表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

爆縮と体温の機知(9)

春が遊ぶ

カタコト鳴る深夜に

成り損なった音がする

木の張りから逃れたと云えば

聞こえだけは良い

グゥアウグゥアウ鳴る家の外で

草刈り機のエンジン音のような振動が

何処かでしている

春が遊ぶには丁度良い


吹き飛ばされてきた

プラスチックの長細い棒は

振動している内に

ゆっくりと剥がれたように

折れもせずに飛んできていた

傍らには白く賑やかな小さな花が

タンテンと咲いている

春が遊ぶには丁度良い


朝と夕方の肌寒さで

カレンダーを一時的に忘れ

昼の暖かくなってきた陽気も忘れ

冬の後ろ髪に操られる

遠くに片付け途中の雛飾りを見て

漸く思い出す

部屋の温度と湿度と自らの鼻崩れ

春が遊ぶには丁度良い


休日の昼下がりの

窓際のいつもの場所は

祖父が使っていた椅子と

最近、用意した

折り畳みテーブルがある

混在することの意味を知る

貫くべきものと変化を促すもの

元になっているものの上に立つ

春が遊ぶには丁度良い




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