくてかわいいよ」
つっついてみる。
「ふひっ!」
「しかし陽葵って……ウエスト細いよなぁ。ごはんたべてる?」
「ちゃんと食べてます! わ、わたしはお肉がつきづらい体質なんです」
陽葵は晩ご飯を一緒に食べるけどあきらかに少ないもんな……。
手足の細さ、脇腹のくびれ、小顔で余計なお肉が一切ない。
ただ触れてみると極上の肉感を持っており太ももも一級品であることを俺は知っている。
「所長や仁科さんはよく食べ過ぎたって言ってるもんな」
「所長は相当トレーニングしてますからね。休日はエアロバイク漕いでるって言ってましたよ」
夏にビーチで見た所長の身体は磨かれた感じだった。
陽葵が天然なら、所長は究極に不要の部分をそぎ落としたって感じだろうか。どちらも美しいに違いないが。
「仁科さんは……体質的に肉付きがいいですからね」
「あれはすごいよなぁ」
服着てるだけですでにいやらしいからな。
スーツ着ている時は上手く隠しているんだけど、私服はもうピチピチだ。
「でも仁科さん、小顔でかわいいんですよねぇ。あのボディと小顔はアンバランスすぎる」
「それは思う……」
そして俺は今回のために用意した筆を2本取りだした。
「旦那様、何をするつもりですか!」
「おへその掃除をしてあげよう」
「ヘンタイさんだぁあ!」
もうね……もういいんだよ。
俺はもうヘンタイでいいんです。
今度はずかし固めとかして顔を真っ赤にさせてみたいな……。
俺は陽葵のお腹に筆を走らせる。
「きゃはっ! もうやだぁ」
くすぐったそうにお腹を揺らすので楽しく……筆を動かさせてもらった。
このダンスに名前をつけてあげたい。
ああ、最高だな、この時間。
もうやめられんわ……。
俺はもう1万円で陽葵と遊ぶことに喜びを感じ始め、その気持ちを創作にぶつけることで強い性的発散が果たされるようになった。
「うひょーーーJK!」
そんなわけで陽葵が高校の時に着ていた制服を着てもらっている。
お金持ち女学校の制服だという。何て可愛らしいんだ。
写真を撮って参考にしたい。
「うーん、ほんと久しぶりですね」
陽葵はくるっと一回りする。
スカートがひらりと揺れ、本当に女子高生が俺の家にいるような錯覚に陥る。
男子高だった俺は高校生の時に女子高校生と会ったことはない。
だから女子高校生とは幻想の世界の住人かと思ったくらいだ。
まだまだいけるじゃないか。陽葵、女子高生いけるぞ!
「腰回りとかは大丈夫なんですけど……」
「ふむふむ」
「胸がキツイなぁ」
大人になったあるある!
まだまだ成長しているってことなんだろうな。
……そういえば大学時代に女子高生の陽葵に出会ってたな。
「陽葵、ソファに座って髪を二つ結びにして本を読んでよ」
「もう、出会った時の再現ですか」
陽葵は側のソファに座り込む
髪をゴムでまとめて、綺麗に足を寄せてる。
その姿はまさしく、思い出の美少女女子高生!
「YOYO,そこのかわいい女子高生ちゃん。俺といっぱいやってかないかい?」
「誘うの下手すぎませんか?」
「ナンパってこうやるんじゃないの?」
「思い出クラッシャーはやめて欲しいんですけど」
その言い方はつらい。
ま、実際にお互い知り合いたかったけど勇気が出なくて声が出なかったくらいがちょうど良いのだろう。
どちらかが積極的だったら……今のような関係になってなかったと思う。
「この後どうするんですか? スカートの中に顔をつっこみます?」
「さすがに下着直はなぁ……」
「あ、スパッツ履いてます」
「じゃあ失礼します」
「花村さんってやっぱり……ヘンタイさんですね」
スカートの中ってこーなってんのか。
スパッツ姿も良い。これも創作の糧となるだろう。
「陽葵……ちょっとほっぺ貸してくれないか?」
「すみません。旦那様が何言ってるかよく分からないです」
困った顔をする陽葵ちゃん。そんな顔をさせたかった。
「最近ネットで見たんだけど……男性の手のひらの上にほっぺを置いて無言で自己主張することをほっぺ攻撃なんて言うらしい」
「ほぅ」
陽葵は興味深そうに声を上げた。
さっそく俺の手のひらにぷにっとほっぺをくっつけた。
「……」
「もちもちしてて良き」
これは実に素晴らしいな。
考えたやつは神様かもしれない。
手を優しく力を入れるとスベスベの肌に触れる。
陽葵がぐいぐいと俺の手のひらにほっぺをすりつけてきた。
「……」
「確かに構ってあげたくなる気になるな」
「ふふ、もっと構ってもいいんですよ~」
無言に飽きたのか声を出してくる。
男だと髭が当たるからこうはならない。
「うへへ、旦那様の手のひらあつ~い」
「ほっぺも結構熱いぞ」
やっぱ女の子って最高だな! 毛深い女子もいるから一概には言えんけど……。
陽葵はどんなプレイも受け入れてくれる。
例えばこんなプレイをしたことがある。
「は~い、飛鷹くん、ママですよ」
「ばぶ~~~」
「もう、だめな子でちゅね。陽葵ママが撫で撫でしてあげますから」
「きゃっ……きゃっ」
「うふふ、かわいい子」
「ばぶ~~~」
「さぁ、一緒に寝まちょうねぇ」
「なぁ俺、何やってんだろ」
「ちょっといきなり素に戻るのやめてくださいよ。赤ちゃんプレイ頼んだのは旦那様じゃないですか」
