爆殺勇者爆誕!!
「昨晩はお疲れ様でした。」
俺、高川太一は今宰相さんの部屋に居る。(今度はちゃんとメイドさんに案内してもらいました。)前回まさかの迎え酒で酔うという自分でもビックリな酒の弱さで見当違いの方向に向かってしまい、まぁ色々あって結局話が出来なかった。
その日の夜は敵襲でバタバタしていたし。
「あぁ…えっとお、お疲れ様でした…。」
べ、別に後ろめたいことがある訳じゃ無いし?あの敵襲は俺のせいじゃ無いし?
「?。騎士達も居ましたし大丈夫とは思いますが、身体の不調等はございませんか?」
「はい、大丈夫です。」
「しかし、報告書にはドラゴンも居たと…魔王は倒されたし、まだ幹部級の魔族が残っていたのでしょうか?」
そういえばダイトもそんなことを言っていたっけ?
「まぁ今はそれよりも…」
と、そこで宰相さんが隣に座っていたレイザルに視線を向ける。
「先日は我が兄が大変失礼しました。」
ワガアニ?我が兄…あぁあのマッドパスって人か。本当に怖かったよ。
「マッドパスはもう手遅れなレベルで狂ってますからねぇ。」
本当だよ!狂いまくってるよ!どうしたらあんなになるんだろうかねぇ!?
「いやぁ、流石に私も解剖云々は言い過ぎたかと…。」
この声を聞いて身体がビクッと反応してしまった。忘れもしないあの時聞いた俺の心に恐怖を植え付けた存在の声。
恐る恐る後ろを振り返ると、そこにはレイザルさんに似た顔だちの人が居た。
…誰?
「先日は失礼しました。三日間徹夜で気分がハイになっていたもので。」
もしかしてマッドパスさん!?
「えっ!?ター○ネーターの目は!?ドクター○ロみたいな頭は!?金属の腕は!?」
「ターミ?ドク?あぁあの目や頭や腕は魔道具です。作業効率がとても上がるのですよ。」
あれって取り外し出来んのかよ!?
「なるほど、あの魔道具を装着している時に遭遇したのですね。あの見た目で解剖云々と言われたら確かにゾッとしますね。」
あの時はまじで怖かった。初めて腰抜かしたよ。
あれ?そう言えばあの時なんか声がしたような?酔ってて幻聴でも聞こえたのか?
「まったく、あなた達カノスール家の人達は集中すると周りが見えなくなるきらいがあります。」
「「す、すいません。」」
「私ではなく勇者様に謝罪を。」
「「申し訳ありませんでした。」」
「いえ、別に大丈夫ですよ。」
俺の許しを得て(なんか俺偉そうだな)ホッとした表情の二人。
「さて、この件はひとまず解決したということで。勇者様、先日説明出来なかった今後のことについて説明をさせて頂ければと思うのですが。」
そう言えば元はそうだったけ?
「お願いします。」
「では、先日は少々突発的にクエストに行く事になりましたが、これからは主に私や担当の者を通してクエストを受けてください。こちらは歴代の勇者様方のプロフィールとそれぞれの残した問題を纏めた資料です。」
そう言って手渡されたのはそこそこの厚みのあるルーズリーフの資料を重ねて作ったバインダー。
パラパラと読んでみると、歴代の勇者で問題を起こしていないのは初代と先代の勇者だけだった。
他の勇者は規模の大小や数の多さこそ違えど何かしら問題を残していた。
ちなみに俺は20代目の勇者だった。
その後も、クエストをクリアすれば報酬が支払われる事や、把握していなかった問題が分かった場合には可能ならそのまま解決して欲しいが何らかの理由で不可能又は厳しいと判断した場合はその旨を伝えて欲しい等々、色々と説明された。
ちなみにこれからはあのヒロキって人の造った屋敷が拠点になるからそっちにメイドさんやその他スタッフを派遣してくれるとのこと。本当に何から何まで至れり尽せりな待遇だ。
ありがたいけど逆に怖くなる。まぁ奴隷的扱いじゃ無い訳だしいいか。
一通り説明が終わった後はカノスール兄弟も交えて雑談する事になった。
「そういえばあの時何をしていたんですか?」
マッドパスさんに聞いてみる。
「あの時は爆弾を作っていたのですよ。具体的には13代目勇者のイツキ様の仰っていたカク爆弾という物です。」
核爆弾!?ちょっ!?なんて物をなんて人に教えてんだ13代目勇者ェ!!
「ちょっ!?」
思わず声が上ずってしまった。
「もしやその反応はカク爆弾を知っているのですか!?」
「知ってはいますけど、やめておいた方が…」
「どうか協力してもらえませんか!?どんな怪物も爆殺し、地形を変える事も出来る威力と聞いておりますが本当ですか!?」
「ええまぁそうですね。」
「おぉ!実はここに試作品があるのですが、どうでしょうか?」
ちょぉぉぉい!!なんでこんなとこに持ってきてるんだよ!?
「あああ危ない危ない!!」
「大丈夫ですよ。この安全装置を外さない限りは。」
フラグ建てやがった!
「は、早く仕舞ってください!」
「わ、分かりました。あっ!」
ぽろっとマッドパスさんの手から落ちる核爆弾(仮)
「ウワアアアァァァァァァ!?」
カキンッ!と音を立てて安全装置が外れた。外れてしまった。
「ギイャァァ!!!!!」
「しまっ!」
「なっ!?」
「いけない!」
どんどん真っ赤になっていく核爆弾(仮)。
「これって今どれくらいの威力ですか!?」
「この城くらいなら吹き飛ぶくらいでしょうか?」
「ヤバイヤバイヤバイヤバイ!!!!」
「『フリーズプリズン』!」
宰相さんが魔法で氷付けにするが、爆弾の色の変化は止まらない。
何か方法は、今までの経験から解決方を考えろ!
あっ。
あれだぁ!
「『ランダムテレポート』!」
今にも爆発しそうだった核爆弾(仮)は俺の唱えた魔法で何処かに飛ばされた。
よかった。バシ○ーラと間違えなくて。
ランダムにした理由は一度行ったことのある場所じゃなきゃ駄目で、それだと何処に送ろうが必ず被害が出る。
「助かりました勇者様。さて、マッドパス。」
「も、申し訳ございません!」
「気を付けなさい。」
「ヒヤッとしましたよ。ふぅ〜。ん?」
椅子に座った瞬間ステータスプレートからピロンピロン音がする。
見てみると、
高川太一 LV55
職業 勇者・鑑定士・変面士・蹴撃士・賢者・剣士・弓使い・ゴーレムマスターetc+α
攻 780+α 攻防 690+α
魔 820+α 魔防 650+α
速 500+α 運 480+α
特殊能力
器用貧乏 栴檀双葉+戦上手 機械の王+α
一気に体から血の気が引いていく。
「れ、れれ、レベルが、有り得ない位増えてる。」
「「「!?」」」




