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歴代勇者の後始末  作者: なななな
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XSランク

さて、突然だが冒険者のランクについて話そう。

冒険者にとってランクとは一つの強さの目安であり、自分や相手の強さやクエストの難易度を分かりやすくしたものであり、ランクはF〜Sの7段階に分けられている。

しかし、実はこれだけではなく例外が存在している。


それがXランクと呼ばれるものであり、こっちもXF〜XSの7段階存在している。

このXランクは簡単に説明すると、『他の冒険者とパーティを組むのに適した能力ではない』ということだ。


もう少し詳しく説明すると、周囲一帯を纏めて吹き飛ばす大規模破壊の能力であったり、毒などの状態異常などを敵味方関係なく無差別にばら撒くなどの能力を使う冒険者に与えられるランクである。


強さとしてはX○ランクの○に当てはまるアルファベットのランクと同等であり、場合によっては周囲の被害を気にせずに大規模な攻撃が出来るXランク冒険者1人の方が同ランクの冒険者パーティよりも強さを発揮することもある。

さて、長くなったが冒険者のランクについては以上だ。

ちなみに自分のギルドにはXランク冒険者やXランクに該当する騎士は所属していない。


さて、そんなXSランク冒険者が自分の身の前にいて何故か仲間にしてほしいと言う。

うーん、理由を聞かないと良いものもいいと言えない。


「えっと、何故ウチに?」


「はい、私達兄弟も他の冒険者の方々と同じ様に勇者様と行動を共にするという名誉ある仕事をしたいと思っておりました。しかし、能力が逆に勇者様ご一行の邪魔になってしまうと思い断念しました。そんな折勇者様が仲間を集めていると聞いたのでこうしてXSランク冒険者の私達でも何かお役に立てることがないか直接聞きに参りました。」


ほぉ?この私の仲間になる名誉が欲しいと申すか。

いやぁ俺も名前が売れたものだなぁ。

…まぁ、本当は俺個人じゃなくて勇者の肩書きの方が重要なんだろうけど。

勇者としてやったことといえば、カラクリ屋敷に翻弄され、暴食の魔獣に一方的にぼこされて撤退、新しいスキル習得のためにした修業では中途半端なスキルを習得して嘘ついて切り上げる…やばい何一つとして勇者らしくない。情けなくなってきた。


とは言え、戦力が増えるなら問題ないだろう。

決して断れないわけではない。


「…うん?兄弟?」


ホリック・ワーク以外の姿は見えないが、どこかで別行動でもしているのだろうか?


「あっ!紹介が遅れました。こちら私の兄のヘイト・ワークです。」


そう言いながら降ろしたリュックの中には気だるそうに寝ている1メートルにも満たない小さな少年がいた。


「え?兄?え?」


「はい、兄は先祖返りでして。」


なんと、ホリック・ワークの兄であるヘイト・ワークは人族の家系であるワーク家の人間だが、先祖返りを起こして小人族になってしまったらしい。


「兄様、せめて挨拶だけでもお願いします。」


そう言われたヘイト・ワークは、


「ん?んぁ〜…よろしく。」


と言ってすぐにまた寝てしまった。


なんだ?弟と真逆でやけにやる気が無いな。大丈夫なのか?

…もしかしてこいつ弟に寄生してるんじゃ?

そんな考えを察知したのかホリック・ワークは


「兄様は普段は少々気だるそうですが、いざ戦闘となると無類の強さを発揮するのです!私など足元にも及びません!私がXSランクになる事が出来たのも全て兄様のお陰なのです!」


とヘイト・ワークの強さを主張した。

なんだろう必死に主張すればするほど余計に寄生疑惑が濃厚になっていく。

どうしようか正直お荷物になる人物はお断り願いたい。

誰だ既にお荷物な雑魚が1人いるって言ったのは。

入れるべきかはギルドのメンバーに判断してもらおう。どっちにしろ自分1人の一存で決められる事じゃ無いし、もし偽物だったとしても分かるからな。


ギルドメンバーにも判断してもらう事を伝えて移動する。



   ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



場所は変わって我らがギルドの拠点の元魔改造の勇者の屋敷の一室。

何故テレポートで転移しなかったのかを聞かれて恥ずかしくなったり、メンバー皆んなが自分達で出来る仕事を探して済ませてくれていた事を知り自分が情けなくなったりといったちょっとした出来事を挟みつつ、遂に始まる我がギルド初の入団面接。


面接官は勇者(笑)の自分と屈強なSランクの冒険者や序列100位以上の騎士の皆様方、普通なら強者から放たれるプレッシャーで心拍数が凄いことになりそうだが入団志望者は顔色ひとつ変える事なく堂々としておりもう1人は堂々と寝ている。

少しの沈黙の後に出た結果は、


「駄目だブレイトセイバーへの入団は認められん。」


となにげに俺の羞恥心を刺激しながら不合格との結果を出した。やっぱり寄生してたのか?それとも偽物だった?

だが、理由はどちらも違うらしい。


「いいか、お前はまだ知らないだろうがXランクの扱い辛さは並大抵のものじゃ無い。特にこいつらは集団との相性は最悪だ。」


「そ、そんなに?」


「あぁ。こいつらの戦い方はまず『嫌働』がスキルを封印する結界とステータスを減少させる結界を張る。その相手に『求働』が接近戦を仕掛けるというシンプルなものだが、この結界が厄介で敵味方関係なく無差別に効果を発揮するんだ。」


と説明してくれた。ちなみに『嫌働』とはヘイト・ワークの二つ名である。

なるほど確かに強力だけどじゃあなんでそんな結界の中でホリック・ワークは戦えるんだ?

その事を聞くと、


「『求働』は結界を無効化出来るスキルを持っている。だからあの強力な結界の中でも問題なく戦えるんだ。」


なるほどそれは確かに集団との相性は最悪だな。


「という訳でお前達兄弟の入団を認めることは出来ない。」


ともう一度不合格の旨をハッキリと告げられたホリック・ワークは絶望した様な表情を浮かべていた。

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