「……オギャってみたけどやっぱ赤ちゃんプレイはちょっと難易度高かったな。陽葵のバブみは良かったと思うぞ」
「ふふ、これでいつでもお母さんになれますね」
もちろん俺の性癖に合わないプレイも何度かやってみた。
俺は合わなくても創作の主人公の性癖となる可能性がある。
素に戻るのも描写としてありかもしれない。
俺の好み、好みじゃないプレイを陽葵に強要してしまったことで嫌われる可能性があったが……。
「花村さんが構ってくれるとドキドキするんですぅ」
色っぽく言われるので案外好きなんじゃないかなって最近思うようになってきた。
だが誤解しないでもらいたいのは何もプレイを強要しているわけじゃない。
陽葵もまたチャンスがあるとここぞとばかりに攻めてくるのだ。
それはある日の夜中。
「ふぅ」
夜中に小便がしたくなり、トイレへ行った帰りのことである。
最近陽葵は朝食も作らせてくださいってことで俺の家で泊まることが増えてきた。
金を稼ぎたいのかな……なんて思ってたけど最近そうではないことに気付く。
今俺が住む802号室は2部屋あるので布団さえあれば2人寝る分には支障はない。
陽葵が俺の部屋で寝て、俺は執筆部屋に布団敷いて寝ているので……何の間違いも発生しない。
俺の部屋はしっかりロックしているので侵入されることもない。
「旦那様」
ひょっこり陽葵が現れる。
夏のレクリエーションとは違い、男を惑わせるちょっとえっちなキャミソールを着ている所が何とも狙っている感がある。
随分と肌色面積の多いキャミソールだなぁ……。俺じゃなきゃ速攻襲われてるぞ。
「1万円で添い寝しますよ」
「いりません」
「今なら100%OFFで添い寝します! わたし、抱き枕になります」
「いりません」
「ソイネ! ソイネ!」
祭りでもやってんのかなこの子。
創作的に添い寝はありなんだけど、さすがに布団の中に入られると我慢できなくなる。いくら俺でもそこは最後の砦としたいと思う。
「構ってくださーい」
くっそ、しつこい。
俺の部屋の扉にしがみ付いてくる。
この積極性はもっと違うことにできないんだろうか。
力任せに剥がして……ケガさせたら最悪だ。陽葵は綺麗な身体のまま追い返したい。
そうなるとあれしかない。
「意地でもしがみ付いてやりま……フヒヒ!」
残念だが陽葵の弱点は知っている。
そんな横肌とおへそが見えるキャミソール着ているから狙われるんだ。
脇腹を一揉みで仰け反り、二揉みで地に沈み、三揉みで悲鳴を上げる。
「ちょっと君は反省した方がいい」
「にゃっ!? にゃ! きゃははは、ごめんなさい、ごめんなさい!」
「しっかしいい脇腹してんなぁ……。もっと揉んでいい?」
「揉むのは……違う所を……こんなの望んでない、やだぁっ!」
「俺は結構望んでるよ」
「はひ……はひ……」
徹底的に脇腹を揉み込んでやると陽葵は汗を流してしまらない顔になってしまう。
さすがに悪いな……と思ってしまうが陽葵は半笑いで言う。
「旦那様、もっとやってぇ」
「寝なさい」
俺の性癖により陽葵がどんどん変な方向に行っているような気がするが、まぁ喜んでくれているならそれでいいだろう。
しかし……、心優しい陽葵も全てを許してくれるわけではない。
それはある日の夜。
「ただいま……」
「旦那様、遅かったですね」
陽葵には合鍵を渡しているので仕事も陽葵が早く帰って、晩メシの準備をしてくれることが多い。
「陽葵、ごめん。ハグしていい?」
「は~い」
超絶美女を1万円でハグできる権利最高である。
風俗の値段考えたら高いが陽葵を抱けると考えると間違いなく安い。
疲れた時は美女をハグが一番だ。
力いっぱい陽葵を抱きしめる。
胸の柔らかみもほっぺのすべすべさも黒髪の美しさも背中の肉感も全てが嬉しい。
ああ、仕事の疲れが浄化されていくようだ。
「今日、遅かったんですけど……何かあったんですか」
「うん、仕事でミスしちゃった」
「あら、じゃあ所長に怒られたんですね」
「うん、ちょっとだけね」
「何をしちゃったんですか?」
「えっとね。お客様に出す見積の金額を間違えてね。再度出さなきゃいけなくなった」
「え」
「これがね、単純なミスじゃなくて……大元の数値を勘違いしていてね」
「ええ……」
「つまり明日、陽葵が残業しなきゃいけなくなるかもしれません」
俺が指示して陽葵に作ってもらった資料に大きな間違いがあり、根本的に作り直さなきゃいけなくなったのだ。
その資料が結構ややこしくて……陽葵も苦労していた。
つまり……同じことをやってもらう形となる。
「陽葵、ごめん」
俺は陽葵をぎゅっと抱きしめた。
「……花村さん」
「はい」
「今日の給料はいらないので……」
陽葵は俺から離れていく。
「正座しなさい」
「本当に申し訳ございませんでした」
俺は深々と陽葵に土下座をしたのであった。
やっぱ抱きしめてごまかそうと思ってたけど……無理でしたとさ。
そんなわけで俺と陽葵は割と仲良く……やっていけてる……そう思っていた。
だけど、その幸せは長くは続かない。
なぜなら所長と仁科さんより花村と陽葵の関係について強制招集がかかったからである。
なんか二人とも怖いんですが……これはやばい?