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104 わたしにお世話させてください③

 一通りの説明が終わり、洗濯物を洗濯機に突っ込んで稼働させたので、九宝さんには買い物へ行ってもらうことになった。

 費用はもちろんこちら持ちである。


「俺は何をしてるんだろうか……」


 この九宝さんの家事代行の際、俺の副業がバレたくなかったので、この階のワンフロアを借り入れて、俺の第二の家としている。

 前に住んでいた801号室は俺の創作グッズが山のようにあり、2週間で片付けるのは不可能。あの一室は倉庫という形にした。

 家具とかも移動する時間がないので急遽もう1セット購入し、新しい部屋に入れている。


 前の家から移動させたのは仕事道具と服くらいなものだ。

 この件で俺、多分数百万くらい使ってると思う……。これから二部屋の家賃も払わないといけなくなる。


 俺は801号室のカードキーは肌身は離さず持ってるし、創作関連の郵便とかも801号室に届くようにしているのでぬかりはない。

 後で九宝さんに俺宛の荷物は一切関わらないことと……念をおさないと……。


「うわぁ……やっぱ無理かなぁ。隠し通せないかなぁ」


 やっぱ家事代行の件、何とか断る手段を決めないとだめかなぁ……。

 でも九宝さんを夜の店入りさせるのは絶対嫌だし……。

 何で俺はこんなことで悩まなければいけないのだろう。


 1時間後、九宝さんが帰ってきた。


「じゃあ……仕事着に着替えますね」


 まぁ……家事代行は必要だと思っていたし、ちょうど良かったけど……でもなぁ。

 俺の寝室へ入っていった九宝さんを見送る。

 九宝さんの手料理が食えるってだけで満点かな、


「お、お待たせしました」


「ぐほっ!?」


 想像もしない事態に目が飛び出そうだった。


 九宝さんは仕事着と言っていた。

 料理や掃除のしやすい、動きやすい格好にするのだろう……そう思っていた。

 しかし九宝さんが着ていた格好は……メイド服だった。


「な、な、な……?」


 照れた様子の九宝さんがメイド服を来て、俺に見せびらかせているのだ。

 しかもそれはただのメイド服ではない……改造されたメイド服だった。

 まず足先。

 本来、メイド服とはロングスカートが多いと思っていた。

 しかし……九宝さんはミニスカート型となっている。真っ白いふとももが露わとなるのだ。

 こんなの漫画やエロアニメでしか見たことねーわ!

 

 そして何より胸元だ。めっちゃくちゃ空いており、スタイルの良い九宝さんの胸元をこれでもかってほど見ることができる。

 屈むだけでしっかりとした谷間が俺の視線を釘付けにするんだろう。

 あと両肩を出してるのもセクシーだ。ワキも甘く……手を挙げれば舐めたくなるような素晴らしいワキを見ることができるだろう。


「な、なんでそんなえっちな格好してるんだよ」

「は、花村さん、好きかなって思いまして。短大の時の友達に相談したらこれを着ろって言われたんです」

「好きだよ、チクショウ……」


 黒髪ロングの超絶美女がえっちなメイド服着てるんだぞ。そりゃ興奮するわ。

 黒髪ロングとメイドプリムって相性いいよなぁ。


「この前言ってた……性奴隷ってのはウソではないんです」

「え?」

「……花村さんの望むことを何でもしてあげたいです。……家事代行だって無理やりお願いしているので……わたしは何されたって構いません」

「あ、いや……その」


 九宝さんが突然ソファにごろんと倒れ込んだ。


 視線はもちろん、ミニスカートがめくれて見えた、淡い色の下着にいってしまう。

 これは絶対に誘ってる。九宝さんは俺を誘っている。


「落ち着こう!」

「……花村さんの望むこと何でもします。胸でもお尻でも触ってもらって構いません」

「で、でも」

「大好きな花村さんに触られるなら本望ですから」


 あああ……

 やばい、これはやばい。

 ここには俺と九宝さんしかいない。止めるものなど何もないのだ。

 このまま行くとこまでいっても誰も咎めるものなどいない。


 でもここで彼女を襲えば……何かが崩れてしまいそうな気がする。


 落ち着くんだ、俺。

 俺は落ち着いて九宝さんの寝転んでいるソファの側に座る。


「あ……」


 年下である彼女の髪を撫でた。


「だめだよ、そんなことしちゃ」

「花村さん……」

「体が震えてるじゃないか……。ぶるっ」

「ん? 花村さんの方が震えてませんか」

「こ、こ、言葉でも怖がってててて」

「花村さんの言葉の方が怖がってですよね」


 どうやら俺は年下を宥めるナイスガイにはなれないらしい。

 

「この前Eカップになったので……触って頂いていいのですよ」


「っ!」


 振り切るように俺は立ち上がった。


「君は凄く魅力的だ。危うく触る所だったよ……」

 

 がたっと九宝さんもつられて立ち上がる。


「だけど俺は君を抱くことは」


 今度は九宝さんが前から飛びつくように抱きしめてきた。

 柔らかい女の子の感触が! すっごくいい匂いがする。

 ああ! もう今、すっごくいい話しようとしていたのに。


「大好きな花村さんに触られるなら本望ですから」


 ああ、もう触っていいんじゃないか。ここまでしてくれるんだし……。


 俺は少しだけ体を引いて九宝さんから距離を取る。

 潤んだ瞳が印象的な九宝さんの顔が見えた。

 こんな表情をされたら抱き寄せて至るところに口をつけてしまいたくなる。


 視線を下げると豊かに育った胸の谷間が見える。

 ああ、絶対柔らかいんだろうなぁ。その谷間に指をつっこんでみたいなぁ


 俺は不器用に両手で九宝さんの背中に触れる。

 柔らかな黒髪が俺の手に広がった。

 この爽やかで綺麗な黒髪もむちゃくちゃにしてもいいのか……。


「九宝さん」


 ……理性を働かせろ。

 本当にこんなことでいいのか。

 性欲に負けて無茶苦茶なことしていいのか。

 今後の関係は……。やるならちゃんと関係を整理してからにした方が何倍も楽しい……はず。


 びびってるわけじゃないぞ。

 いや、びびってます。ヘタれてます。


 対処方法が1つある。しかし、この手だけは使いたくなかった。

 だけど……暴走している九宝さんを止めるにはこれしかない。


 ゆっくりと九宝さんの腕を持ち上げる。

 九宝さんは素直にそれに従った……。何をするか分かってないんだろう。

 俺は九宝さんの右腕の下に顔を差し込む。


 ……このメイド服は腋が空いている。

 つまり。


 ペロリ。


「ふひっ!? いやああああああ!」


「ぐはっ!」


 突き飛ばされた。

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